初版発行日 2015年10月7日
発行出版社 講談社
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
『南総里見八犬伝』里見家の忠臣の名前に入っていたのは、実は犬ではなく猫だった!?時代を超越した謎を追う、歴史ミステリー。
『南総里見八犬伝』里見家の忠臣の名前に入っていたのは、実は犬ではなく猫だった!?時代を超越した謎を追う、歴史ミステリー。
あらすじ
酒とケンカに明け暮れる28歳の猫田は、留置場で知り合った男に誘われ、千葉県の館山を訪れる。そこは『南総里見八犬伝』ゆかりの地で、猫田は、里見家忠臣の末裔だと告げられる。さらに深夜、宿の駐車場を横切る蒸気機関車を目撃。近くには、戦時中、陸軍鉄道連隊が置かれていたが。
小説の目次
- 房総へ
- 陸軍鉄道連隊
- 九十九里浜上陸説
- 里見埋蔵金
- 奇妙な戦い
- 友の形見
- 二人の遺書と日記
冒頭の文
狂介は手錠をかけられ、浅草警察署に連行された。
小説に登場した舞台
- 東京駅(東京都千代田区)
- 特急「さざなみ」
- 館山駅(千葉県館山市)
- 藤谷山慈恩院(千葉県館山市)
- 城山公園(千葉県館山市)
- 津田沼駅(千葉県習志野市)
- 津田沼1丁目公園(千葉県習志野市)
- 大網駅(千葉県大網白里市)
- 東金駅(千葉県東金市)
登場人物
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 猫田狂介:
28歳。児童養護施設「青梅平和コミューン」の卒業生。 - 山口清:
児童養護施設「青梅平和コミューン」の職員。 - 小笠原実:
猫田狂介が留置所で出会った男。 - 猫柳あかね:
六本木にあるクラブ「子猫」のホステス。 - 小田島:
88歳。津田沼の喫茶店の店主。 - 柿沼宏:
調査隊。 - 近藤直之:
新房総観光協会の代表。
感想
本作を十津川警部シリーズと呼んでいいのか?甚だ疑問である。なぜなら、十津川警部シリーズが登場するのは、最後の数行だからである。しかも、十津川警部が書いた日記の文章でしか登場しない。
つまり、人物として十津川警部は登場しないのである。それ以外は、里見八犬伝と太平洋戦争時代の房総半島の歴史であった。
これはまったく違うストーリーを書いていて、最後に十津川警部の日記をチョロっと付け加えただけではないか?と邪推してしまうほどである。十津川警部シリーズを期待して読む人への誠意が感じられないのだ。
房総半島まわりの歴史のエピソードを知りたい方は興味深く読めるかもしれないが、ミステリーを期待している人にはおすすめできない。
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