〈景品表示法に基づく表記〉当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

「C62ニセコ」殺人事件/感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

「C62ニセコ」殺人事件小説

初版発行日 1989年4月30日
発行出版社 光文社
スタイル 短編集

私の評価 3.9

POINT】
SL1時間24分の罠!トラベル・ミステリーの粋を集めた短編集!

スポンサーリンク

あらすじ

1.「C62ニセコ」殺人事件

一代で財をなした会社社長早川卓次は熱烈なSLファンでもあった。女優(愛人?)榊由美子と函館本線を走る特別列車「C62ニセコ」で寛ぐ早川。同時刻、札幌のホテルで早川の妻綾子が絞殺された。道警三浦警部は早川に疑惑の目を…。だが、早川には鉄壁のアリバイがあった…。ところが、早川のアリバイを証言する由美子が東京のTV局で殺害された。早川逮捕にふみきる道警。しかし、十津川警部はアリバイ工作の背後に潜む意外な真相を追う。小樽―倶知安間1時間24分に仕掛けられた罠とは何か?

2.特急「ゆうづる3号」の証言

短編集「特急「ゆうづる3号」の証言」に収録。下記を参照↓↓

→「特急「ゆうづる3号」の証言

3.とき403号で殺された男

短編集「北陸事件簿」に収録。下記を参照↓↓

→「北陸事件簿」の証言」

小説に登場した舞台

1.「C62ニセコ」殺人事件

  • 小樽駅(北海道小樽市)
  • SL「C62ニセコ」
  • 余市駅(北海道・余市町)
  • 小沢駅(北海道・共和町)
  • 倶知安駅(北海道・倶知安町)
  • ニセコ五色温泉(北海道・ニセコ町)
  • 千歳空港(北海道千歳市)
  • 青山葬儀所(東京都港区)
  • 羽田空港(東京都大田区)
  • 札幌駅(北海道札幌市北区)

2.特急「ゆうづる3号」の証言

短編集「特急「ゆうづる3号」の証言」に収録。下記を参照↓↓

→「特急「ゆうづる3号」の証言

3.とき403号で殺された男

短編集「北陸事件簿」に収録。下記を参照↓↓

→「北陸事件簿」の証言」

登場人物

1.「C62ニセコ」殺人事件

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。
  • 三浦:
    北海道警の警部。
  • 石田:
    北海道警の刑事。
  • 早川卓次:
    58歳。早川興業の社長。
  • 早川綾子:
    43歳。早川卓次の妻。田代優介の娘。札幌のホテルで死体となって発見された。
  • 田代優介:
    元国務大臣。
  • 田代圭一郎:
    40歳。早川綾子の弟。田代優介の秘書。
  • 矢木:
    「週刊21」の記者。三鷹のマンションに在住。
  • 田島:
    50歳。「週刊21」の編集長。
  • 榊由美子:
    美人女優。中央テレビの地下駐車場に停めてあった車の中で死体となって発見された。
  • 西崎:
    六本木にあるクラブのオーナー。
  • 滝田宏:
    30歳。無名タレント。昭和プロ所属。
  • 今村:
    昭和プロの社長。
  • 青木徹:
    昭和プロ所属のタレント。

2.特急「ゆうづる3号」の証言

短編集「特急「ゆうづる3号」の証言」に収録。下記を参照↓↓

→「特急「ゆうづる3号」の証言

3.とき403号で殺された男

短編集「北陸事件簿」に収録。下記を参照↓↓

→「北陸事件簿」の証言」

スポンサーリンク

感想

本作は3つの作品が収録された短編集である。

この3作品の中で一つを取り上げるとしたら、やはり表題作になった「C62ニセコ」殺人事件だろう。ページ数100ページ超のボリューム短編であり、まるで長編を読んでいるかのような読み応えがあった。

また、C62ニセコから見える北海道の景色も旅情たっぷりに描かれており、「北海道で旅をしたい」と思わせてくれる。

事件についても、犯人をミスリードさせる伏線があり、意表をついた真犯人も見事であった。

最後に、西村京太郎先生のことばを紹介しておこう。

子供のころの思い出の中に、SLが強烈な印象として残っている。力強く驀進する姿と、車内に飛び込んでくる煙である。トンネルに入る前、車内放送があって、乗客があわてて窓を閉める。それでも容赦なく煙が入ってきて、顔が煤けたものだった。

だから、煙の出ない電機機関車は、進歩の象徴のように見えるのだが、今は、不思議に、SLが懐かしくてならない。人間のわがままなのだろう。

そんなことを考えながら書いたのが、この作品である。

コメント