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「伊豆海岸殺人ルート」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

伊豆海岸殺人ルート小説

初版発行日 1994年12月5日
発行出版社 講談社
スタイル 長編

私の評価 4.0

POINT】
一枚の写真が招く殺人の連鎖!十津川警部の推理が冴える!
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あらすじ

OL殺しの容疑で逮捕された男が自殺した。無実を訴える男は、アリバイを主張したが、その証人である写真家夫妻も失踪していた。死の直前に容疑者が明かした写真にまつわる謎を追う十津川警部を嘲笑うかのように、手がかりを握る人物が次々と殺されていく。一枚の写真が招いた殺人の連鎖と、その驚愕の真相!

小説の目次

  1. 堂ヶ島海岸
  2. 一枚の写真
  3. 土肥海岸
  4. 歳月
  5. 心のS字カーブ
  6. 崩壊

冒頭の文

伊豆の堂ヶ島で、水野夫婦らしき二人連れを見たという噂が、十津川の耳に聞こえてきた。

小説に登場した舞台

  • 伊豆急下田駅(静岡県下田市)
  • 堂ヶ島海岸(静岡県・西伊豆町)
  • 隅田公園(東京都台東区)
  • 沼津駅(静岡県沼津市)
  • 三津浜海岸(静岡県沼津市)
  • 大瀬崎(静岡県沼津市)
  • 九段下(東京都千代田区)
  • 天城峠(静岡県伊豆市)
  • 修善寺駅(静岡県伊豆市)
  • 恋人岬(静岡県伊豆市)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 清水新一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 本多時孝:
    警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

静岡県警

  • 佐伯:
    静岡県警の警部。

事件関係者

  • 塩谷奈美:
    27歳。K製薬の販売部長・本島修の秘書。四谷二丁目のマンションに在住。5月に自宅で死体となって発見された。
  • 小田悠介:
    30歳。フリーカメラマン。塩谷奈美の恋人。水野久明の弟子。塩谷奈美殺害容疑で逮捕・起訴された後、拘置所で自殺した。
  • 井村泰:
    29歳。横浜市旭区のマンションに在住。堂ヶ島で水死体となって発見された。
  • 木下亜矢:
    26歳。吉原のソープランド「ピンクのバラ」に勤務。源氏名は亜理沙。草加のマンションに在住。隅田公園で死体となって発見された。
  • 安藤:
    50歳。東京拘置所の看守。小田悠介の自殺後、退職した。八王子のマンションに在住。その後、行方不明になる。
  • 萩原れい子:
    23歳。レーサー。練馬にあるヒロタレーシングクラブ所属。堂ヶ島で車が転落し、死亡した。
  • 木島定良:
    47歳。倒産した木島交通の元社長。その後、新興宗教「泉の光教」の教祖になった。
  • 片桐:
    新興宗教「泉の光教」の事務局長。
  • 品田彰:
    1年前まで、鈴江工業沼津工場の管理部会計課で働いていた男。
  • 市川順:
    中野区本町のマンションに在住の男。情報会社の起業準備中。

その他の登場人物

  • 本島修:
    K製薬の販売部長。
  • 水野久明:
    55歳。写真家。
  • 水野冴子:
    35歳。水野久明の妻。
  • 安藤広子:
    47歳。安藤の妻。
  • 藤島けい子:
    30歳。ろう者。2年前息子が死亡した事件で精神を壊し、堂ヶ島の療養センターに入院中。
  • 北川明:
    33歳。藤島けい子の元夫。
  • 島田:
    54歳。堂ヶ島にある小学校の校長。
  • 塚本元:
    62歳。写真家。
  • 向井明:
    49歳。写真家。大手出版社のカメラマンとして勤務。
  • 森本:
    元ニュージャパン新聞の編集長。
  • 小林:
    神田にある「フォト日本」社の編集長。
  • 小久保泰:
    レーサー。練馬にあるヒロタレーシングクラブ所属。
  • 星川新太郎:
    市川順の大学時代の友人。情報会社の起業準備中。
  • 米川:
    S大学の教授。新興宗教を研究している。
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感想

本作は、1枚の写真を手がかりに、事件が大きく発展していくダイナミックさと、十津川班の緻密で執念の捜査が光った作品だった。

事件の背景であり根本にあるのは、新興宗教であったが、これは1994年当時の社会的背景が色濃く反映されていた。この当時は、オウム真理教をはじめとする新興宗教が社会問題になっており、実際に大きな事件へと発展していったのである。

この新興宗教を背景とした大事件と、美しい伊豆海岸のコントラストが鮮やかでもあった。

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