初版発行日 2019年12月31日
発行出版社 徳間書店
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
舞鶴湾財宝伝説!?二つの殺人事件の謎を解くカギは?
舞鶴湾財宝伝説!?二つの殺人事件の謎を解くカギは?
あらすじ
天橋立近くの浜で男の溺死体が発見された。右横腹に古い銃創、顔には整形手術のあとが残されており、死の数日前、若狭湾冠島周辺の海面をドローンで撮影する姿が目撃されていた…。そんな折り、十津川警部が舞鶴警察署を訪れる。東京月島で五年前に起きた銃撃事件に、溺死した男が関わっていた可能性があるという。捜査が進むにつれ、昭和二十年八月、オランダ女王の財宝などを積載した第二氷川丸が若狭湾で自沈した事実が判明し、その財宝にかかわる謎の団体の存在に行き当たったのだが…!?
小説の目次
- 若狭湾
- 昭和二十年八月十九日
- 新たな参加者
- 七十四年前の罠
- 回顧昭和二十年八月
- 軍と市民と海と
- 犯罪オークション
- 静けさを取り戻した海
冒頭の文
三月十六日の舞鶴。東京はすでに春の陽気だが、こちらは、やたらに寒い。
小説に登場した舞台
- 東舞鶴駅(京都府舞鶴市)
- 海軍記念館(京都府舞鶴市)
- 舞鶴引揚記念館(京都府舞鶴市)
- 舞鶴港(京都府舞鶴市)
- 伊根町(京都府・伊根町)
- 新井崎(京都府・伊根町)
- 成生岬(京都府舞鶴市)
- 天橋立(京都府宮津市)
- 海上自衛隊 舞鶴地方総監部(京都府舞鶴市)
- 舞鶴市役所(京都府舞鶴市)
- 特急「舞鶴」
- 小田原(神奈川県小田原市)
- 帝国ホテル東京(東京都千代田区)
- 成田空港(千葉県成田市)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 笹本利彦:
27歳。警視庁捜査一課の刑事。今回の事件の捜査のために、十津川班の支援をしていた。若狭湾の冠島近くで水死体となって発見された。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
事件関係者
- 市橋一男:
当時60歳。元太陽船舶の船員。5年前、月島の飲み屋街で撃たれて死亡した。 - 大竹昭一:
60歳。6年前まで太陽船舶の船員だった男。舞鶴の海で水死体となって発見された。 - 松本健一郎:
50歳。「ニホン海洋資源調査」会社の社長。 - 入江久美子:
松本健一郎の秘書。 - 長谷部要介:
長谷部財団の理事長。元海軍の長谷部少佐の息子。 - 長谷部綾:
長谷部ユニオンの代表。 - 大石隆一:
35歳。長谷部ユニオンの社員。 - 佐藤竜生:
「日本の海を守る会」の会員。 - 原田:
36歳。京都府警捜査一課の警部。
感想
本作は、舞鶴を舞台として、太平洋戦争時代の歴史を紐解く、歴史ミステリー作品であった。
今回は、太平洋戦争時代の海軍にスポットが当てられており、十津川警部は事件の捜査とともに、海軍についての見識を深めていくというものだった。
事件の終わり方はやや性急な気がしたが、舞鶴や伊根町の海の情景は綺麗だったと思う。
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