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「哀切の小海線」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

哀切の小海線小説

初版発行日 2013年11月28日
発行出版社 角川書店
スタイル 長編

私の評価 3.6

POINT】
小梅線沿線を舞台に繰り広げられるサスペンス!
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あらすじ

府中刑務所から、1週間後に出所するはずの模範囚・鹿島が脱走。刑務所長を殴り倒し、拳銃を奪って行方をくらました。逃走中、かつて親交のあった田所の他殺体も発見される。十津川警部は、鹿島が逮捕されるに至った7年前の事件に解決の手がかりがあると推察し、調べ直す。探偵をしていた鹿島が、縁もゆかりもない原発用地買収問題に巻き込まれていたことが分かる。そこには、脱走した理由と共に秘められた情熱が存在した…。

小説の目次

  1. 脱走
  2. 疑惑の中で
  3. 暗号
  4. 小諸の駅
  5. 三人プラスワン
  6. 水葬
  7. 最後の戦い

冒頭の文

鹿島源太、いや、今はまだ一二一八番という番号で呼ばれている男は、看守に呼ばれて所長室に行った。

小説に登場した舞台

  • 府中刑務所(東京都府中市)
  • 東京駅(東京都千代田区)
  • 井の頭公園(東京都武蔵野市)
  • 不忍池(東京都台東区)
  • 岡山駅(岡山県岡山市北区)
  • 広島駅(広島県広島市南区)
  • 博多(福岡県福岡市博多区)
  • 神山村(福井県越前市)
  • 新宿駅(東京都新宿区)
  • 小淵沢駅(山梨県北杜市)
  • 清里駅(山梨県北杜市)
  • 野辺山駅(長野県・南牧村)
  • 中込駅(長野県佐久市)
  • 小諸駅(長野県小諸市)
  • 特急「あずさ」

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 本多時孝:
    警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 原田:
    岡山県警捜査一課長。
  • 磯村:
    小淵沢警察署の警部。
  • 三浦:
    警視庁捜査四課の警部。
  • 河田:
    科捜研の技官。

事件関係者

  • 鹿島源太:
    38歳。府中刑務所に服役中の模範囚。かつて私立探偵をしていた。博多出身。7年前、木下英雄殺人事件で十津川警部に逮捕された。1週間後に出所するはずなのに脱走する。
  • 鹿島理恵:
    鹿島源太の娘。清里にあるY病院に入院していた。小諸市内にあるビルの屋上から転落死した。
  • 田所文雄:
    50歳。情報屋。鹿島源太の友人。井の頭公園で死体となって発見された。
  • 天野清美:
    35歳。六本木にあるクラブKのホステス。鹿島源太の知り合い。中野のマンションに在住。
  • 木下英雄:
    当時45歳。自称経営コンサルタント。7年前、元女優の雨宮恵が営む六本木のクラブで鹿島源太に殺害された。
  • 会田健作:
    67歳。会田興業の社長。人材派遣会社「Kオフィス」の相談役で実質的なオーナー。
  • 入江雄介:
    人材派遣会社「Kオフィス」の幹部。K組の組員。
  • 竹田博:
    人材派遣会社「Kオフィス」の幹部。K組の組員。
  • 中村肇:
    人材派遣会社「Kオフィス」の幹部。K組の組員。
  • 平田正雄:
    会田健作の武装集団のリーダー。
  • 小田成子:
    清里にあるY病院の看護師長。自宅マンションで何者かに殺害される。未解決事件。
  • 行方理恵:
    25歳。小諸市内で喫茶店を営む。

その他の登場人物

  • 小林涼介:
    鹿島源太の高校時代の同級生。
  • 高田:
    四ツ谷三丁目に事務所をかまえる弁護士。鹿島源太の裁判で弁護を担当した。
  • 木下由美:
    木下英雄の元妻。横浜で洋服店を営む。
  • 鹿島文江:
    鹿島源太の母親。福岡市内でバーを営む。
  • 高木:
    東京八重洲に事務所のある新みやこタクシーの運転手。
  • 野々村亜紀:
    女優。
  • 田中:
    清里にあるY病院の副院長。
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印象に残った名言、名表現

■日本一高い場所にある野辺山駅。

駅のホームには、この駅が、日本一高いところにある駅だと書かれた標識が見えた。その高さは、一三四五・六七メートルとあった。

感想

本作は、山梨県から長野県にかけて走るローカル線・小梅線を舞台にした作品であった。

2010年代以降、歴史組込み型ミステリーの割合を増やしている十津川警部シリーズであるが、本作は、かつてのトラベルミステリーの面影を残す作品であり、小梅線沿線の駅や小梅線の列車の様子が描かれいた。

本作のおすすめは、クライマックス。派出所に逃げ込んだ十津川班と犯人たちとの銃撃戦は壮絶だった。ハリウッドのような激しさがあったと思う。

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