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十津川警部「さらば越前海岸」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

さらば越前海岸小説

初版発行日 2012年4月30日
発行出版社 小学館
スタイル 長編

POINT】
ロボット開発者の死は自殺なのか。謎の連鎖は、福井・東尋坊から浅草へ。
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あらすじ

東尋坊や越前岬、そして永平寺など、福井県は、自然と文化の名勝を兼ね備えた地である。4月初め、芦原温泉の老舗旅館に当宿した一人の男がいた。男の名は早川啓介。人型ロボットの研究開発では最先端をゆく昭和精密機械の社員であり、完成間近の新型ロボットの開発チームのリーダーでもあった。その早川が、越前の海に水死体で浮かんだ。宿の部屋には「ダメだ、ダメだ」と書いた手紙を残していた。地元の警察はそれを遺書とみて自殺と断定する。息子の死を自殺だとは信じられない父親の早川雄介は、独自に調べ始めた。相前後して、新型ロボットのデザイン工房ジャパンの北川愛の飛び降り死体が、浅草で発見される。こちらにも遺書めいたメモが残されていた。捜査に乗り出した十津川チームが、聞き込み捜査を重ねるにつれ、疑問が深まっていく。十津川の培われた捜査魂が、最先端科学の結晶人形ロボット開発競争の闇に斬り込む。

本作のキーワードは「知と情

小説の目次

  1. 北からの手紙
  2. 東京
  3. 投書
  4. 男と女
  5. 身勝手なライバル

冒頭の文

早川は、受話器を握ったまま、一瞬、言葉を失っていた。

小説に登場した舞台

  • 芦原温泉(福井県あわら市)
  • 東尋坊(福井県坂井市)
  • 永平寺(福井県・永平寺町)
  • 福井市内(福井県福井市)
  • 越前海岸(福井県・越前町)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

事件関係者

  • 早川啓介:
    昭和精密機械のロボット開発チームのリーダー。30歳。越前の海岸で水死体として発見される。
  • 早川雄介:
    早川啓介の父親。59歳。昭和精密機械の社員。
  • 北川愛:
    デザイン工房ジャパンに勤める工業デザイナー。
  • 荒木修:
    メソッドジャパンのエンジニアのリーダー。元昭和精密機械の技術者。40歳。
  • 北島ゆき:
    舞台役者。

その他の登場人物

  • 早川敬子:
    早川啓介の母親。
  • 早川晴美:
    早川啓介の妹。高校時代の自動車事故で左半身が不随。
  • 広田:
    福井県警の警部。
  • 鈴木:
    昭和精密機械の人事部長。
  • 加藤:
    永平寺の僧侶。
  • 三村:
    デザイン工房ジャパンの社長。
  • 鈴木:
    デザイン工房ジャパンの社員。
  • 松田:
    昭和精密機械の広報部長。
  • 福田麻衣:
    デザイン工房ジャパンのデザイナー。28歳。
  • 北川美香:
    北川愛の姉。
  • 三崎豪:
    北川愛の大学時代の同級生。デザイン関係の専門誌を出す出版社の社員。
  • 飯田景子:
    北川愛の大学時代の同級生。
  • 中島:
    メソッドジャパンのエンジニア。
  • 鈴木:
    メソッドジャパンのエンジニア。
  • 浅井:
    メソッドジャパンのエンジニア。
  • 美木浩:
    美木パノラマ館の館主。
  • 山崎:
    デザイン工房ジャパンの社員。
  • 島田武:
    荒木修の大学時代の同級生。大手ゲーム機のメーカーの開発担当。

印象に残った名言、名表現

特になし。

総評

本作は、越前海岸と東京で発見された2人の遺体が発端となる。端的にいえば、自殺と見せかけた他殺を、十津川警部たちがどうやって犯人を見つけ、逮捕するかというところが焦点になる。

個人的には、少しばかりご都合主義になったのではないか?と感じた。

例えば、警視庁宛に、「私の友だちの20歳の女性が、早川啓介が亡くなったのは自分のせいだ」という匿名の手紙が届いた、というシーンがある。これは事件の解明に向けた重要な一歩になるのだが、こんなにタイミングよく、手紙が届くことなどあり得るのだろうか?

この他にも、早川啓介の遺書の謎に対しての答え。ネタバレになるので、ここではその内容を明らかにしないが、現実的にはあり得ないと思った。

また、容疑者の特定から逮捕に至るまでも、少し急ぎすたと思う。「もう終わり?」というくらい、あっさりと終わってしまう。

以上のことを踏まえると、この作品は長編ではなく、短編で出すべきだったのではないかと思う。

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