初版発行日 1984年9月30日
発行出版社 光文社
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
十津川警部と犯人の息詰まる攻防を描いた「駅シリーズ」第一作!!
十津川警部と犯人の息詰まる攻防を描いた「駅シリーズ」第一作!!
あらすじ
東京駅の駅長室に爆破予告の脅迫電話がかかってきた。乗降客を人質にとった犯人の要求は一億円。受け渡し場所となった「踊り子号」には巧妙な罠が仕掛けられ、まんまと現金を奪われてしまう。そして犯人からはさらに一億円を要求する電話が……。
小説の目次
- 駅長室
- L特急「踊り子13号」
- 午後二時へ
- ブルートレイン
- 臨時体制
- 時間との戦い
- 成田空港
- 最後の賭け
冒頭の文
東京駅長の北島祐也は、いつも午前五時半に、平塚の自宅で眼をさます。
小説に登場した舞台
- 平塚駅(神奈川県平塚市)
- 東京駅(東京都千代田区)
- 特急踊り子号
- ブルートレイン「さくら」
- 横浜駅(神奈川県横浜市西区)
- 四ツ谷駅(東京都新宿区)
- 市ヶ谷駅(東京都千代田区)
- 成田空港(千葉県成田市)
- ロサンゼルス国際空港(アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 清水新一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 田中大輔:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。
東京駅関係者
- 北島祐也:
53歳。東京駅の駅長。平塚在住。 - 北島真紀:
24歳。北島祐也の娘。 - 小暮:
53歳。東京駅の主席助役。 - 三沢:
東京駅の鉄道公安室の室長。 - 田中:
東京駅の内勤助役。 - 望月:
東京駅の内勤助役。 - 本田:
東京駅の駅員。 - 高井:
東京駅の旅行者援護所の所長。 - 工藤:
東京駅の乗客助役。 - 横井:
東京駅の忘れ物承り所のキャップ。 - 山下:
寝台特急「富士」の車掌長。 - 鈴木:
特急踊り子号の車掌。 - 小西:
ブルートレイン「さくら」の専務車掌。
事件関係者
- 渡辺裕介:
40歳。中野の美術商。寝台特急「富士」で死体となって発見された。 - 山本麻子:
28歳。銀座のクラブ「ピノキオ」のホステス。渡辺裕介の恋人。 - 伊地知:
宮崎に住む美術商。渡辺裕介が宮崎で会っていた男。 - 若宮研一郎:
43歳。京都の古美術店「古稀店」の店主。 - 春日敏彦:
25歳。阿佐ヶ谷のアパートに在住。前科あり。 - 宇野ゆかり:
飛騨の古川在住。東京駅で友達の島田かおるがいなくなったと駅員に相談しに来た女性。 - 島田かおる:
宇野ゆかりの友人。飛騨の古川在住。東京駅で行方不明になる。 - 中井明美:
24歳。TSKテレビ深夜番組の素人アシスタントに出演した女性。 - 金沢善明:
金沢興行の社長。 - 梅田行男:
40歳の男。
その他の登場人物
- ダンナさん:
54歳。東京駅を根城にしているホームレス。元京都の料亭主人。 - 米村:
警視庁の爆発物処理班。 - 津曲:
警視庁の爆発物処理班の警部。 - 久野:
田園調布駅前の不動産屋「第一不動産」の社長。 - 佐久間:
銀座四丁目にある旅行会社の社員。
印象に残った名言、名表現
■十津川警部の葛藤。
人命は、何よりも尊重しなければならない。もし、それだけを考えればいいのなら、脅迫者に屈服すればいいのだ。楽でいいし、悩むこともない。しかし、それなら警察は必要なくなってしまうだろう。
感想
2021年現在、駅シリーズは9作品が刊行されている。
- 東京駅殺人事件(1984年)←本作
- 上野駅殺人事件(1985年)
- 函館駅殺人事件(1986年)
- 西鹿児島駅殺人事件(1987年)
- 札幌駅殺人事件(1988年)
- 長崎駅殺人事件(1991年)
- 仙台駅殺人事件(1995年)
- 京都駅殺人事件(2000年)
- 新・東京駅殺人事件(2014年)
十津川警部【駅シリーズ】おすすめランキング!
今回は十津川警部シリーズを500作以上読んだわたしがおすすめする、駅シリーズおすすめランキングを紹介します。
本作は、記念すべき第一作であった。
発端となったのは、東京駅で発生した3つの事件である。
東京駅に爆弾をしかけたといい身代金1億円を要求してきた事件、寝台特急「富士」で発生した殺人事件、そして、東京駅で行方不明になった女性の捜索事件。
この3つの事件を並行して捜査することになるのだが、一見、関係なさそうに見えた、この3つの事件が、やがて一つにつながっていく。この構想力がすばらしいと思う。
それにしても、東京の顔であり、日本の顔でもある東京駅。毎日、20万人もの人が利用するマンモス駅である。ここには駅だけでなく、多くのショップが入っており、ここで働く人も膨大である。
この東京駅は、ひとつの街なのだと思う。街なのだから、当然、いろいろな人がいて、いろいろな事が起こる。本作を読むと、そのことがよくわかるのだ。
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