初版発行日 2018年8月8日
発行出版社 徳間書店
スタイル 短編集
私の評価
時刻表トリックの妙味が堪能できる不朽の鉄道ミステリー4篇!
あらすじ
1.「雷鳥九号」殺人事件
短編集「雷鳥九号殺人事件」に収録。下記を参照↓↓
→「雷鳥九号殺人事件」
2.大垣行345M列車の殺意
東京駅23時25分発の大垣行345M列車に乗っていた女性デザイナーの絞殺死体が小田原駅近くの線路で発見された。彼女の手帳から、十津川警部と大学で同窓の芸能プロ社長外崎が容疑者として浮かぶ。彼のアリバイは一緒に飲んだ友人が証言したが、数日後外崎は姿を消した。そして、横浜駅のホームで第二の殺人が……。
3.再婚旅行殺人事件
出雲から博多に向かう急行列車の中で、毒物による殺人事件が発生した。しかし、犯人の目ぼしがつかないまま、事件は迷宮入りになってしまった。ところが、スポーツ紙に載っていたアニメ・プロデューサーの結婚の記事を目にした十津川班の西本刑事が、奇妙な符合に気づいた。迷宮入りをした事件の被害者と、新聞記事の人物との接点を発見したのだ。事件は新たな進展を見せることになる。さっそく十津川班の刑事が、事件現場に飛んだ。
4.恨みの陸中リアス線
短編集「恨みの陸中リアス線」に収録。下記を参照↓↓
→「恨みの陸中リアス線」
小説に登場した舞台
1.「雷鳥九号」殺人事件
短編集「雷鳥九号殺人事件」に収録。下記を参照↓↓
→「雷鳥九号殺人事件」
2.大垣行345M列車の殺意
- 東京駅(東京都千代田区)
- 熱海駅(静岡県熱海市)
- 横浜駅(神奈川県横浜市西区)
3.再婚旅行殺人事件
- 京都駅(京都府京都市下京区)
- 特急「あさしお号」
- 城崎温泉駅(兵庫県豊岡市)
- 急行「だいせん」
- 大社駅(島根県出雲市)
- 出雲大社(島根県出雲市)
- 宍道湖(島根県出雲市・松江市)
- 松江駅(島根県松江市)
- 急行「さんべ号」
- 長門市駅(山口県長門市)
- 下関駅(山口県下関市)
- 四谷三丁目駅(東京都新宿区)
- 東京駅(東京都千代田区)
- 日御碕(島根県出雲市)
- 島根半島海中公園(島根県出雲市)
- 出雲市駅(島根県出雲市)
4.恨みの陸中リアス線
短編集「恨みの陸中リアス線」に収録。下記を参照↓↓
→「恨みの陸中リアス線」
登場人物
1.「雷鳥九号」殺人事件
短編集「雷鳥九号殺人事件」に収録。下記を参照↓↓
→「雷鳥九号殺人事件」
2.大垣行345M列車の殺意
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 坂本:
神奈川県警の警部。 - 田村:
中央電気の人事部長。十津川警部の大学時代の同級生。 - 井上:
通産省の課長。十津川警部の大学時代の同級生。深大寺の近くに在住。 - 外崎徹:
芸能プロダクションの社長。十津川警部の大学時代の同級生。石神井に在住。 - 田村悠子:
田村の妻。中央電気の社長・田村晋策の娘。 - 河内ますみ:
25歳。ファッションデザイナー。元モデル。小田原駅近くの線路沿いで死体となって発見された。 - 吉田:
事件が起こった345M電車の車掌長。 - 酒井:
345M電車の車掌長。 - 田中富夫:
芸能プロダクション「田中企画」の社長。 - 外崎冴子:
外崎徹の妻。元女優。 - 広田由紀夫:
東西興業の企画部長。横浜駅で何者かに刺殺された。
3.再婚旅行殺人事件
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 桜井:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。 - 相沢:
警視庁捜査二課の警部。十津川警部の大学時代の同級生。 - 島田:
山口県警の捜査一課長。 - 外山:
山口県警の部長刑事。 - 十津川直子:
十津川警部の妻。 - 尾形尚子:
30歳。京都祇園の花見小路にあるクラブのママ。 - 井村正義:
39歳。尚子の前夫。プロデューサー。尾形尚子と再婚することになった。 - 山下:
急行「さんべ3号」の車掌。 - 木村謙一郎:
私立探偵。新宿区左門町のマンションに在住。急行「さんべ3号」の車内で毒死する。 - 高倉君子:
尾形尚子の友人。
4.恨みの陸中リアス線
短編集「恨みの陸中リアス線」に収録。下記を参照↓↓
→「恨みの陸中リアス線」
感想
本作は、列車トリックを使った4つの短編集である。いずれも、よく練り込まれた作品であり、甲乙つけがたい。
ひとつ挙げるなら、「大垣行345M列車の殺意」だろう。十津川警部の大学時代の同級生3人が登場し、そのうち一人が殺され、一人が真犯人という悲しい事件だった。自分の同級生を疑わなければならない、十津川警部の苦悩がひしひしと伝わってきた。
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