初版発行日 1985年9月5日
発行出版社 祥伝社
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
十津川警部を襲う謎、また謎。息もつかせぬ緊張の連続の傑作トラベル・ミステリー!
十津川警部を襲う謎、また謎。息もつかせぬ緊張の連続の傑作トラベル・ミステリー!
あらすじ
<東京発「さくら」全乗客の安全と引き換えに、二億円を用意せよ!>殺人を繰り返す凶悪犯から届く、悪夢のような連続脅迫状。十津川警部が現場を押さえるべく「さくら」に乗り込むが、鉄壁の捜査網をかいくぐり、大金はB寝台一号室から消えた。容疑者は乗員乗客十三名。そして、またしても新たな殺害予告が…。
小説の目次
- 挑戦状
- 旅立ち
- 第二の脅迫状
- カルテット
- 罠をかける
- 監視
- 危機
- 新たな要求
- 再び「さくら」
- 追跡
- サムライ
- 成田空港
- 切迫
- 結末
冒頭の文
十津川は、上司の本多捜査一課長と一緒に、三上刑事部長に、呼ばれた。
小説に登場した舞台
- 東京駅(東京都千代田区)
- 寝台特急「さくら」
- 横浜駅(神奈川県横浜市西区)
- 沼津駅(静岡県沼津市)
- 静岡駅(静岡県静岡市葵区)
- 名古屋駅(愛知県名古屋市中村区)
- 京都駅(京都府京都市下京区)
- 大阪駅(大阪府大阪市北区)
- 岡山駅(岡山県岡山市北区)
- 糸崎駅(広島県三原市)
- 広島駅(広島県広島市南区)
- 徳山駅(山口県周南市)
- 小郡駅(現・新山口駅)(山口県山口市)
- 肥前山口駅(佐賀県・江北町)
- 長崎駅(長崎県長崎市)
- 博多駅(福岡県福岡市博多区)
- 掛川駅(静岡県掛川市)
- 豊橋駅(愛知県豊橋市)
- 新横浜駅(神奈川県横浜市港北区)
- 熱海駅(静岡県熱海市)
- 三島駅(静岡県三島市)
- 寝台特急「富士」
- 金谷駅(静岡県島田市)
- 成田空港(千葉県成田市)
- 大分駅(大分県大分市)
- 延岡駅(宮崎県延岡市)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 清水新一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 田中大輔:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 山本:
運転局長。 - 後藤:
公安本部長。 - 米田:
愛知県警の刑事。 - 平川:
神奈川県警捜査一課の刑事。
国鉄関係者
- 木元:
総裁。 - 小野田:
副総裁。 - 北野:
総裁秘書。 - 小暮:
東京駅の主席助役。 - 山本雄一:
寝台特急「さくら」の車掌長。 - 新田:
55歳。寝台特急「さくら」の車掌長。 - 佐野:
54歳。寝台特急「さくら」の車掌長。 - 武藤:
40歳。寝台特急「さくら」の車掌長。 - 一枝:
寝台特急「さくら」の車掌長。 - 広瀬:
寝台特急「さくら」の車掌長。 - 森本:
38歳。寝台特急「さくら」の専務車掌。 - 渡辺正之:
50歳。寝台特急「さくら」の専務車掌。 - 正田:
東海道新幹線「ひかり」の車掌長。 - 浅井:
東海道新幹線「ひかり」の専務車掌。 - 柏原剛:
46歳。元国鉄職員。現在は大阪で経営コンサルタントをしている。 - 堀井優:
39歳。元国鉄職員。田園調布に在住。 - 池田博二:
43歳。元国鉄職員。現在は自動車修理工場を営む。1か月前に自殺した。
事件関係者
- 吉田孝:
56歳。M銀行世田谷支店の支店長。1月16日に寝台特急「さくら」の車内で心不全により死亡した。 - 吉川敏和:
京橋にある電気製品卸問屋に勤務。世田谷区烏山のマンションに在住。東京駅のコインロッカーに入れてある1億円を取り出そうとした男。 - 相田幸司:
42歳。新宿西口に本社のある「KT電機」の管理部管理課長。杉並区に在住。寝台特急「さくら」の車内で絞殺される。 - 徳永奈美:
24歳。大手町に本社のあるH交易の社員。寝台特急「さくら」の車内で絞殺される。 - 中西ゆう子:
24歳。大手町に本社のあるH交易の社員。徳永奈美の友人。徳永奈美と一緒に寝台特急「さくら」に乗車していた。 - 浦和文子:
特急「にちりん13号」の乗客。 - 池田三郎:
39歳。池田博二の弟。四谷三丁目にある旅行会社「フジ観光」の社長。 - 池田町子:
32歳。池田三郎の妹。 - 原口由美:
池田三郎の恋人。
印象に残った名言、名表現
なし。
感想
本作は、寝台特急が舞台の、ノンストップアクションミステリーである。
作品の多くが、寝台特急の中での事件や捜査がメインになっており、息もつかせぬ怒涛の展開が待っている。時間も限られた中で、犯人と十津川警部の頭脳戦が繰り広げられるのだ。
もちろん、犯人の素性もわかっていないので、より怖さ、不気味さが際立つ。ただ、途中、容疑者が13人になったのは驚いた。ほんの一瞬ではあるが。
全体のボリュームは400ページ。十津川警部シリーズの中では、長い作品の部類に入るが、スピード感があるので、ページ数ほどの長さは感じないだろう。
コメント