〈景品表示法に基づく表記〉当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

「無人駅と殺人と戦争」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

無人駅と殺人と戦争小説

初版発行日 2015年12月8日
発行出版社 徳間書店
スタイル 長編

私の評価 2.3

POINT】
ダイイング・メッセージは”ジャッジメント”!?上信電鉄・千平駅で殺された老人の秘められた過去……。
スポンサーリンク

あらすじ

上信電鉄千平駅。下仁田行き始発電車の運転士がホームで俯せに倒れている老人を発見した。背中を数カ所刺されており、「ジャッジメント!」と言い残して間もなく死亡した。群馬県警の捜査により、老人は、千平駅の構内を毎日ボランティアで清掃していた小原勝利と判明した。しかし、捜査は暗礁に乗り上げ、警視庁の十津川警部に捜査協力の要請が……。

小説の目次

  1. 上信電鉄
  2. 八月十五日
  3. 逃亡者の謎
  4. たった一つの謎
  5. 世捨人の如く
  6. 残された手記
  7. 一つの遺書

冒頭の文

群馬県には、魅力的な私鉄が、三本走っている。わたらせ渓谷鐵道、上毛電気鉄道、上信電鉄の三本の私鉄である。

小説に登場した舞台

  • 千平駅(群馬県富岡市)
  • 下仁田駅(群馬県・下仁田町)
  • 高崎駅(群馬県高崎市)
  • 千倉駅(千葉県南房総市)
  • 博多駅(福岡県福岡市博多区)
  • 福岡県庁(福岡県福岡市博多区)
  • 京都駅(京都府京都市下京区)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 足立:
    群馬県警の警部。
  • 戸田栄:
    警視庁副総監。太平洋戦争時代、日本海軍の軍人だった戸田栄太郎の息子。
  • 田島:
    中央新聞社会部の記者。十津川警部の大学時代の同級生。

事件関係者

  • 小原勝利:
    93歳。千平駅を毎日ボランティアで掃除していた男性。「千平のおじさん」と呼ばれていた。達磨寺近くのマンションに在住。上信電鉄の列車内で死体となって発見された。
  • 朝倉みゆき:
    日本海軍の軍人だった戸田栄太郎の妻。すでに他界している。
  • 青木順:
    50歳。都内在住のサラリーマン。父親が太平洋戦争時代に海兵隊だった。
  • 渡辺信治:
    93歳。武蔵小山に娘夫婦と在住。太平洋戦争時代、小原勝利と同じ海兵隊に所属していた。
  • 田原誠:
    千葉県千倉の老人ホームに居住。太平洋戦争時代、小原勝利と同じ海兵隊に所属していた。その後、自殺する。
  • 太田:
    元海軍大尉。
  • 小林:
    福岡県庁生活課の課長。
  • 湯浅:
    39歳。福岡市内にある農産物輸入会社の社長。
  • 野々宮利夫:
    63歳。野々宮聡軍曹の長男。
  • 片桐栄作:
    50歳。片桐書店の社長。
  • 下村:
    千平駅近くの村役場の職員。
  • 香川雅之:
    65歳。京都市内在住。
スポンサーリンク

感想

本作は、太平洋戦争時代の出来事が、現代の事件の根幹にあるという、2010年代行の十津川警部シリーズの代表的な傾向にある作品の一つになっている。

2021年現在、太平洋戦争が終わってから、75年以上が経過している。太平洋戦争をリアルタイムで経験している方は、どんどん少なくなっており、実感として戦争を語れる人物も少なくなっている。

また、日本は教科書などで、太平洋戦争の詳細を学ぶことも出来ないので、本書のような作品は、太平洋戦争のエピソードを後世に伝えるものとしてある意味貴重であるといえよう。

ただ、願わくば、十津川警部シリーズとしてではなく、専門書として出しても良いのではないかと思った。

コメント