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「現美新幹線殺人事件」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

現美新幹線殺人事件小説

初版発行日 2017年4月7日
発行出版社 文藝春秋
スタイル 長編

私の評価 3.0

POINT】
”世界最速の美術館”。絵画に隠された不都合な真実。十津川警部の捜査は、越後湯沢、東京、ニューヨークへー。
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あらすじ

越後湯沢で休暇中の画商・竹田幸太郎は、東京の自宅で妻子が殺され、新進の画家・渡辺久の絵を盗まれた。だが、その絵は、越後湯沢―新潟間を走る観光列車「現美新幹線」になぜか渡辺の自選で展示される。当の渡辺は渡米し所在不明に。捜査の糸口も掴めない十津川は絵の秘密を追い“世界最速の美術館”に乗り込むが……。

小説の目次

  1. 佐渡の風景
  2. 世界最速の芸術鑑賞
  3. アメリカからの便り
  4. 贋作
  5. 二つの殺人事件
  6. 十三号車カフェ
  7. 現美新幹線再び

冒頭の文

竹田幸太郎は、一年間の英気を養うために、毎年のように二月下旬から三月上旬にかけての一週間は、越後湯沢に出かけ、そこでのんびり、スキーと、温泉を楽しむことにしていた。

小説に登場した舞台

  • 越後湯沢温泉(新潟県・湯沢町)
  • GALA湯沢スノーリゾート(新潟県・湯沢町)
  • 十日町(新潟県・十日町市)
  • 越後湯沢温駅(新潟県・湯沢町)
  • 東京駅(東京都千代田区)
  • 青山葬儀所(東京都港区)
  • 現美新幹線
  • 新潟駅(新潟県新潟市中央区)
  • ニューヨーク(アメリカ合衆国)
  • ジョン・F・ケネディ国際空港(アメリカ合衆国)
  • 新横浜駅(神奈川県横浜市港北区)
  • 長岡駅(新潟県長岡市)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 高野:
    新潟県警の刑事。
  • ロバート・谷口二世:
    ニューヨーク市警の警部。

事件関係者

  • 竹田幸太郎:
    60歳。画商。銀座に画廊をもつ。渋谷のマンションに在住。
  • 竹田節子:
    竹田幸太郎の妻。自宅マンションで死体となって発見された。
  • 竹田麻里:
    竹田幸太郎の娘。父の仕事を手伝う。自宅マンションで死体となって発見された。
  • 渡辺久:
    45歳。画家。佐渡出身。「五人の会」のメンバー。
  • 中村ケイコ:
    渡辺久のマネージャー。
  • D・クラーク:
    アメリカの画商。
  • スーザン:
    D・クラークの妻。すでに死亡している。

その他の登場人物

  • 荒木:
    越後湯沢にあるホテルの支配人。
  • 小野塚隆司:
    若手の画家。
  • 小野塚正司:
    小野塚隆司の父親。高校の美術教師。
  • 丹羽:
    画商。竹田幸太郎の友人。
  • 宮本晃:
    画家。「五人の会」のリーダー。
  • 木村:
    JR東日本の職員。
  • 原田:
    大阪にあるホテルグループの広報担当。
  • 平川俊:
    独立アート協会の審査員。
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感想

本作は、新進画家・渡辺久が10年前に描いた佐渡の絵を巡る殺人事件という構図であった。

具体的には、この佐渡の絵が、10年前に起こった事件の証拠になっているのだが、十津川警部シリーズでは、画家が登場する作品が数多く刊行されており、絵画に事件の証拠があって、そのために殺人事件が起こるというパターンも数多く登場する。

なので、本作は、十津川警部シリーズの王道ミステリーの一つのパターンといえよう。

一つ残念な点があるとすれば、本作の準主人公である画商の竹田幸太郎という人間模様をもっと描いてほしかった。

彼の妻と娘が殺されたことを知るシーンがある。普通、妻と娘が殺されたのだから、苦悩や悲しみにうち震えるはずである。が、本作ではそうした感情の描写がなく、いきなり「仇をとってやる」という言葉だけ残して、次のシーンに入っていった。

今回は、竹田幸太郎がメインだったので、彼の人間的な部分をもっと描けば、もっと面白い作品になったのではないかと思う。

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