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十津川警部「鳴門の愛と死」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

鳴門の愛と死小説

初版発行日 2008年1月25日
発行出版社 実業之日本社
スタイル 長編

POINT】
どんでん返しと大どんでん返し!あなたは二度騙される!
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あらすじ

十津川警部宛てに、ある作家から送られてきた一冊の本。それは一年前の女優強盗刺殺事件が女優の夫によるものだと告発する書だった。夫でカメラマンの男には事件当日アリバイがあったが、四国八十八ヶ所巡りで夫と会ったとアリバイ証言したお遍路女性は行方不明。その女性と一緒に巡礼していた友人も、事件後、夫が車ではねて死なせていた。夫のアリバイの真偽はー!?

小説の目次

  1. 挑戦状
  2. 金比羅さん
  3. お遍路
  4. 起訴
  5. 過去の傷口
  6. 逆転
  7. 愛と死の代償

小説に登場した舞台

  • 明石海峡大橋(兵庫県神戸市&淡路市)
  • 大観覧車 淡路サービスエリア(兵庫県淡路市)
  • 鳴門の渦潮(徳島県鳴門市)
  • 霊山寺(徳島県鳴門市)
  • 善通寺(香川県善通寺市)
  • 琴平駅(香川県・琴平町)
  • 金丸座(香川県・琴平町)
  • 金刀比羅宮(香川県・琴平町)
  • うづ乃家(徳島県鳴門市)
  • 栗林公園(香川県高松市)
  • 鳴門警察署(徳島県鳴門市)
  • うずしお観潮船(徳島県鳴門市)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 田中大輔:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 本多時孝:
    警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

事件関係者

  • 大下楠夫:
    40歳。ノンフィクションライター。
  • 小笠原美由紀:
    女優名は笠原由紀。1年前、殺害された。事件は迷宮入り。
  • 小笠原徹:
    32歳。小笠原美由紀の夫。フリーカメラマン。
  • 三宅亜希子:
    小笠原美由紀殺害時、小笠原徹が徳島で話したお遍路の女性。
  • 安藤君恵:
    去年の暮れ、小笠原徹が運転する車に轢かれて死亡した。交通事故で処理される。
  • 坂本みどり:
    小笠原徹のお手伝い。
  • 島崎守:
    小笠原徹が雇った弁護士。
  • 田村恵子:
    新人作家。ペンネームは村田けい。KN文学賞を受賞。6年前、うずしお観潮船から転落して亡くなる。

その他の登場人物

  • 上田:
    浅野法律事務所の所長。
  • 橋本豊:
    私立探偵。かつて警視庁捜査一課にいた。
  • 木内健作:
    小笠原徹の写真学校時代の先輩。
  • 田上:
    検事。45歳。
  • 小池:
    鳴門警察署の刑事。
  • 小川圭子:
    笠原由紀のマネージャーだった女性。35歳。
  • 古賀:
    出版社の編集者。

印象に残った名言、名表現

(1)北条早苗が食べた讃岐うどん。

早苗が注文したのは、素うどんで、それにネギを入れ、醤油をかけただけで食べる。さすがに、名物といわれるだけあって、これが、やたらに旨い。

(2)一人の男を、警察と探偵が尾行するカオスな景色。

小笠原は、海の見える窓際の席に、腰を下ろし、名物の鯛丼を、注文している。三田村と早苗も、離れたテーブルにつき、同じ鯛丼を注文し、小笠原を監視した。

二、三分して、橋本豊が、もう一人の男と一緒に、店に入ってくるのが見えた。橋本は、早苗たちを見つけて小さく、手を上げたが、そのまま、別のテーブルについて、食事を始めた。

 

総評

やられた~!!

この作品を読み終わった読者は、2度、こう思うはずである。大どんでん返しの、さらにその上をいく、大どんでん返しが待っている。

ミステリー好きの読者なら、一度目の大どんでん返しは、読み進めるうちに、ウスウス察知し始めると思う。しかし、さらにその上を行く、大どんでん返しには、気がつかないだろう。

ちなみに、本書の冒頭は次の一文からはじまっている。

十津川警部宛てに、一冊の本が、送られてきた。タイトルは『殺人の証明』である。

この一文からすでに、大どんでん返しの伏線がはじまっている。この後は、西村京太郎先生の小気味良い文章で、あっという間に、”十津川ワールド”に引き込まれていく。気がつけば、あっという間に、最終章に突入しているはずだ。

そして、最後に、

やられた~!!と、

2度、叫ぶのである。しかし、その叫びは痛快でもる。

ちなみに、四国お遍路が登場した作品は、2005年刊行の「青い国から来た殺人者」、2008年刊行の「四国お遍路殺人ゲーム」もある。こちらもおすすめである。

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