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「L特急やくも殺人事件」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

L特急やくも殺人事件小説

初版発行日 1988年6月30日
発行出版社 実業之日本社
スタイル 短編集

私の評価 3.7

POINT】
死んだ元刑事の手帳に書かれたものは?十津川警部、吉備路を探る!!
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あらすじ

1.L特急やくも殺人事件

退職した刑事が娘を誘い、岡山県の吉備線の旅に出た。古代史好きの父は吉備路を歩き、その間、娘は旅情ある倉敷を訪れる計画である。L特急「やくも11号」の車内で待ち合わせた父は、しかし、伯備線との合流駅、総社に現れず、翌日、轢死体で発見される。岡山県警の事故死説に娘は納得せず、十津川警部は現地に飛ぶ!

2.イベント列車を狙え

短編集「東海特急殺しのダイヤ」に収録。下記を参照↓↓

→「東海特急殺しのダイヤ

3.挽歌をのせて

関口は別れたいという妻のユキと北海道へ出かけた。一緒に旅行すればユキも気分を直してくれると思っていたからだ。函館駅から急行「ニセコ」に乗っている中、連れの男と言い争いをしていた女が関口に「助けて下さい」と駆け寄ってくる。が、関口は女を助けなかった。その後、連れの男がデッキで死体となって発見された……。

4.青函連絡船から消えた

短編集「恋と哀しみの北の大地」に収録。下記を参照↓↓

→「恋と哀しみの北の大地

小説に登場した舞台

1.L特急やくも殺人事件

  • 岡山駅(岡山県岡山市北区)
  • 新倉敷駅(岡山県倉敷市)
  • 元町通(岡山県倉敷市)
  • 大原美術館(岡山県倉敷市)
  • 倉敷駅(岡山県倉敷市)
  • L特急やくも
  • 新見駅(岡山県新見市)
  • 出雲市駅(島根県出雲市)
  • 備中高梁駅(岡山県高梁市)
  • 岡山桃太郎空港(岡山県岡山市北区)
  • 吉備津駅(岡山県岡山市北区)
  • 吉備津神社(岡山県岡山市北区)
  • 吉備路風土記の丘(岡山県総社市)
  • 総社吉備路文化館(岡山県総社市)
  • 宝福寺(岡山県総社市)
  • 広島駅(広島県広島市南区)
  • 総社駅(岡山県総社市)

2.イベント列車を狙え

短編集「東海特急殺しのダイヤ」に収録。下記を参照↓↓

→「東海特急殺しのダイヤ

3.挽歌をのせて

  • 函館駅(北海道函館市)
  • 急行「ニセコ」
  • 長万部駅(北海道・長万部町)
  • 黒松内駅(北海道・黒松内町)

4.青函連絡船から消えた

短編集「恋と哀しみの北の大地」に収録。下記を参照↓↓

→「恋と哀しみの北の大地

登場人物

1.L特急やくも殺人事件

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 清水新一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。
  • 岡部道夫:
    元警視庁の刑事。去年の10月に一身上の都合で退職した。世田谷区松原に在住。特急やくも15号にはねられて死亡する。
  • 岡部やよい:
    23歳。岡部道夫の娘。
  • 山田:
    備中高梁にあるT病院の事務長。
  • 酒井:
    岡山県警の刑事。
  • 有田:
    岡山県警の刑事一課長。
  • 向井忠則:
    中央セキュリティの社長。元警視副総監。
  • 横田可奈子:
    28歳。銀座にあるクラブのホステス。倉敷で何者かに殺害される。

2.イベント列車を狙え

短編集「東海特急殺しのダイヤ」に収録。下記を参照↓↓

→「東海特急殺しのダイヤ

3.挽歌をのせて

  • 関口:
    主人公。
  • ユキ:
    関口の妻。
  • 林悟郎:
    30歳。練馬区石神井のマンションに在住。急行「ニセコ」のデッキで何者かに刺殺される。
  • 本橋ひろ子:
    東京にあるクラブのホステス。林悟郎と一緒にいた女。

4.青函連絡船から消えた

短編集「恋と哀しみの北の大地」に収録。下記を参照↓↓

→「恋と哀しみの北の大地

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印象に残った名言、名表現

■吉備津神社から見える鯉山。

前方に、鯉山と呼ばれる吉備の中山が見えた。標高わずか一七五メートルだが、その姿の美しさで有名である。枕草子にも出てくるし、『古今和歌集』の中の歌にも詠まれている。

感想

本作は、趣の異なる4つの作品を収録した短編集である。

4作品のうち、3つが十津川警部シリーズで、残りの一つ「挽歌をのせて」だけは、十津川警部シリーズではない作品があった。

表題作となった「L特急やくも殺人事件」は、元警視庁の刑事が殺された事件であった。倉敷や総社をはじめ、岡山県内のスポットを、十津川と亀井が駆け巡る、旅情あふれる秀作だったと思う。

また、「挽歌をのせて」は十津川警部シリーズではないが、夫と別れたいという妻が、「なぜ、この夫と別れたいと思っているのか?」を、殺人事件を通じて表現していたのが面白い。

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