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十津川警部「あの日、東海道で」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

あの日、東海道で小説

初版発行日 2010年1月25日
発行出版社 実業之日本社
スタイル 長編

POINT】
クライマックスシーンで登場するまさかの人物。その思いの強さを知ったとき、あなたは身震いするだろう。
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あらすじ

日下刑事は大学時代最後の夏休みに「青春18きっぷ」を使い、東海道本線を西に向かう旅に出た。その出発当日に2件の鉄道人身事故があったことを知る。5年後、日下がかつて旅行中に立ち寄った静岡県吉原駅近くの喫茶店主がひき逃げ死を遂げ、続いて東京で男が刺殺される。事件を結ぶ糸を感じた日下は、十津川警部にあることを伝えるが……。

小説の目次

  1. 左富士
  2. 歌川広重の吉原宿
  3. 新聞記事
  4. 五年の歳月
  5. 占星術
  6. 事件の核心
  7. 私立探偵たち
  8. 最後の戦い
本作の謎は、
 ・5年前、京都で日下を尾行した男は何者だったのか?
 ・5年前の人身事故は本当に自殺だったのか?
 ・歌川広重の吉原宿の版画はなにを意味していたのか?

小説に登場した舞台

  • 吉原駅(静岡県富士市)
  • 左富士神社(静岡県富士市)
  • 岳南商店街(吉原商店街)(静岡県富士市)
  • 吉原本町駅(静岡県富士市)
  • 浜松(静岡県浜松市)
  • 浜名湖(静岡県浜松市)
  • 京都駅(京都市下京区)
  • 鞍馬(京都市左京区)
  • 姫路城(兵庫県姫路市)
  • 広島駅(広島市南区)
  • 志賀島(福岡市東区)
  • 阿蘇(熊本県阿蘇市)
  • 駒沢公園(東京都世田谷区)
  • 静岡県立中央図書館(静岡市駿河区)
  • 国会図書館(東京都千代田区)
  • 横浜中華街(神奈川県横浜市中区)
  • 海老名サービスエリア(神奈川県海老名市)
  • 大和田駅(静岡県島田市)
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登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 田中大輔:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 片山明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

事件関係者

  • 原口圭一郎:
    28歳。NS商事に勤務していたサラリーマン。営業第三課の係長。5年前、富士駅の人身事故で亡くなる。
  • 小柴健介:
    アマチュアのカメラマン。29歳。5年前、大井川鉄道の大和田駅の人身事故で亡くなる。
  • 神木倫太郎:
    60歳。吉原駅近くの喫茶店「赤富士」のオーナー。スポーツカーにはねられて亡くなる。
  • 神木恭子:
    神木倫太郎の妻。52歳。
  • 三原肇:
    40歳。三原音楽事務所の社長。駒沢公園で背中に刃物を刺されて死亡する。
  • 浩美:
    三原肇の元妻。元歌手。
  • 宮崎:
    吉原新報社の社長。
  • 鈴木美奈:
    原口圭一郎の婚約者だった女性。旧姓・井口美奈。
  • 村越泉賢:
    横浜中華街で中国占星術の店を営む。
  • 村越幸恵:
    村越泉賢の妻。中国占星術の大家・村越泉将の娘。

私立探偵たち

  • 橋本:
    私立探偵。かつて警視庁捜査一課で働いていた。
  • 根本勇:
    私立探偵。
  • 原めぐみ:
    私立探偵。
  • 秋山秀:
    私立探偵。

その他の登場人物

  • 吉原香里:
    三原音楽事務所の秘書。35歳。
  • 三宅弘:
    男性歌手。
  • 三原進:
    三原肇の弟。三原音楽事務所の副社長。
  • 大崎:
    静岡県警の刑事。
  • 柿沼:
    タクシーの運転手。45歳。かつて吉原新報社で働いていた。
  • 安田:
    中国占星術の事務局の事務長。

印象に残った名言、名表現

■列車旅の醍醐味のひとつ。

ゆっくりと、東京駅のホームを離れ、都会の騒音のなかを、走り抜け、気がつくと、窓の外には、田園が広がり、海が見えてくる。そういう景色の移り変わりを見ていると、旅に出たという実感が湧いてくるのだ。

総評

本作は、5年前、日下刑事が大学卒業前に旅行した「青春18きっぷ」ぶらり旅の途中で起きた2件の人身事故が発端になる、壮大な物語であった。

愛するものを失った者の怨念。すべてを捨てて一つのことにかける人間の執念。それらに、5年の歳月をかけあわせた渾身の一撃。クライマックスの銃撃シーンで、人の思いの深さ、重さに、身震いするだろう。

そして、本作のタイトル「あの日、東海道で」の本当の意味を悟ることになる。

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