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特急「白山」六時間〇二分/感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

特急「白山」六時間〇二分小説

初版発行日 1989年11月25日
発行出版社 角川書店
スタイル 長編

私の評価 4.0

POINT】
今は廃止された懐かしの特急を舞台にしたトラベル・ミステリー。上野発殺人経由金沢行。
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あらすじ

東京浜松町のマンションで、銀座の美人ホステスが刺殺された。かつて愛人関係にあった会社員の長田が、容疑者として浮上する。しかし犯行時刻には上野―金沢を六時間二分で結ぶ特急白山に乗車していたという。十津川は粘り強く長田を追い詰めていくが、アリバイの証言者が現れ、長田の無実を訴える…。

小説の目次

  1. 上野駅
  2. 死体
  3. 尾行
  4. 目撃者
  5. 電話
  6. ホテル
  7. 加担
  8. 当惑
  9. 札幌
  10. ゲーム開始
  11. 逆転

冒頭の文

中央商事の長田は、突然、金沢支店への転勤を命ぜられた。

小説に登場した舞台

  • 上野駅(東京都台東区)
  • 特急「白山1号」
  • 大宮駅(埼玉県さいたま市大宮区)
  • 浜松町駅(東京都港区)
  • 羽田空港(東京都大田区)
  • 富山きときと空港(富山県富山市)
  • 富山駅(富山県富山市)
  • 高岡駅(富山県高岡市)
  • 金沢駅(石川県金沢市)
  • ホテルニューオータニ 東京(東京都千代田区)
  • 千歳烏山駅(東京都世田谷区)
  • 東京駅(東京都千代田区)
  • 明治神宮(東京都渋谷区)
  • 郡山駅(福島県郡山市)
  • 会津若松駅(福島県会津若松市)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 清水新一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 藤沼:
    検視官。
  • 三浦:
    石川県警の警部。
  • 田辺:
    神奈川県警の刑事。
  • 平井:
    北海道警の警部。

事件関係者

  • 長田博:
    35歳。中央商事に勤務。東京本社営業第一課長から金沢支店へ転勤になった。
  • 長田ゆみ:
    長田博の妻。
  • 木元加代子:
    28歳。銀座にあるクラブ「砂時計」のホステス。長田博の愛人。浜松町のマンションに在住。自宅で死体となって発見された。
  • 小谷ゆう子:
    25歳。八王子にある日本藤花女子大学に通う大学生。
  • 田原圭一郎:
    34歳。横浜の伊勢佐木町にある宝石店「プラス2」の店主。自宅マンションで何者かに殺害される。
  • 平川良平:
    35歳。宝石店「プラス2」の共同経営者。
  • 岩田治:
    22歳。N大学に通う大学生。小谷ゆう子の恋人。去年の夏、定山渓で死体となって発見された。
  • 小笠原貢:
    新宿にある宝石店の店主。都内在住。
  • 藤代冴子:
    小笠原貢の恋人。宝石デザイナー。元女優。渋谷区松濤のマンションに在住。
  • 村田淳:
    福島にある三無温泉のオーナー。
  • 伊東:
    49歳。中央商事本社の営業部長。

その他の登場人物

  • 浅井:
    57歳。中央商事金沢支店の支店長。
  • 田中:
    中央商事金沢支店の営業第一課長。
  • 寺本:
    クラブ「砂時計」のマネージャー。
  • 大竹英明:
    S大学に通う大学生。杉並区下高井戸のマンションに在住。
  • 沢口清:
    建築デザイナー。
  • 山中:
    映画監督。
  • 井原博士:
    中小企業のコンサルタント。小笠原貢の友人。経堂のマンションに在住。
  • 牧野きみ子:
    女優。
  • 里見マヤ:
    新人女優。
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感想

本作は、よくできたミステリー作品だったと思う。

タイトルが「特急「白鳥」六時間〇二分」だったので、列車トリックがメインの作品だと思っていたが、そうではなかった。

確かに、序盤で列車トリックが行われる。だが、この列車トリックは、意表をついたものではなく、十津川警部があっさりと見破ってしまう。

本作の肝は、「アリバイ交換」だったのである。犯人がもう一方の事件の証人になり、もう一方の事件の犯人が別の事件の証人になることで、アリバイ偽証を成立させるという高度なテクニックだ。

かなり複雑怪奇に入り組んだこの事件を、十津川がどう紐解いていくのか?ここが本作の見どころになる。

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