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「能登半島殺人事件」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

能登半島殺人事件小説

初版発行日 2000年12月15日
発行出版社 双葉社
スタイル 長編

POINT】
十津川警部の妻の誘拐。立て続けに起きる連続殺人事件。なぜ、すべて能登半島で事件が起きるのか?この謎の答えにすべてが詰まっている。
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あらすじ

「あなたに愛想あいそうがつきました」帰宅した十津川警部は愛妻・直子が残した書置かきおきを発見、家庭をかえりみなかった己に煩悶はんもんする。ところが、十津川が手掛けている連続殺人事件の容疑者釈放しゃくほうを要求する脅迫状きょうはくじょうが届いたことで、事態は一転。妻は誘拐ゆうかいされていたのだ。彼女の書置に隠された暗号から犯人の居場所を割り出した十津川は能登のと半島へ飛ぶ!

本作の謎は、「なぜ、事件が能登半島で起きるのか?

小説の目次

  1. 妻の失踪
  2. 暗号
  3. 悪友たち
  4. 一億円
  5. 視点
  6. 共犯者
  7. 処刑の日

冒頭の文

その日、徹夜の捜査をえて、十津川が、朝、自宅に帰ると、妻の直子が、いなくなっていた。

小説に登場した舞台

  • 大原三千院(京都市左京区)
  • 寂光院(京都市左京区)
  • 嵯峨野(京都市左京区)
  • 渡月橋(京都市右京区)
  • 直指庵(京都市右京区)
  • 小松空港(石川県小松市)
  • 小松駅(石川県小松市)
  • 特急しらさぎ
  • 和倉温泉(石川県七尾市)
  • 田鶴浜(石川県七尾市)
  • 能登島大橋(石川県七尾市)
  • 赤城高原サービスエリア(群馬県・昭和村)
  • 長岡(新潟県長岡市)
  • 名立谷浜サービスエリア(新潟県上越市)
  • 能登有料道路(石川県金沢市)
  • 千里浜(石川県羽咋市)
  • 輪島(石川県輪島市)
  • 穴水町(石川県・穴水町)
  • のとじま臨海公園(石川県七尾市)
  • 新宿中央公園(東京都新宿区)
  • 富山きときと空港(富山県富山市)
  • 宮津港(京都府宮津市)
  • 曽々木海岸(石川県輪島市)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 田中大輔:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 片山明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 本多時孝:
    警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 代田:
    石川県警の刑事。
  • 竹本:
    石川県警の警部。
  • 田原:
    石川県警の本部長。
  • 中村:
    警視庁初動捜査班の警部。

事件関係者

  • 十津川直子:
    十津川警部の妻。
  • 石塚克郎:
    25歳。ファーストフードチェーン店を経営する資産家の息子。世田谷主婦殺害事件で逮捕された男。
  • 石塚:
    ファーストフードチェーン店を経営する資産家。
  • 石塚悦子:
    石塚克郎の母親。
  • 五十嵐実:
    40歳。五十嵐電気の社長。
  • 五十嵐あかね:
     38歳。五十嵐実の妻。自宅で刺殺される。
  • 山崎春樹:
    新進の建築デザイナー。
  • 山崎絵梨子:
    32歳。山崎春樹の妻。自宅で刺殺される。
  • 沖みどり:
    23歳。OL。刺殺される。
  • 高野治:
    25歳。無職。石塚克郎の友人。
  • 新川重吾:
    無職。石塚克郎の友人。
  • 井上徹:
    28歳。無職。石塚克郎の友人。
  • 森博志:
    無職。石塚克郎の友人。
  • 佐伯義之:
    32歳。山崎絵梨子の元恋人で、大学時代の同級生。
  • 木元あやか:
    20歳。女子大生。去年の10月に七尾で殺されていたのが発見される。
  • 木元秀樹:
    木本あやかの兄。画家。

その他の登場人物

  • 木村昌子:
    十津川直子の友人。
  • 五十嵐尚子:
    28歳。五十嵐実の異母兄妹。
  • 小田祐介:
    50歳。元五十嵐電気の社員。
  • 松井良治:
    松井製菓の社長の息子。
  • 松井由香:
    松井良治の妻。
  • 佐藤誠:
    石塚克郎を弁護する弁護士。
  • 米川:
    弁護士。
  • 後藤明:
    27歳。沖みどりの恋人。
  • 笠井淳子:
    フラワーデザイナー。
  • 小沼広子:
    四谷の画廊のオーナー。

印象に残った名言、名表現

(1)十津川警部の妻、直子の頭の良さ。

直子は、頭の回転が早い。それも、驚くほど、早いのだ。あれは、多分、生まれつきだろう。

(2)十津川警部の肌感覚。だいたいこうした直感は正しい。

(何か変だ)
だが、どこが、奇妙なのか、はっきりしたイメージにならない。

感想

本作の冒頭、十津川警部の妻、直子が失踪するというショッキングな事件が起きる。そして、直子は次の置書を残した。

私は、あなたに愛想がつきました。
口惜しいのです。あなたは仕事だけ、それにく
らべて、私のことはどうでもいい。その生活
を何年も続けて来ました。去年の正月に、お
んせんにでもと私がいったとき、あなたは、
ぜんぜん考えてくれなかった。私は、とこと
ん疲れました。

これは、賢妻・直子が残したメッセージだったことがわかる。ここにどんなメッセージが込められているか?これも前半で明らかになる。

内容については、Twitterやインスタグラムが発達した現代において、よく使われる手法なので、すぐに気がつくだろう。

そして、本作の事件。当初に浮かび上がった謎は次の3つである。

  1. 石神井公園で死体が発見された森博志の事件
  2. 石塚克郎の行方を追う事件
  3. 十津川直子の誘拐事件

この3つの謎を明らかにするため、十津川班が東奔西走するのだが、途中で過っていたことに気がつくのである。

「われわれは、完全に、負けたのだ。そこで、私は、われわれが、なぜ、負けたのか、考えてみた。そして、一つの結論を、得たんだ。それは、事件への視点が、間違っていた。つまり、捜査方針に、決定的なミスがあったという結論だよ。」

自らの過ちを認めたところから、すべてが始まる。これは、捜査だけでなく、人生においても同じ教訓が当てはまるのだ。

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