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「赤穂バイパス線の死角」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

赤穂バイパス線の死角小説

初版発行日 2012年2月25日
発行出版社 中央公論新社
スタイル 長編

私の評価 3.8

POINT】
「役者」だからこそ起きた悲劇の真相は?
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あらすじ

人気歌舞伎役者・尾上竜之介が、「忠臣蔵」公演の翌日にTV局女子アナ・山本由美とともに服毒死した。竜之介の遺書もあり、心中として捜査は終了したが、殺人事件だと主張する所轄署の小西は、有給休暇を取って姿を消してしまう。そして、小西に同調する雑誌記者・坂井もまた連絡が取れなくなってしまった。十津川は二人を探すべく、四十七義士を祀る兵庫県の赤穂大石神社へ向かうが、岡山県日生の港で坂井の溺死体が発見される…。

小説の目次

  1. 忠臣蔵
  2. もどり
  3. 備前焼の町
  4. 重ね着の死体
  5. 竜之介の相手役
  6. 異形の世界
  7. 様々な愛

冒頭の文

十津川警部の机の上に、一枚のハガキがのっている。そこには、たった一行、こんな文字が、並んでいた。「私は、覚悟を決めて、寺坂吉右衛門になります」

小説に登場した舞台

  • 泉岳寺(東京都港区)
  • 相生駅(兵庫県相生市)
  • 播州赤穂駅(兵庫県赤穂市)
  • 赤穂城跡(兵庫県赤穂市)
  • 赤穂大石神社(兵庫県赤穂市)
  • 日生港(岡山県備前市)
  • 伊部駅(岡山県備前市)
  • 備前焼伝統産業会館(岡山県備前市)
  • 道玄坂(東京都渋谷区)
  • 蓮台寺温泉(静岡県下田市)
  • 岡山駅(岡山県岡山市北区)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 本多時孝:
    警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 小西敬一郎:
    52歳。池袋警察署の警部。
  • 小西美奈子:
    小西敬一郎の娘。夫と娘と三鷹のマンションに在住。
  • 片岡:
    兵庫県警の刑事。
  • 榊原:
    岡山県警の警部。
  • 野本:
    築地警察署の警部。

事件関係者

  • 尾上竜之介:
    30歳。人気歌舞伎役者。池袋のマンションに在住。去年の12月に自宅マンションで服毒死した。
  • 山本由美:
    25歳。女子アナウンサー。去年の12月に尾上竜之介のマンションで服毒死した。
  • 坂井義之:
    神田にある「週刊ジャパン」の記者。日生港で水死体となって発見された。
  • 中野慎太郎:
    35歳。歌舞伎役者。築地のマンションに在住。自宅マンションで死体となって発見された。
  • 前島要:
    尾上竜之介の大学時代の同級生。
  • 早川稔:
    52歳。新宿ある早川和食の社長。

その他の登場人物

  • 青山:
    「週刊ジャパン」の編集長。
  • 山本空斎:
    山本由美の父親。備前焼の有名な陶工。伊部に在住。
  • 島田真奈美:
    山本由美の高校時代の友人。主婦。
  • 大和田幸子:
    山本由美の高校時代の友人。陶芸店に勤務。
  • 鈴木:
    S芸能の広報担当。
  • 白石健太郎:
    35歳。歌舞伎役者。
  • 尾上栄泉:
    歌舞伎役者。尾上竜之介の父親。
  • 尾上花江:
    尾上栄泉の妻。日本舞踏の名取り。
  • 佐々木香織:
    尾上竜之介の大学時代の同級生。東京都庁の職員。
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感想

まず、本作「赤穂バイパス線の死角」と2020年9月29日に刊行された「赤穂・忠臣蔵の殺意」は、同じ内容である。本作の改題が「赤穂・忠臣蔵の殺意」である。

赤穂・忠臣蔵の殺意

知らなかった私は両方購入してしまった。。。

もし、「赤穂バイパス線の死角」と「赤穂・忠臣蔵の殺意」が別々の作品として作品数にカウントされているならば、いかがなものかと思うが……。カウントされていないかもしれないので何とも言えないが。

それはさておき、本作は、忠臣蔵と歌舞伎の世界がテーマの作品だったと思う。

心中に見せかけた殺人事件が発端となり、その後も殺人事件が発生する。十津川警部たちは、忠臣蔵の世界を探りながら、事件の解決に至るという流れであった。

犯人像も二転三転するミステリーらしさがあり、最後まで飽きさせない。

ただ、最後の終わり方がやや急ぎすぎた感じがするのが残念な点である。犯人が遺書を残して自殺してしまうのだが、ページ数や締切の関係で早々と終わるために、この終わり方を選んだのか?と邪推してしまうような終わり方だった。

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