初版発行日 2002年1月25日
発行出版社 実業之日本社
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
焼身自殺から殺人事件へ。十津川警部の推理が冴え渡る!
焼身自殺から殺人事件へ。十津川警部の推理が冴え渡る!
あらすじ
十津川は妻直子の大学後輩笠原由紀から、画家の兄・笠原功が焼身自殺した事件の真相を調べてほしいという依頼を受けた。十津川は功が死ぬ前に長野の美ヶ原に出かける予定だったことを知り、現地に飛んだ。一方、功の恋人・坪井アキコも美ヶ原へ行き、諏訪湖畔で何者かに襲われ、記憶喪失となって病院に収容された。十津川は功の死を殺人事件として再捜査することを決意し……。
小説の目次
- 疑惑の自殺
- 湖岸の罠
- ある風景
- 証人
- 電話
- 逮捕
- 自画像の謎
冒頭の文
四月末のある日、十津川は、妻の直子から、笠原由紀を紹介された。
小説に登場した舞台
- 松本駅(長野県松本市)
- 美ヶ原高原(長野県松本市&上田市&長和町)
- 美ヶ原高原美術館(長野県上田市)
- 上諏訪駅(長野県諏訪市)
- 諏訪湖藩(長野県諏訪市)
- 京都駅(京都府京都市下京区)
- 渡月橋(京都府京都市右京区)
- 鳥取空港(鳥取県鳥取市)
- 鳥取砂丘(鳥取県鳥取市)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三田村功:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 片山明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 田中大輔:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 十津川直子:
十津川警部の妻。 - 橋本豊:
私立探偵。元警視庁捜査一課の刑事で、十津川警部の元部下。 - 吉田:
中野署の刑事。 - 三浦:
長野県警捜査一課の警部。 - 三井:
京都府警の警部。 - 小林:
京都府警の刑事。
事件関係者
- 笠原由紀:
十津川直子の大学の後輩。 - 笠原功:
笠原由紀の兄。画家。中野のマンションに在住。若手の画家集団「若鷹会」の会員。自宅が火事で燃え焼死体となって発見された。警察は焼身自殺として処理された。 - 坪井アキコ:
26歳。笠原功の恋人。画家の卵。武蔵境のアパートに在住。諏訪湖畔で意識不明の状態で発見され、上諏訪の病院に入院中。 - 松井優一郎:
30歳。若手の画家。月島にある高層マンションに在住。若手の画家集団「若鷹会」の会員。東京のRホテルの一室で服毒死体となって発見された。 - 中河美矢:
松井優一郎の恋人。新人女優。スナックでホステスのアルバイトをしている。 - 富田伸彦:
60歳。京都御所近くの旧家の当主。去年の10月に離れの茶室で何者かに殺害された。 - 富田伸之介:
30歳。富田伸彦の息子。松井優一郎の友人。 - 岩井明:
富田伸之介の仲間。 - 森脇四郎:
富田伸之介の仲間。 - 栗原武昭:
富田伸之介の仲間。 - 大野木豊:
56歳。総会屋「S経済」の社長。 - 竹山健一:
30歳。総会屋「S経済」の社員。 - 石谷順次:
25歳。総会屋「S経済」の社員。 - 北田浩:
25歳。総会屋「S経済」の社員。 - 白浜智彦:
23歳。総会屋「S経済」の社員。 - 奥野真由美:
37歳。京都祇園のクラブ「K」のママ。大野木豊がパトロンをしている。 - 三田志郎:
32歳。井の頭公園近くにあるZ石油のガソリンスタンドの店長。事件の後、ガソリンスタンドを辞めて、京都・嵯峨野で喫茶店「スリーポイント」を営む。 - 小田ハルミ:
20歳。井の頭公園近くにあるZ石油のガソリンスタンドの準社員。事件の後、ガソリンスタンドを辞めて、京都・嵯峨野で喫茶店「スリーポイント」を営む。 - 安藤仁:
35歳。井の頭公園近くにあるZ石油のガソリンスタンドのアルバイト。三鷹のマンションに在住。事件の後、ガソリンスタンドを辞めて、京都・嵯峨野で喫茶店「スリーポイント」を営む。 - 楠清一郎:
クスノキ医院の院長。
その他の登場人物
- 坂田伸夫:
有名画家。八王子でアトリエつきの住居に在住。 - 野口敬吾:
若手の画家。井の頭公園近くのマンションに在住。 - 君香:
舞妓。 - 美千代:
舞妓。 - 小君:
芸姑。 - 寿々賀:
芸姑。 - 山口透:
56歳。元富田茶器の販売部長。 - 橋本綾子:
K画廊の支配人。 - 小坂井:
井の頭公園近くにあるZ石油のガソリンスタンドの店長。 - 井上:
Mタクシー運転手。 - 長田:
松本タイムスの記者。 - 愛田:
四谷に事務所のある若手の画家集団「若鷹会」の理事。
印象に残った名言、名表現
なし。
感想
本作は、画家の世界を描いた作品である。
タッチの違う二人の画家の自画像に描かれたバラが事件の鍵を握る、何とも怪しげな作品であり、画家の思いや周囲の人間模様もしっかりと描かれている。
ただし、松本美ヶ原が舞台の一つになっているが、東京や京都が事件のメイン舞台になっているので、トラベルミステリーとしての要素は少ないと思う。
コメント