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「急行もがみ殺人事件」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

急行もがみ殺人事件小説

初版発行日 1987年1月25日
発行出版社 実業之日本社
スタイル 長編

私の評価 4.1

POINT】
この列車トリックを貴方は解けるか?十津川警部、過去最高の難問に挑む!
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あらすじ

陸羽東・西線を走る急行「もがみ1号」の車内で、若い女性が絞殺された。十津川警部の部下、清水刑事と新妻はたまたま新婚旅行中に、この女性が不審な男と一緒にいるところを目撃する。しかし、男には鉄壁のアリバイがあった。数日後、被害者の兄も死体で発見される。そして、第三、第四の殺人事件が……。容疑者のアリバイを証明する列車トリックを暴くべく、十津川と亀井は東北へ飛ぶ!

小説の目次

  1. 鳴子一泊
  2. 最上川下り
  3. 防風林
  4. 女レポーター
  5. 十字路
  6. 尾行
  7. 再び「急行もがみ」
  8. 共犯者
  9. アリバイ崩し

冒頭の文

清水刑事は、見合いで、結婚した。

小説に登場した舞台

  • 上野駅(東京都台東区)
  • 古川駅(宮城県大崎市)
  • 鳴子温泉駅(宮城県大崎市)
  • 鳴子温泉(宮城県大崎市)
  • 鳴子ダム(宮城県大崎市)
  • 栗駒国定公園(宮城県大崎市)
  • 鬼首かんけつ泉(宮城県大崎市)
  • 鳴子温泉神社(宮城県大崎市)
  • 羽黒山 五重塔(山形県鶴岡市)
  • 鶴岡の町(山形県鶴岡市)
  • 加茂港(山形県鶴岡市)
  • 湯野浜温泉(山形県鶴岡市)
  • 鶴岡駅(山形県鶴岡市)
  • 新宿中央公園(東京都新宿区)
  • 仙台駅(宮城県仙台市青葉区)
  • 作並駅(宮城県仙台市青葉区)
  • 作並温泉(宮城県仙台市青葉区)
  • 快速「仙山」
  • 北山形駅(山形県山形市)
  • 古口駅(山形県・戸沢村)
  • 狩川駅(山形県・庄内町)
  • 余目駅(山形県・庄内町)
  • あつみ温泉駅(山形県鶴岡市)
  • 温海温泉(山形県鶴岡市)
  • 新庄駅(山形県新庄市)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 清水新一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。見合いで結婚した妻・堀場征子と新婚旅行に出かける。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 本多時孝:
    警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 堀場征子:
    清水刑事の新妻。見合いで結婚した。M電機の課長の娘。鳴子温泉神社で何者かに殴られて負傷する。
  • 奥田:
    山形県警の刑事。
  • 白石:
    山形県警の警部。
  • 安田:
    山形県警の刑事。
  • 岡部:
    山形県警の刑事。

事件関係者

  • 木下ゆう子:
    26歳。大手町に本社のある中央興業の会計課に勤務。下北沢のマンションに在住。急行もがみ1号の車内で絞殺死体となって発見された。
  • 木下剛:
    28歳。木下ゆう子の兄。翻訳の仕事をしている。四谷三丁目のマンションに在住。湯野浜の防風林で死体となって発見された。
  • 大山茂:
    シナリオライター。田園調布のマンションに在住。
  • 大山アキ:
    大山茂の新妻。
  • 小田切弘子:
    K1プロダクションに所属するタレント。元歌手。六本木のマンションに在住。新宿中央公園で死体となって発見された。
  • 柴田俊二:
    28歳。新庄駅の駅員。羽黒山で死体となって発見された。
  • 駒田聡:
    28歳。売れないシナリオライター。

その他の登場人物

  • 久保:
    48歳。新橋にあるK1プロダクションの副社長。
  • 林久美子:
    女優。
  • 原田収:
    40歳。俳優。小田切弘子と親しくしていた。
  • 羽田秀史:
    小田切弘子が女優だった頃にマネージャーをしていた男。
  • 石井信夫:
    26歳。大山茂の弟子。
  • 青木:
    急行もがみ1号の車掌。
  • 黒木:
    温海温泉「黒木旅館」の事務長。
  • 中尾:
    中央テレビのプロデューサー。
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印象に残った名言、名表現

■十津川警部の清水刑事に対する評価。

飛び抜けて優秀というのではないが、とにかく、生真面目な男だった。刑事としては、生真面目は一つの資格だが、それでも、時には、もう少し、融通が利いたらと思うことが、十津川にはある。特に、人を見る眼についてである。

感想

宮城県から山形県にかけての温泉街を巡る旅が情緒たっぷりに描かれている。1回目は、清水刑事と堀場征子のハネムーン旅行。2回目は十津川警部と亀井刑事の捜査行である。

1回目と2回目では、目的も違うし、各地を見る目も変わってくる。その違いも楽しめる作品になっている。

何より今作は、西村京太郎先生の十八番・列車トリックが炸裂する。これまで数多くの列車トリックを作られてきたが、今回の列車トリックは、傑作だったのではないだろうか?

インターネットが発達した現代は、すべてが見える化されてしまっているため、列車トリックを使うのは至難の業であるが、この時代では、第一線級のトリックである。

この鮮やかなトリックをぜひ味わってもらいたい。

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