〈景品表示法に基づく表記〉当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

「富山地方鉄道殺人事件」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

富山地方鉄道殺人事件小説

初版発行日 2019年1月22日
発行出版社 新潮社
スタイル 長編

私の評価 3.7

POINT】
路線距離100キロ以上と地方鉄道ながら有数の規模をもつ富山地方鉄道を舞台に、十津川警部が政界スキャンダルに挑む!
スポンサーリンク

あらすじ

「宇奈月から黒部への旅」と書き残して、若手官僚が失踪。彼を追う女性新聞記者が、トロッコ列車の終点・欅平で殺される。しかし犯人の足跡は宙に消えた…。路線距離一〇〇キロ超の富山地方鉄道と、夏なお難所の黒部峡谷。犯人はどこに潜むのか?十津川警部の捜査が始まる。

小説の目次

  1. 宇奈月へ
  2. 特別捜査
  3. 牧野順次の話
  4. 立山黒部アルペンルート
  5. 白石麻美の秘語ひとりごと
  6. 記者・大久保の眼
  7. 富山地方鉄道無人駅

冒頭の文

私、牧野順次は、八年ぶりに、麻美と会うことになった。

小説に登場した舞台

  • 東京駅(東京都千代田区)
  • 特急「はくたか557号」
  • 富山駅(富山県富山市)
  • 電鉄魚津駅(富山県魚津市)
  • 宇奈月温泉駅(富山県黒部市)
  • 宇奈月温泉(富山県黒部市)
  • 宇奈月駅(富山県黒部市)
  • 欅平駅(富山県黒部市)
  • 富山城址公園(富山県富山市)
  • 立山駅(富山県・立山町)
  • 黒部ダム(富山県・立山町)
  • 金沢駅(石川県金沢市)
  • 若栗駅(富山県黒部市)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 片桐:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

事件関係者

  • 牧野順次:
    30歳。旅行会社の社員。S大学の卒業生。
  • 白石麻美:
    30歳。牧野順次の大学時代の同級生。S大学の卒業生。
  • 白石文彦:
    30歳。白石麻美の夫。内政省秘書課の職員。S大学の卒業生。行方不明になる。
  • 川野ゆき:
    中央新聞の記者。欅平駅で何者かに毒殺される。
  • 大久保明:
    30歳。中央新聞の記者。牧野順次の大学時代の同級生。富山地方鉄道の車内で死体となって発見された。
  • 大河原:
    49歳。内政大臣。保守党の代議士。
  • 木村弥生:
    35歳。女優。大河原大臣の愛人。5月にホテルで殺害された。
  • 佐々木一郎:
    大河原内政大臣の私設秘書。
  • 川野努:
    私立探偵。木村弥生の身辺を捜査していた。山林で死体となって発見された。
  • 柴田:
    大河原内政大臣の秘書。
  • 中尾かおる:
    大河原内政大臣の秘書。
  • 小島敬典:
    当時55歳。私立探偵。2年前に刺殺された。
  • 小島節子:
    37歳。小島敬典の妻。
  • 今村今日子:
    37歳。小島節子の高校時代の同級生。金沢市内在住の主婦。
  • 沢田みゆき:
    37歳。小島節子の高校時代の同級生。金沢市内にある観光会社に勤務。交通事故で死亡した。

その他の登場人物

  • 小野:
    富山県警の警部。
  • 田島:
    中央新聞社会部の記者。十津川警部の大学時代の同級生。
  • 田村:
    中央新聞のベテラン記者。
  • 深見:
    中央新聞の記者。
  • 浜口:
    中央新聞のデスク。
スポンサーリンク

印象に残った名言、名表現

■富山地方鉄道。

富山地方鉄道は面白い私鉄である。富山地方鉄道には、本線、立山線、不二越・上滝線の三つの線がある。本線は宇奈月温泉行き、立山線は立山行き、不二越・上滝線は岩峅寺行きである。さらに、富山の市内を走る路面電車が、同じ富山地方鉄道の経営で、全部の路線の合計距離は一〇〇キロを超す。

感想

2010年代以降の十津川警部シリーズは、歴史組み込み型ミステリーが大半であったが、本作に老いては、かつてのトラベルミステリーの残り香が感じられる作品だった。

富山や宇奈月駅、黒部ダムの景色やスポット、富山地方鉄道について旅情をまじえて描いていたところが良かったと思う。

また、作品の中盤で事件関係者の視点に切りかえて、別の視点から事件を眺めることで、これまで見えてこなかった真相が明らかにされるのも良かったと思う。

ただ、最後の最後にひと捻りあったのだが、このひと捻りがあったおかげで、収拾がつかなくなったというか、ごちゃごちゃな終わり方になってしまったのは否めない。

コメント