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「琴電殺人事件」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

琴電殺人事件小説

初版発行日 2017年1月20日
発行出版社 新潮社
スタイル 長編

私の評価 2.5

POINT】
因襲と確執が渦巻く歌舞伎界の謎に、十津川警部が挑む!
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あらすじ

香川県琴平町にある日本最古の芝居小屋、金丸座。そこで毎年開かれる「こんぴら歌舞伎」に出演する人気役者・松川市之介に執拗に脅迫状が送られる。後援者のゲーム会社社長尾形が脅迫状の送り主と思われたが、その尾形が青山の自宅マンションで刺殺死体で見つかった。そして脅迫状の予告通り、琴電琴平線の車内で殺人事件が発生する。

小説の目次

  1. こんぴら歌舞伎
  2. 琴電琴平行き
  3. 本朝飛行故事始ことはじめ
  4. 車中の死
  5. 助六と遊女
  6. 歌舞伎十八番
  7. 自尊心の戦い

冒頭の文

橋本豊は私立探偵である。彼は、警視庁の刑事だったことがあったが、その時、やむを得ず人を殺してしまい、刑務所に入っている。

小説に登場した舞台

  • 東京駅(東京都千代田区)
  • 岡山駅(岡山県岡山市北区)
  • 快速マリンライナー
  • 高松駅(香川県高松市)
  • 高松築港駅(香川県高松市)
  • 瓦町駅(香川県高松市)
  • 栗林公園駅(香川県高松市)
  • 滝宮駅(香川県・綾川町)
  • 琴平駅(香川県・琴平町)
  • 旧金毘羅大芝居「金丸座」(香川県・琴平町)
  • 金刀比羅宮(香川県・琴平町)
  • 仏生山駅(香川県高松市)
  • 京都駅(京都府京都市下京区)
  • 帝国ホテル東京(東京都千代田区)
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登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 津村:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。西本刑事の代わりに配属された。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 田中大輔:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 片山明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

事件関係者

  • 松川市之介:
    歌舞伎役者。
  • 嵐芝翫:
    松川市之介の番頭。
  • 尾形誠一郎:
    ゲームメーカー「オガタ」の社長。青山の自宅マンションで何者かに刺殺される。
  • 片山新太郎:
    歌舞伎役者。
  • 柴田ゆみ:
    30歳。世田谷区三軒茶屋のマンションに在住。松川市之介とかつて交際していた。琴電の中で何者かに毒殺される。

その他の登場人物

  • 黒川:
    高松北警察署の警部。
  • 橋本豊:
    私立探偵。元警視庁捜査一課の刑事で、十津川警部の元部下。
  • 斉藤淳:
    私立探偵。橋本豊の知り合い。
  • 吉川麻美:
    私立探偵。橋本豊の知り合い。
  • 渡辺:
    ゲームメーカー「オガタ」の広報課長。
  • 宮野弥一:
    60歳。歌舞伎の脚本家。
  • 千石あや:
    人気女優。京都出身。
  • 小森さつき:
    松川市之介後援会の会員。松山出身。
  • 宮本研:
    ドラマの監督。
  • 村田明:
    演劇評論家。

印象に残った名言、名表現

■こんぴらさんの門前町、琴平。

この琴平という町は、こんぴらさんの、いわゆる門前町である。町の中の至るところに「しあわせさん、こんぴらさん」と、ひらがなで書いた幕が、掲げられ、金比羅の紋がつている。

感想

本作は、”琴電”と称される高松琴平電鉄と、歌舞伎の世界をテーマにした、殺人事件であった。前半は、琴電や金丸座の描写が多く、後半は歌舞伎とミステリーを中心とした描写になった。

香川県のローカル列車「琴電」が舞台になったことで、興味のある方もいたと思うが、願わくば最後まで琴電を舞台にしてほしかったというのが正直なところ。

確かに、琴電が登場し、琴電で殺人事件が起こるのだが、琴電で起こった意味はほとんどない。2件起こった殺人事件のひとつがたまたま琴電の車内であったに過ぎないのだ。

できれば、琴電周辺をメイン舞台にしてほしかった。まぁ、東京都が所管の警視庁捜査一課なので、限界はあるのだが…。

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