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十津川警部・怒りの追跡(上)(下)/感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

十津川警部・怒りの追跡小説

初版発行日 1991年11月15日
発行出版社 実業之日本社
スタイル 長編

私の評価 3.5

POINT】
部下を殺害した闇の組織が、さらに恐るべき犯行をくわだてている。奴等のターゲットは何か?満腔の怒りを込めて、十津川警部が組織の黒幕に迫る!

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あらすじ

上巻

事件の発端は、覚醒剤中毒の男が、1人の野球少年を殺したというものだった。その少年は、十津川警部の部下、清水刑事の弟だった。清水刑事はたった1人で、覚醒剤の販売ルートを探りはじめた。しかし清水刑事は、夜行寝台列車「北斗星4号」の車中で、何者かに殺害された…。

下巻

部下の清水刑事を殺害した悪の組織は、覚醒剤の販売によって得た莫大な金を使って、恐るべき犯行を計画していた。それを知った十津川警部は、今は亡き部下の仇を討つべく、組織の黒幕へと迫っていく。しかし危険を察知した犯人側は、十津川警部の命を狙って、新たな攻撃を開始した。

小説の目次

  1. 悲劇で始まった
  2. 夜の町で
  3. 夜の尾行
  4. 函館空港
  5. 灰皿の町
  6. 函館駅
  7. 遺影
  8. 東京へ
  9. ヘルスクラブ
  10. 別荘
  11. パーティ
  12. 関係者たち
  13. 砂漠の国
  14. もう一人の若者
  15. 新たな犠牲者
  16. 合同捜査
  17. 交通事故
  18. アフリカの砂漠
  19. 行方不明
  20. 失われた記憶の中で
  21. 警告
  22. 危険への招待
  23. 死線
  24. 逃亡
  25. ソウルー釜山
  26. 千年の都・慶州
  27. 射殺
  28. 回復への道

冒頭の文

北海道は梅雨がないというが、それでも、ここ二、三日、じめじめした天気が続いていた。

小説に登場した舞台

  • 函館駅(北海道函館市)
  • 湯の川温泉(北海道函館市)
  • 啄木小公園(北海道函館市)
  • 函館空港(北海道函館市)
  • 千歳空港(北海道千歳市)
  • 仙台空港(宮城県名取市)
  • 青森駅(青森県青森市)
  • 仙台駅(宮城県仙台市青葉区)
  • 上野駅(東京都台東区)
  • 深大寺(東京都調布市)
  • 仙石原(神奈川県・箱根町)
  • 成田空港(千葉県成田市)
  • 羽田空港(東京都大田区)
  • 伊東(静岡県伊東市)
  • カイロ国際空港(エジプト・アラブ共和国)
  • ンジャメナ(チャド共和国)
  • 仁川国際空港(大韓民国)
  • ソウル駅(大韓民国)
  • 釜山駅(大韓民国)
  • 慶州(大韓民国)
  • 仏国寺(大韓民国)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 清水新一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。函館で弟が殺害されて捜査していたところ、啄木小公園で何者かに殴られ負傷する。入院中に何者かに連れ去られ、寝台特急「北斗星4号」の中で死体となって発見された。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 田中:
    32歳。警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 田原:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 本橋:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 尾形:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 本多時孝:
    警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 三浦:
    北海道警の警部。
  • 小林:
    函館警察署の刑事。
  • 下田:
    宮城県警の警部。
  • 田島:
    警視庁初動捜査班の警部。
  • 佐伯:
    警視庁初動捜査班の警部。
  • 日野:
    千葉県警の警部。
  • 平田:
    世田谷署の巡査部長。
  • 白江:
    第五機動隊の隊長。
  • 李:
    ソウル市警察署の刑事。
  • 崔:
    ソウル市警察署の刑事。
  • 朴:
    釜山市警の刑事。
  • 呉正狗:
    慶州市警察の刑事。
  • 平木:
    警視庁刑事課の警部。
  • 十津川直子:
    十津川警部の妻。
  • 田口(通常は田島の名前で登場する)
    中央新聞社会部の記者。十津川警部の大学時代の同級生。

事件関係者

  • 長谷部:
    函館新聞の記者。
  • 清水:
    清水刑事の弟。函館K高校野球部の選手。4番ライト。野球の試合中、グランドの外にいた石川久男に刺殺される。
  • 石川久男:
    32歳。トラックの運転手。清水を殺害した犯人。乃木町のコンビニで強盗に入って警官に射殺された。
  • 石川ひろみ:
    石川久男の妹。家出した後、行方不明になる。函館市内にある焼肉チェーンに勤務していたが、その後、世田谷区烏山の路上でトラックにはねられて意識不明。
  • 野沢裕子:
    N興業の社長秘書。
  • 川西茂男:
    覚せい剤の売人。函館市内に住んでいたが、1か月前に調布市内のマンションに引っ越してきた。深大寺の雑木林で死体となって発見された。
  • 江崎周一郎:
    銀座にある江崎交易の社長。箱根の仙石原に別荘をもつ。池袋にあるクラブ「365」のオーナーでもある。
  • 星野:
    江崎周一郎の秘書。元陸上自衛隊。
  • 木原大助:
    江崎周一郎の居候。
  • 茨木:
    江崎周一郎の部下。
  • 塩谷洋:
    覚せい剤の売人。烏山バイパスに停めてあった車の中で射殺体となって発見された。
  • 長井利也:
    覚せい剤の売人。成田空港で何者かに射殺される。
  • 丸山:
    石川ひろみを轢いたトラックの運転手。自宅アパートで首を吊った状態で死体となって発見された。
  • 木崎実:
    K組の幹部。韓国名は金華淳。

その他の登場人物

  • 伊原要一郎:
    38歳。函館市会議員。父親は東京に本社のある第一物商の社長。
  • 原田:
    伊原要一郎の秘書。
  • 杉野:
    代議士。
  • 三沢卓造:
    代議士。国務大臣。
  • 藤沢司郎:
    八王子市内にあるパチコン店のオーナー。
  • 村上:
    成田空港の税関職員。
  • 藤井:
    外務省のアフリカ担当の局長。
  • ソムコ:
    ブビア共和国の情報大臣。
  • 増田:
    チャドの首都・ンジャメナにある日本大使館の職員。
  • 野原みや子:
    池袋にあるクラブ「365」のママ。
  • 平山:
    池袋にあるクラブ「365」のバーテン。
  • 李恵:
    池袋にあるクラブ「365」のホステス。
  • 田代:
    M銀行の取締役。
  • 宇野:
    経団連の副会長。
  • 長根:
    代議士。外務大臣。
  • 森:
    NHK会長の秘書室長。
  • 田代:
    副総理大臣。
  • 広田:
    法相。
  • 水野:
    広田の秘書。
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感想

本作は、良くいえばダイナミック、悪くいえば大味な作品だったと思う。

日本国内にとどまらず、アフリカや韓国へ犯人を追いかけた十津川警部。まさに、ワールドワイドな刑事であり、壮大な舞台で繰り広げられた捜査行になったと思う。

さらに、副総理大臣や外務大臣、国務大臣などが登場し、クーデター、テロ、機動隊など、もはや警視庁捜査一課の範囲を大きく逸脱してしまっており、ここが大味で、リアリティから大きくかけ離れてしまった印象を与えた。

ちなみに、本作で、十津川警部は、記憶喪失になる。もちろん、しばらくしたら記憶は戻ったのだが、十津川が記憶喪失になったのは初めてだったと思う。

また、十津川警部が訪れたアフリカの「ブビア共和国」は、実在しない。架空の国だと思われる。エジプトやチャド共和国、韓国は実在する国だったのに、なぜブビア共和国だけ架空の国にしたのか?は不明である。

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