初版発行日 1978年10月30日
発行出版社 光文社
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
ミステリー史上に燦然と輝く金字塔!トラベル・ミステリーの決定版!
ミステリー史上に燦然と輝く金字塔!トラベル・ミステリーの決定版!
あらすじ
寝台特急列車の人気の秘密を探るため、週刊誌記者の青木は東京駅発下り<はやぶさ>に乗り込む。彼は個室寝台で隣室の”薄茶のコートの女”を取材し写真に撮るが、そのフィルムを何者かに抜きとられてしまう。翌日、東京の多摩川にその女の水死体が浮かんだ。彼女をそこまで運んだ方法は?
小説の目次
- 下り<はやぶさ>
- 水死体(三月二十八日)
- 時刻表
- 運転停車
- アリバイ
- 五時間の謎
- 逮捕令状
- 脅迫者
- 臨時停車
- 追跡
冒頭の文
青木が、東京駅の十三番千ホームにあがって行くと、彼が乗る予定の寝台寝台<はやぶさ>の青い車体は、すでにホームに入っていた。
小説に登場した舞台
- 東京駅(東京都千代田区)
- 寝台寝台「はやぶさ」
- 静岡駅(静岡県静岡市葵区)
- 名古屋駅(愛知県名古屋市中村区)
- 大阪駅(大阪府大阪市北区)
- 福岡空港(福岡県福岡市博多区)
- 博多駅(福岡県福岡市博多区)
- 羽田空港(東京都大田区)
- 神田駅(東京都千代田区)
- 三ノ宮駅(兵庫県神戸市中央区)
- 岡山駅(岡山県岡山市北区)
- 西鹿児島駅(鹿児島県鹿児島市)
- 急行「錦江号」
- 宮崎駅(宮崎県宮崎市)
- 兵庫駅(兵庫県神戸市兵庫区)
- 西明石駅(兵庫県明石市)
- 三石駅(岡山県備前市)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 桜井:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 上岡:
蒲田署の署長。 - 吹田:
蒲田署の警部。 - 伊東:
蒲田署の刑事。 - 新田:
鑑識の技師。 - 小松原:
神奈川県警捜査一課の警部。 - 佐野:
岡山県警捜査一課長。 - 平木功:
警察庁の刑事。
事件関係者
- 青木康二:
「週刊エポック」の記者。 - 武田信太郎:
運輸大臣。寝台特急「はやぶさ」で死体となって発見された。 - 高田悠一:
37歳。銀座に事務所をかまえる弁護士。 - 田久保涼子:
23歳。八王子にある宝石店の店主。多摩川で水死体となって発見された。 - 田久保信一:
田久保涼子の夫。傷害罪で服役して出所したがその後自殺した。 - 北原:
寝台寝台「富士」の車掌。向島に在住。隅田川から転落して死亡した。 - 高梨一彦:
29歳。山田印刷の元工員。1年前に行方不明になったが、その後勝浦沖で水死体となって発見された。 - 中井良久:
32歳。レストランチェーンの社長。2年前、5億円強奪事件の容疑で逮捕されたが自殺した。 - 中井裕子:
中井良久の妻。 - 中村朗:
39歳。都内にレストランを複数もつ青年実業家。
その他の登場人物
- 宮下:
「週刊エポック」の編集長。 - 新井:
68歳。多摩川の川岸に住む。元M工業の社員。 - 神谷:
武田信太郎の秘書官。 - 兼田久志:
兼田製薬の社長。 - 畑中浩一:
大阪市東区にある宝石商。高田悠一の大学時代の友人。 - 田村一平:
40歳。サラリーマン。台東区池之端に在住。 - 大石京子:
寝台特急「はやぶさ」の乗客。 - 串木:
三石綜合病院の病院長。
国鉄職員
- 沢村:
博多駅の助役。 - 井本:
寝台寝台「はやぶさ」の車掌。 - 吉野:
寝台寝台「はやぶさ」の車掌。 - 大西:
寝台寝台「はやぶさ」の車掌長。 - 松下:
寝台寝台「はやぶさ」の車掌。 - 小田:
岡山駅の駅員。 - 加藤:
東京駅の助役。 - 笠原:
三ノ宮駅の助役。 - 中原:
国鉄東京綜合司令室の司令長。 - 梅田:
国鉄大阪綜合司令室の司令長。
感想
恐らく、本作は「終着駅殺人事件」とならび、十津川警部シリーズで最も有名な作品なのではないかと思う。西村京太郎先生の代表作であり、列車をつかったトラベル・ミステリーの方向性を決定づけた作品ともいわれる。
今さらわたしがここで内容について話す必要もないが、よく作り込まれた作品だと思う。そして、寝台特急の車内の緊張感がすさまじい。ずっと手に汗握る展開が続き、読み終わった後は、スポーツをした後のような心地よい疲労感があった。
もちろん、十津川警部シリーズの中でもおすすめの作品ではあるが、個人的には「終着駅殺人事件」、「北帰行殺人事件」、「札幌着23時25分」の方が好きな作品ではある。
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