初版発行日 2018年3月10日
発行出版社 集英社
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
十津川警部の相棒・亀井刑事の受難。息子が誘拐された上に、殺人容疑が!?九州の有名観光列車を舞台に描く長編旅情ミステリー。
十津川警部の相棒・亀井刑事の受難。息子が誘拐された上に、殺人容疑が!?九州の有名観光列車を舞台に描く長編旅情ミステリー。
あらすじ
大物政治家小西栄太郎70歳が、連続少女殺人の容疑で逮捕された。愛人の手紙が、小西のアリバイを崩す重要証拠となった。この事件を解決した亀井刑事はご褒美休暇をとり、息子の健一と長崎から観光列車「或る列車」に乗りこむ。だが、終着駅の佐世保に着いたとき、健一が消えていた。誘拐犯は、亀井刑事に証拠の手紙を要求。亀井は息子を探すため、辞表を出して姿を晦ますが……。相棒の窮地を救うべく、脅迫犯に立ち向かう十津川警部の活躍!
小説の目次
- 或る列車
- 男と女の動き
- 特急いさぶろうと特急はやとの風
- 誤認逮捕
- 二つの力
- 亀井救出の道
- 最後のカーチェイス
冒頭の文
雛祭りの前日、警視庁捜査一課の十津川班が捜査していた殺人事件が突然、解決した。この事件は、「元国務大臣が逮捕されそうな殺人事件」と呼ばれていた。
小説に登場した舞台
- 羽田空港(東京都大田区)
- 長崎空港(長崎県大村市)
- 長崎駅(長崎県長崎市)
- 九州観光列車「或る列車」
- 佐世保駅(長崎県佐世保市)
- 熊本駅(熊本県熊本市)
- 特急「いさぶろう1号」
- 吉松駅(鹿児島県・湧水町)
- 特急「はやとの風1号」
- 隼人駅(鹿児島県霧島市)
- 鹿児島中央駅(鹿児島県鹿児島市)
- 東京駅(東京都千代田区)
- 武蔵小山駅(東京都品川区)
- 浜名湖サービスエリア(静岡県浜松市北区)
- 石塀小路(京都府京都市東山区)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 津村進:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三田村功:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 片山明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 田中大輔:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 河辺:
地検の検事。 - 緒方:
地検の検事。千駄ヶ谷のマンションに在住。 - 吉田:
地検の刑事。 - 秋山:
地検の刑事。 - 小野:
品川警察署の警部。 - 三浦:
京都府警の警部。 - 島崎:
京都府警の警部。 - 田島:
中央新聞社会部の記者。十津川警部の大学時代の同級生。 - 橋本豊:
私立探偵。元警視庁捜査一課の刑事で、十津川警部の元部下。 - 亀井健一:
11歳。亀井刑事の息子。九州観光列車「或る列車」で何者かに誘拐される。
事件関係者
- 小西栄太郎:
70歳。元代議士。保守党に大きな影響力をもつ。現在は「小西政治研究所」の所長。連続少女殺人事件の容疑者として逮捕された。その後、心不全で死亡する。 - 片山伸之:
総理大臣。 - 片山信江:
60歳。片山伸之首相の妻。品川の空き家で死体となって発見された。 - 池山琢也:
35歳。三鷹で軽食店を営む。 - 池山さとみ:
池山琢也の妹。 - 立石徹:
元整形外科医。
山の会
- 池田裕介:
60歳。青森県民会『山の会』の理事長。人材派遣会社「山の会人材派遣会社」の社長。 - 秋山実:
青森県民会『山の会』の会員。四谷にあるカフェ「マウンテン」の店主。 - 海原献一郎:
青森県民会『山の会』の会員。人材派遣会社「山の会人材派遣会社」の社員。 - 工藤夏彦:
青森県民会『山の会』の会員。人材派遣会社「山の会人材派遣会社」の社員。 - 佐野愛美:
青森県民会『山の会』の会員。四谷にあるカフェ「マウンテン」の店員。 - 杉本ひろ子:
青森県民会『山の会』の会員。四谷にあるカフェ「マウンテン」の店員。 - 和田秀介:
45歳。青森県民会『山の会』の会員。 - 杉本ひろ子:
50歳。東京美容学校の校長。成城に在住。青森県民会『山の会』の会員。
その他の登場人物
- 今田けいこ:
新橋の料亭「けいこ」の女将。小西栄太郎の愛人。吉祥寺のマンションに在住。 - 井村:
弁護士。 - 小林悟:
30歳。私立探偵。武蔵小山のマンションに在住。
感想
本作は、二つの政治グループの対立が背景にあった事件であった。そして、亀井刑事を二重の罠にかけた、ショッキングな事件でもあった。一つは、亀井刑事の息子の誘拐と、総理夫人殺害の犯人に仕立て上げられたことである。
事件や捜査の経過、結末については、ここで明かすことはできないが、本作には”ドローンを使った攻撃”があったのが印象的。
時代が変われば手段も変わるのだ。
十津川警部シリーズは、時代の変化をうまく反映していることがわかる一コマであった。
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