初版発行日 2010年10月6日
発行出版社 講談社
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
SL車内で事件発生! 十津川の推理は?犯人と十津川の知恵比べ!!
SL車内で事件発生! 十津川の推理は?犯人と十津川の知恵比べ!!
あらすじ
誘拐犯からの犯行予告に記された謎の言葉(ヒント)「空」「水」「アメリカ」「子供」「金」が指し示すのは、いったいどのSLなのか? 探し当てなければ、人質の命が危ない。期限はあと2日! 犯人が仕掛ける謎かけに、十津川警部は果たしてどう答える? そして運命の日、予想外の事件が発生。事態は一気に混迷を深める!!
小説の目次
- 五つの言葉
- 空があった
- 運命の日
- 十年前の記憶
- 過去に向かって
- SLの走った日
- 今日もSLは走る
冒頭の文
橋本豊が私立探偵を始めて、今年で、五年になる。その五年間に、変わったものと、変わらないものがある。
小説に登場した舞台
- 鉄道博物館(埼玉県さいたま市大宮区)
- 国立国会図書館(東京都千代田区)
- SL「ばんえつ物語」号
- 新潟駅(新潟県新潟市中央区)
- 新津駅(新潟県新潟市秋葉区)
- 津川駅(新潟県・阿賀町)
- 野沢駅(福島県・西会津町)
- 荻野駅(福島県喜多方市)
- 山都駅(福島県喜多方市)
- 喜多方駅(福島県喜多方市)
- 会津若松駅(福島県会津若松市)
- 東山温泉(福島県会津若松市)
- 東中野(東京都中野区)
- 南紀白浜空港(和歌山県・白浜町)
- 白浜海岸(和歌山県・白浜町)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三田村功:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 田中大輔:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 片山明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 武田:
福島県警の警部。 - 立花:
福島県警の本部長。 - 森下:
静岡県警の警部。 - 河西:
和歌山県警の警部。 - 橋本豊:
私立探偵。元警視庁捜査一課の刑事で、十津川警部の元部下。
事件関係者
- 藤井清太郎:
70歳。藤井興業の会長。資産家。行方不明になる。 - 藤井清之:
藤井清太郎の息子。藤井興業の社長。資産家。八王子に在住。橋本豊に「行方不明になった父親を捜してほしい」と依頼する。 - 藤井美代子:
藤井清之の妻。 - 藤井亜里沙:
藤井清之の娘。 - 藤井清彦:
藤井清之の息子。藤井興業の営業課長。 - 上条明:
32歳。カメラマン。足立区内のマンションに在住。大井川鐵道を走るSL列車の撮影中に死亡した。 - 米田美由紀:
当時10歳。10年前、東北新幹線の車内で突然死する。 - 米田浩一郎:
45歳。米田美由紀の父親。10年前まで東中野にある魚料理店「魚新」の店主をしていた。 - 米田弥生:
45歳。米田美由紀の母親。 - 持田亜紀:
10歳。SL「ばんえつ物語」号の車内で刺殺された。
その他の登場人物
- 金子敦司:
藤井清太郎の顧問弁護士。 - 上条麻耶:
25歳。上条明の妹。旅行会社に勤務。 - 柴田:
会津新報の記者。 - 井崎啓介:
喜多方にあるラーメン店「中華一番」の主人。元JRの職員。 - 長谷川:
会津若松市内にある病院の院長。
印象に残った名言、名表現
■智恵子抄の一節。
智恵子は東京に空が無いという、ほんとの空が見たいという
感想
本作は、10年前の事件が根にある、殺人事件であった。ただ、10年前と今回の被害者が、10歳の少女だったというのが、なんとも痛ましい。
今回の作品のポイントになったのが、次の5つの暗号である。
- 空
- 水
- アメリカ
- 子供
- 金
この暗号の答え捜しが、本作を読む一つの楽しみにもなっている。列車マニアならではの、暗号なので、自信のある方はぜいトライしてみてほしい。
この作品で残念だと思った事が一つ。
会話文が長すぎて読みづらいのである。十津川警部シリーズの特徴は、会話の多さであり、この会話で事件の推理をしていくのであるが、長い会話文が連発すると、読んでいて疲れるのである。
ここが残念だった。
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