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「西から来た死体 錦川鉄道殺人事件」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

西から来た死体 錦川鉄道殺人事件小説

初版発行日 2018年2月25日
発行出版社 中央公論新社
スタイル 長編

私の評価 2.4

POINT】
25年前に引退した女優がのぞみ車内で毒殺された!!痛ましい事件の背景には、被害者の故郷・日原と岩国を結ぶ「岩日北線」全線開通という夢の存在が……
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あらすじ

東京駅に到着した広島発「のぞみ号」車内で女性の毒殺体が発見された。被害者は二十五年前に突然引退した女優・沢田澄江だった。捜査を開始した十津川は、澄江が故郷の島根県日原と山口県岩国を結ぶ「岩日北線」の全線開通を夢見て、資金集めに奔走していたことを知る。彼女を殺害したのは、鉄道延伸に反対する者の犯行なのか、それとも…。

小説の目次

  1. のぞみ一三〇号
  2. 岩日北線の夢
  3. ホクロの男
  4. 六作目の映画
  5. 並木伸という男
  6. 愛の確執
  7. 二十五年の秘密

冒頭の文

五月十二日、ウィークデイの東京駅16番ホーム。

小説に登場した舞台

  • 東京駅(東京都千代田区)
  • 広島駅(広島県広島市)
  • 厳島(広島県廿日市市)
  • 津和野(島根県・津和野町)
  • 新山口駅(山口県山口市)
  • 錦町駅(山口県岩国市)
  • とことこトレイン
  • 岩日北線記念公園(山口県岩国市)
  • 錦帯橋(山口県岩国市)
  • 剣豪佐々木小次郎の像(山口県岩国市)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。

警察関係者

  • 笹崎:
    島根県警の刑事。
  • 原口:
    島根県警の警部。沢田澄江の高校の後輩。
  • 中島:
    岩国警察署の刑事。
  • 橋本豊:
    私立探偵。元警視庁捜査一課の刑事で、十津川警部の元部下。
  • 十津川直子:
    十津川警部の妻。

事件関係者

  • 沢田澄江:
    65歳。障害者。元女優。等々力の高級マンションに在住。島根県・日原の生まれ。東海道新幹線のぞみの車内で死体となって発見された。
  • 古川修:
    40歳。東京の私立探偵。
  • 柴田貢:
    60歳。沢田夫妻が営むステーキハウスに勤務していたが、5千万円を持ち逃げした。
  • 加藤八重子:
    55歳。沢田夫妻が営むステーキハウスに勤務していたが、柴田貢とともに姿を消した。
  • 河原崎誠:
    河原崎通信工業の社長。沢田澄江の大学時代の同級生。
  • 並木伸:
    75歳。出版社「鉄道日本」の社長。鉄道評論家。
  • 浅沼一郎:
    元警察官。

その他の登場人物

  • 三浦:
    鉄道専門雑誌の編集長。
  • 仁科:
    新宿にある中央映像本社の広報担当部長。
  • 山田収:
    元代々木署の刑事。現在は娘が営むカフェを手伝う。
  • 桂木洋:
    浅沼一郎の友人。
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感想

本作は、十津川警部シリーズの伝統的なパターンの一つだったと思う。

過去の交通事故が発端、交通事故を起こした運転手の偽装、交通事故の偽装に対する報酬。この3つは、十津川警部シリーズにおいて、何度も使われてきた王道パターンであり、今回もこの3つが事件の根になった。

推理小説としての展開は、ここで明かすことはできないが、最後にしっかりどんでん返しが起こり、意外な人物が真犯人になった。

ただ、残念だったのが、本作は、「岩日北線」の全線開通を夢見ていた元女優の思い、開通に向けた彼女の活動や苦節があまり描かれていなかったことである。

彼女の思いをもっと描いていれば、感動する物語であったが、ここが薄いので、淡々と物語が進み、淡々と終わってしまったような印象である。

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