初版発行日 2011年3月18日
発行出版社 光文社
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
十津川警部が犯人の秘められた動機を追う!
十津川警部が犯人の秘められた動機を追う!
あらすじ
京都の名所旧蹟を結ぶ路面電車、京福電鉄。通称「嵐電」愛好家の集いが「嵐電会」だ。その結成一周年記念のイベントが開かれた。嵐電だけを使って三ヶ所の神社仏閣を巡り写真を撮影、タイムと写真の優劣を競うレースだ。優勝者には五百万円の賞金が出るという。ところが、レース途中、参加者の夫婦が他殺体で発見された!
小説の目次
- あるレース
- 東京と京都の間
- 京都スケッチ
- 嵐電会の真実
- 過去の怨念
- 嵐電と江ノ電
- 全ての終わり
冒頭の文
京都の人々から、親しく嵐電と呼ばれている電車がある。正確には、京福電気鉄道である。
小説に登場した舞台
- 嵐山駅(京都府京都市右京区)
- 鞍馬山(京都府京都市左京区)
- 鞍馬寺(京都府京都市左京区)
- 四条大宮駅(京都府京都市下京区)
- 西院駅(京都府京都市右京区)
- 蚕ノ社駅(京都府京都市右京区)
- 車折神社駅(京都府京都市右京区)
- 太秦広隆寺駅(京都府京都市右京区)
- 広隆寺(京都府京都市右京区)
- 帷子ノ辻駅(京都府京都市右京区)
- 京都駅(京都府京都市下京区)
- 北野白梅町駅(京都府京都市北区)
- 北野天満宮(京都府京都市上京区)
- 等持院駅(京都府京都市北区)
- 龍安寺(京都府京都市右京区)
- 千本ゑんま堂 引接寺(京都府京都市上京区)
- 六道珍皇寺(京都府京都市東山区)
- 京都府立図書館(京都府京都市左京区)
- 禅林寺 (永観堂)(京都府京都市左京区)
- 熱海(静岡県熱海市)
- 海老名サービスエリア(神奈川県海老名市)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三田村功:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
京都府警
- 三浦:
京都府警生活安全課の警部。 - 沼田:
京都府警捜査一課の警部。 - 早川:
京都府警捜査一課の刑事。
嵐電会
- 岩田浩一:
45歳。出版会社Kの編集長。嵐電会の会長。 - 後藤大輔:
26歳。フリーカメラマン。嵐電会のメンバー。 - 神谷要:
30歳。国交省の職員。嵐電会のメンバー。5年前、嵐電と江ノ電の座談会に江ノ電側として出席した。鞍馬山で死体となって発見された。 - 神谷理香:
30歳。神谷要の妻。小野寺法律事務所の非常勤社員。嵐電会のメンバー。鞍馬山で死体となって発見された。 - 北条綾乃:
21歳。S大学に通う大学4年生。嵐電会のメンバー。 - 井上あすか:
21歳。S大学に通う大学4年生。嵐電会のメンバー。 - 村西美奈子:
51歳。夫に先立たれた未亡人。嵐電会のメンバー。
事件関係者
- 北林亜紀:
35歳。資産家の娘。渋谷区初台のマンションに在住。嵐電会に応募したが落選した。5年前、嵐電と江ノ電の座談会に江ノ電側として出席した。自宅マンションで死体となって発見された。 - 大河内理江:
5年前、嵐電と江ノ電の座談会に嵐電側として出席した女性。数年前に自殺した。
その他の登場人物
- 谷村:
国交省の課長。神谷要の上司。 - 小野寺:
神谷理香が働いていた小野寺法律事務所の所長弁護士。 - 渡辺:
40歳。小野寺法律事務所の弁護士。 - 北林亜矢子:
北林亜紀の母親。 - 足立隆一郎:
62歳。西新宿に事務所をかまえる弁護士。元検事。雑誌「旅のしおり」の寄稿者。 - 広野由美子:
京都市長の秘書。雑誌「旅のしおり」の寄稿者。 - 高橋源太郎:
京都観光協会会長。5年前、嵐電と江ノ電の座談会に嵐電側として出席した。 - 川島明:
京都新報の記者。5年前、嵐電と江ノ電の座談会に嵐電側として出席した。 - 野原春樹:
5年前、嵐電と江ノ電の座談会に江ノ電側として出席した。 - 木下夫妻:
永観堂近くに在住。大河内理江の縁戚。 - 島田:
新京都放送のアナウンサー。 - 黒田:
嵐電本社の広報担当。 - 坂本:
新都心タクシーの運転手。 - 橋口:
新都心タクシーの運転手。事故を起こして熱海の病院に入院中。
感想
本作は、タイトル通り、京都嵐電の沿線を舞台にした事件であった。
京都嵐電の駅や沿線のスポットがこまかく描かれており、かつて京都に在住していた西村京太郎先生らしい、京都のエピソードも満載だった。
ミステリーとしては並だとは思うし、最後は、
(これで事件は解決したな)と、十津川は、思った。
と、終わらせ方の一つのパターンを持ってきたのは残念であったが、京都嵐電沿線がたくさん登場するので、地元の方にとっては楽しめる作品だと思う。
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