初版発行日 1994年3月25日
発行出版社 角川書店
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
警視総監に宛てられた殺人予告の手紙……。札幌ー東京、二つの事件を結ぶ見えない糸とは!?十津川警部、決死の大逆転!!
警視総監に宛てられた殺人予告の手紙……。札幌ー東京、二つの事件を結ぶ見えない糸とは!?十津川警部、決死の大逆転!!
あらすじ
「青柳みゆきが殺される」―――。警視庁総監宛てにKと名乗る男から奇妙な五通の手紙が届いた。四通までは殺人予告の内容だったが、五通目にはそのKと思われる人物が札幌で轢き逃げされた、という新聞の切り抜きが同封されていた。さっそく捜査に乗り出した十津川警部は青柳みゆきの居場所をつきとめるが、殺人予告日の直後、彼女は殺害されてしまう。札幌―東京、二つの事件を結ぶのは何なのか。難航する捜査に苛立つ十津川たちを第三の殺人が襲い、事態は思わぬ方向へ向かう!
小説の目次
- 北からの通信
- ハンドバッグ
- 新たな動き
- 計画実行
- 暗闇
- 辞表
- 北へ還る
冒頭の文
第一の手紙
警視総監尾ノ内一郎様 唐突なお手紙お許し下さい。しかし、書かずにおられません。
小説に登場した舞台
- 東山温泉(福島県会津若松市)
- 伏見ヶ滝(福島県会津若松市)
- 奥湯河原温泉(神奈川県・湯河原町)
- 京都駅(京都府京都市下京区)
- 東京駅(東京都千代田区)
- 熱海駅(静岡県熱海市)
- 伊東(静岡県伊東市)
- 羽田空港(東京都大田区)
- 千歳空港(北海道千歳市)
- 女満別空港(北海道・大空町)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三田村功:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 清水新一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 三浦祐介:
北海道警捜査一課の警部。 - 井上:
東山温泉派出所の警官。 - 田原:
会津若松署の警部。 - 大西:
京都府警の刑事。 - 安井:
網走署の刑事。
事件関係者
- 青柳みゆき:
23歳。神田にある雑誌「全国グルメ月報」の編集者。世田谷区のマンション在住。ボーガンで撃たれて死亡する。 - 北川治:
30歳。札幌化学に勤務。ひばりヶ丘団地に在住。新札幌駅近くの裏通りで車に轢かれて死亡した。 - 小西進介:
60歳。札幌駅近くにあった寿司店「丸清」の店主。すでに倒産している。伏見ヶ滝近くで死体となって発見された。 - 小西文江:
52歳。小西進介の妻。伏見ヶ滝近くで死体となって発見された。 - 新関肇:
60歳。代議士。 - 森口昭:
新関肇の秘書。保守党の経済研究会を取り仕切る。 - 新関保子:
54歳。新関肇の妻。 - 新関功:
32歳。新関肇の長男。S工業の管理課長。 - 新関綾:
21歳。新関肇の次女。R大学に通う大学生。何者かに誘拐される。 - 奥寺豊:
40歳。札幌市内にある建設会社の社長。現在行方不明。 - 沼田章:
35歳。札幌市内に事務所をかまえる私立探偵。現在行方不明。 - 正木真一郎:
正木建設の社長。 - 吉野敬子:
正木真一郎の恋人。渋谷区上原のマンションに在住。
その他の登場人物
- 後藤久志:
50歳。N電機の部長。四谷三丁目のマンションに在住。青柳みゆきと不倫をしていた。 - 田島:
神田にある雑誌「全国グルメ月報」の編集長。 - 吉田:
札幌市内にある寿司店「よしだ」の主人。 - 井上あき:
青柳みゆきの高校時代の友人。 - 島原研一:
52歳。西新宿KKビルにある「サン金融」の社長。政界にも知り合いが多い。 - 原田圭一郎:
60歳。西新宿KKビルにある「原田興業」社長。 - 荒木順:
42歳。麹町KKビルにある「アジア調査研究事務所」の社長。政治評論家。 - 平山明:
フリーライター。 - 和田:
35歳。代議士。四ツ谷三丁目のマンションに在住。 - 岩田進:
奥湯河原温泉T旅館の板前。 - 関口純子:
赤坂の料亭「じゅん」の女将。以前、銀座にある高級クラブのホステスをしていた。
印象に残った名言、名表現
なし。
感想
本作は、知床の再開発案件に騙されて借金を背負った男の復讐と、5億円の奪取を目的とした連続殺人事件である。
ちなみに、本作のタイトルに含まれた「北緯四三度」は、札幌を示すことで有名である。本作では、札幌から届いた手紙が発端になったことから、「北緯四三度からの死の予告」というタイトルになったと思われる。
今回は、事件の全体像を掴むのに苦労した。4件もの殺人事件が起きているのに、犯人の輪郭すら見えないのである。十津川警部の地道な捜査と、犯人逮捕に向けた執念が解決に導いた。
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