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「パリ・東京殺人ルート」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

パリ・東京殺人ルート小説

初版発行日 1991年9月25日
発行出版社 中央公論社
スタイル 長編

私の評価 3.8

POINT】
強力な武器と国際的組織……十津川、メグレ両警部の推理は?
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あらすじ

水面に色づきはじめたマロニエを映すサン・マルタン運河。ここに、十津川警部が内偵中だった容疑者谷口の刺殺体が浮かんでいたのだ。パリへ飛んだ十津川は、谷口をガイドした留学生水原の協力で、モンマルトルの似顔絵描きから、事件に関わるブロンド美女の情報を入手。パリ警視庁のメグレ警部も十津川の捜査に協力するが、二人は何者かに狙撃銃で襲われる。

小説の目次

  1. 三人の日本人観光客
  2. 失踪した男
  3. 発見された死体
  4. 十津川と小メグレ
  5. 裏の世界からの視線
  6. 亀井刑事の捜査
  7. 第二の殺人
  8. 解き明かされたキー
  9. 闇の中からの狙撃
  10. ブローニュの森の非常線
  11. 仕かけられた罠
  12. 地下下水道の銃撃戦
  13. 東京・福岡、執念の追跡

冒頭の文

パリの街角に、秋を知らせる屋台の焼栗売りが姿を見せ、ブローニュの森の樹々が、黄色く色づいた。華やかなパリ・コレクションも、始まる。

小説に登場した舞台

  • セーヌ河(フランス・パリ)
  • シャルル・ド・ゴール国際空港(フランス・パリ)
  • エッフェル塔(フランス・パリ)
  • ル メルディアン エトワール(フランス・パリ)
  • 凱旋門(フランス・パリ)
  • シャンゼリゼ大通り(フランス・パリ)
  • ルーブル美術館(フランス・パリ)
  • フーケ(フランス・パリ)
  • CHANEL(フランス・パリ)
  • リド(フランス・パリ)
  • ムーラン・ルージュ(フランス・パリ)
  • クレイジー・ホース(フランス・パリ)
  • ブローニュの森(フランス・パリ)
  • シャンボール城(フランス・シャンボール)
  • サン・マルタン運河(フランス・パリ)
  • テルトル広場(フランス・パリ)
  • シテ島(フランス・パリ)
  • カルチエ・ラタン(フランス・パリ)
  • リヨン駅(フランス・パリ)
  • 成田空港(千葉県成田市)
  • 東京駅(東京都千代田区)
  • 羽田空港(東京都大田区)
  • 福岡空港(福岡県福岡市博多区)
  • 博多駅(福岡県福岡市博多区)
  • 新下関駅(山口県下関市)
  • 下関港(山口県下関市)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 清水新一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。

警察関係者

  • 小メグレ:
    パリ警視庁の警部。
  • ミショー:
    パリ警視庁の刑事。
  • 外村:
    警視庁捜査四課の刑事。

事件関係者

  • 水原:
    留学生。パリ在住3年目。通訳の仕事をしている。
  • ジャン・ボワズリイ:
    30歳。パリ在住の俳優志望の男。水原がリムジンの運転手として雇った男。サン・マルタン運河で死体となって発見された。
  • 谷口隆一郎:
    55歳。資産家で政財界に影響力がある男。パリで行方不明になった後、サン・マルタン運河で死体となって発見された。
  • 谷口みどり:
    谷口隆一郎&冴子の娘。女子大生。原宿のマンションに在住。
  • 冴子:
    谷口隆一郎の秘書&恋人。
  • アンヌ・ミヤギ・フランソワ:
    パリ市内に在住の元モデル。日本人モデルとフランス人俳優との間に生まれたハーフ。フランス市内の孤児院出身。
  • アンリ・ザビール:
    30歳。軍曹。
  • 中田耕三:
    K組の組員。谷口隆一郎と親しくしていた。
  • 井坂仁:
    K組の組長。
  • 小寺章:
    45歳。K組の幹部。
  • 杉本一郎:
    42歳。K組の幹部。
  • 太田垣:
    代議士。元大臣。

その他の登場人物

  • 井上:
    日本の旅行者のパリ支部の支部長。
  • 木崎:
    パリ在住の日本人の青年。
  • 加東浩一:
    30歳。パリ在住。フランス人女性と同棲していて、日本人観光客を食い物にしている。
  • 中田要:
    26歳。中田耕三の弟。K組の組員。
  • 山下明夫:
    49歳。パリの日本大使館の書記官。
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感想

本作は、パリを舞台にした作品である。十津川警部シリーズは、日本国内がメインであるが、海外が舞台になった作品もいくつか刊行されており、パリが舞台になった作品として、1990年刊行の「パリ発殺人列車 十津川警部の逆転」がある。

本作については、前半はゆったりとしたペースで進む。優雅で美しいパリのスポットを巡る旅紀行にもなっており、旅気分を味わえる。

事件が本格化し、サスペンスな展開になっていくは後半からである。パリの武器密売組織と日本の暴力団がからんだ、武器密売の話であるが、パリでの銃撃戦のシーンは、圧巻であった。

事件の結末は日本になる。十津川が犯人たちを執念の捜査で追い込んでいく。終盤もスピード感あふれ、本作らしい激しいアクションが繰り広げられる。

最後に、西村京太郎先生のことばを紹介しておこう。

パリに遊んでみて、この美しい街は甘い危険に満ちていると思った。それに、日本人観光客の多さにも驚く。これでは、日本人が、犯罪に遭遇する可能性も、当然、多くなるだろう。

パリで起きた殺人事件にからめて、二つの国の風俗や人間を書いてみた。事件に巻き込まれる日本人留学生や美しいパリジェンヌ、そして日本の警察とパリ司法警察との協力や確執なども、書き込んだつもりた。

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