初版発行日 1988年8月31日
発行出版社 光文社
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
札幌へ向け、闇夜をひた走るこの豪華特急はなぜ狙われたのか?十津川は、元部下の私立探偵橋本と連繋し、JR最大の危機に挑む!
札幌へ向け、闇夜をひた走るこの豪華特急はなぜ狙われたのか?十津川は、元部下の私立探偵橋本と連繋し、JR最大の危機に挑む!
あらすじ
札幌行きの豪華列車を爆破する! 1億円を要求した犯人グループの一員はすぐ逮捕された。だが乗り合わせた宗教家が「嫌な予感がする」といった直後に個室が大破。中から女性の全裸死体が。苦渋の決断の末に走り続ける列車。転覆を目論む犯人。青函トンネルを目前に緊張は高まる。十津川警部、次の一手は!
小説の目次
- 出発
- 夜の景色の中で
- 八戸駅
- 青森駅
- 津軽海峡線
- 函館駅
- 時間との戦い
- 札幌駅
- 大宮工場
冒頭の文
「これで、すべての準備が完了した」と、男がいった。三月三日、ひな祭りの日だった。
小説に登場した舞台
- 上野駅(東京都台東区)
- 寝台特急「北斗星5号」
- 福島駅(福島県福島市)
- 八戸駅(青森県八戸市)
- 青森駅(青森県青森市)
- 諏訪湖サービスエリア(長野県諏訪市)
- 函館駅(北海道函館市)
- 羽田空港(東京都大田区)
- 千歳空港(北海道千歳市)
- 札幌駅(北海道札幌市北区)
- 大宮総合車両センター(埼玉県さいたま市大宮区)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 清水新一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 原田:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 金子:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 白石:
八戸署の刑事。 - 三浦:
八戸署の刑事。 - 小山:
葉山警察署の刑事。
事件関係者
- 橋本豊:
私立探偵。元警視庁捜査一課の刑事で、十津川警部の元部下。探偵の仕事で寝台特急「北斗星5号」に乗っていたところ、事件に遭遇する。 - 会田貢:
38歳。クラブ「パブ21」のオーナー。 - 会田ゆう子:
34歳。会田貢の妻。橋本豊に会田貢の浮気調査を依頼した依頼主。 - 浜野カオリ:
27歳。女優。会田貢の愛人。寝台特急「北斗星5号」の車内で何者かに殺害された。 - 木之本正:
新興宗教「ことのは教」の教祖。 - 藤原幸一郎:
元大宮総合車両センターの職員。 - 藤原亜矢子:
藤原幸一郎の妻。 - 小松原俊:
31歳。元宝石商。 - 戸田美奈子:
小松原俊の恋人だった女性。5年前に死亡している。 - 戸田淳子:
戸田美奈子の妹。
JR職員
- 小池:
JR東日本の社長。世田谷区等々力に在住。 - 田中:
JR東日本の管理部長。 - 島村:
JR東日本管理部の職員。 - 鈴木:
JR東日本管理部の職員。 - 山下:
寝台特急「北斗星5号」の車掌長。 - 三木正之:
函館指令センターの室長。 - 黒田:
JR北海道函館支店の支店長。 - 菊池:
札幌駅の助役。 - 山田:
札幌駅の助役。 - 水島:
大宮総合車両センターの管理課長。 - 代田:
大宮総合車両センターの助役。
その他の登場人物
- 野々村:
陸上自衛隊爆発部処理班の二佐。 - 牧野:
陸上自衛隊爆発部処理班の隊員。 - 安部:
N生命世田谷支店の支店長。 - 五十嵐:
N生命世田谷支店の社員。
感想
スピード感と緊張感にあふれた秀作ミステリーだったと思う。
上野を出発した寝台特急「北斗星5号」が札幌へ到着するまでの間に、犯人との攻防が繰り広げられるのだが、限られた時間の中での心理戦がおもしろい。
そして、今回十津川班とともに活躍したのは私立探偵の橋本豊であった。彼が活躍する作品は面白い作品が多く、今回は、十津川警部と橋本豊、青森県警の連携プレーが光った。
そして、ひさしぶりに、刑事の頃のような感覚を取り戻して、生き生きしている橋本豊の姿に胸が熱くなるのだ。
文章も驚異的に読みやすく、夢中になってあっという間に読み終えることができた。
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