初版発行日 2015年6月20日
発行出版社 光文社
スタイル 長編
私の評価
夢の豪華列車に仕掛けられた黒い罠!十津川警部は黒幕を見抜けるのか?
あらすじ
豪華列車「ななつ星」に病気の母親を乗せるため、賀谷大三郎は悪知恵を働かせてツアーに潜り込んだ。ところが乗車直後、大三郎のもとに一通の脅迫状が届く。今回の悪事を見逃してやる代わりに、ある乗客の手帳を盗み出せというのだが……。さらに、乗車していた次期駐日アメリカ大使の女性が行方不明に。続発する事件の黒幕を追い、十津川警部が九州を走る!
小説の目次
- 危険への出発
- 外務省
- 最終の日へ
- 女の経歴
- マッカーサーの副官
- 推理の飛躍
- 旅の終わり
冒頭の文
賀谷大三郎は現在、母親と二人で、東京都内のマンションで、暮らしているが、生まれは、母親の故郷、九州の鹿児島である。
小説に登場した舞台
- 羽田空港(東京都大田区)
- 福岡空港(福岡県福岡市博多区)
- 博多駅(福岡県福岡市博多区)
- クルーズトレイン「ななつ星」
- 長崎駅(長崎県長崎市)
- 由布院駅(大分県由布市)
- 宮崎空港(宮崎県宮崎市)
- 宮崎駅(宮崎県宮崎市)
- 青島神社(宮崎県宮崎市)
- 都城駅(宮崎県都城市)
- 隼人駅(鹿児島県霧島市)
- 鹿児島中央駅(鹿児島県鹿児島市)
- 仙巌園(鹿児島県鹿児島市)
- 阿蘇駅(熊本県阿蘇市)
- 肥前大浦駅(佐賀県・太良町)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 安藤:
外務省の北米局長。 - 剣持:
熊本県警捜査一課の警部。 - 伊地知:
福岡県警の警部。
事件関係者
- 賀谷大三郎:
無職。母親と二人で都内のマンションに在住。鹿児島出身。 - 賀谷松枝:
63歳。賀谷大三郎の母親。 - 柴田宏行:
32歳。都内在住。4月9日から「ななつ星」で旅行をする夫婦。 - 柴田加代:
30歳。都内在住。4月9日から「ななつ星」で旅行をする夫婦。 - 池田淳:
上野の骨董商。「ななつ星」の乗客。 - 池田佳子:
池田淳の妻。 - 細矢稔:
MR商会の秘書課長。 - シャリー・杉山・ケイコ:
36歳。次期駐日アメリカ大使。「ななつ星」の乗客。 - 川合麻里子:
外務省の職員。シャリー・杉山・ケイコと同乗した「ななつ星」の乗客。 - 柳沼大:
「ななつ星」の乗客。 - 水口芳男:
60歳。「ななつ星」の乗客。
印象に残った名言、名表現
■いろいろな生き方がある。
今のところ、大三郎には、定職といえるようなものはない。金の匂いのするところに、首を突っ込んで、細々と、金を稼いでいるだけである。
感想
クルーズトレイン「ななつ星」は、豪華列車と呼ぶにふさわしい列車であり、100万円前後からという料金設定からも、その豪華さがあらわれている。庶民には憧れの列車でもある。
本作は、そんなクルーズトレイン「ななつ星」の車内の様子や、訪れる九州各地の様子が、詳細に描かれており、これを読むだけでも、ひとつの旅行案内にもなっている。
そうしたトラベル要素が満載だったのが本作の良さだろう。
ミステリーについては、戦中や戦後のエピソードが事件の動機につながっているという、2000年代行の十津川警部シリーズのひとつのパターンでもある。
この歴史組み込み型ミステリーについては、賛否両論があるのも事実。個人的にはあまり好きではないが、歴史をからめたダイナミックさが好きだという方もいる。
では、あなたが歴史組み込み型ミステリーにどんな感想をもつか?実際に読んで確かめてもらいたい。
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