初版発行日 1992年7月5日
発行出版社 講談社
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
北の無人駅で起きた誘拐!苦悩する十津川。
北の無人駅で起きた誘拐!苦悩する十津川。
あらすじ
青森県の十二湖駅で女性タレントが誘拐された。日本海沿いを走る五能線の無人駅での犯行だった。捜査に乗りだした十津川警部らに家族は誘拐の事実を認めない。続けて起きた会社社長夫婦誘拐事件でも被害者は事件を否定した。誘拐事件を立証できず苦悩する十津川をあざ笑うように第三の犯行が行われた。
小説の目次
- 十二湖駅
- 東京西麻布
- 春の犯罪
- 突破口
- 誘拐ビジネス
- ジ・エンド
冒頭の文
青森県から、秋田県にかけて、日本海沿いに走る五能線は、車窓の景色の美しさと同時に、冬の厳しさでも知られている。
小説に登場した舞台
- 五能線
- 十二湖駅(青森県・深浦町)
- 日本キャニオン(青森県・深浦町)
- 十二湖ビジターセンター(青森県・深浦町)
- 西麻布(東京都港区)
- 上野駅(東京都台東区)
- 国会図書館(東京都千代田区)
- 函館空港(北海道函館市)
- 函館駅(北海道函館市)
- 石倉駅(北海道・森町)
- ホテルニューオータニ 東京(東京都千代田区)
- 熱海(静岡県熱海市)
- 下田(静岡県下田市)
- 大分空港(大分県国東市)
- 特急ゆふいんの森
- 由布院駅(大分県由布市)
- 由布院温泉(大分県由布市)
- 東京駅(東京都千代田区)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三田村功:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 田中大輔:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 清水新一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 佐伯:
青森県警の刑事。 - 青木:
深浦署の署長。 - 栗本:
下田警察署の刑事。
事件関係者
- 三田功一郎:
三田コンツェルンの社長。世田谷区上野毛に在住。 - 三田貢:
三田功一郎の息子。三田コンツェルン系列の三田交通で営業部長をしている。 - 南ユカ:
女優。本名は三田杏子。三田功一郎の娘。十二湖で何者かに誘拐されたが、解放された。 - 山田圭子:
南ユカのマネージャー。 - 太田功一:
城西プロダクションのカメラマン。 - 小田中義:
城西プロダクションの社長。 - 大杉透:
大杉物産の社長。世田谷区経堂に在住。何者かに誘拐されたが、解放された。 - 大杉友子:
大杉透の妻。何者かに誘拐される。 - 大杉紀一郎:
大杉透の息子。大杉物産の営業部長。 - 北原雅子:
39歳。北原デザインの社長。 - 川島広次郎:
シナリオライター。 - 伊藤健二:
O・Tプロ所属の若手タレント。北原雅子の不倫相手。何者かに誘拐されたが、解放された。 - 村地勇:
芸能プロ「Kプロダクション」の社員。下田の海岸で死体となって発見された。 - 崎田英治:
映画監督。 - 日下部透:
32歳。Rプロダクションの社員。 - 平松みのる:
28歳。サラリーマン。 - 永井冴子:
26歳。元モデル。
その他の登場人物
- 片山彦太郎:
十二湖付近のタクシー運転手。 - 原田はるみ:
十二湖の案内役。 - 関口:
M銀行渋谷支店の支店長。 - 菊池守:
西麻布のフランス料理店「プチ・モンド」の店主。 - 田島:
「プチ・モンド」の見習い料理人。 - 青木哲夫:
北原雅子の夫。 - 加東茂:
漫画家。川島広次郎の友人。 - 島崎恭子:
27歳。演歌歌手。 - 三浦良治:
35歳。K自動車長万部営業所の営業マン。 - 本田:
O・Tプロの営業部長。 - 関根:
芸能雑誌の記者。 - 広岡匡:
原宿にあるブティック・ヒロオカの社長。1年前まで、北原デザインの秘書をしていた。 - 西野浩二:
50歳。歌手。 - 佐古田功:
35歳。歌手。 - 塚本:
芸能プロ「Kプロダクション」の社長。 - 沢木完:
68歳。タレント。 - 上村のりこ:
タレント。 - 上里俊一郎:
上村のりこの父親。上里製菓の社長。 - 上里弓子:
上村のりこの母親。
印象に残った名言、名表現
なし。
感想
まず、本作のタイトル「五能線誘拐ルート」について話したい。
このタイトルだけ見ると、五能線が作品のメイン舞台になっていると思ってしまうが、それは誤りである。あくまでも最初の事件の現場が五能線だっただけであり、それ以降、五能線は登場しない。
だから、五能線を期待している方が購入すると、がっかりするだろう。
さて、本作は、誘拐事件の捜査がメインである。事件にはいろいろな謎が隠されており、この事件の捜査そのものは、読み応えのあるものだった。
しかし、作品のボリュームに対し、登場人物が多すぎるのが、個人的に好きになれない。登場人物が多すぎて、一人ひとりのエピソードが薄いものになるし、それぞれの人物について頭の中で処理をしなければならないので、疲れるのだ。
タイトルとの相違、登場人物の多さ。この2つの理由により、本作は好きになれない。
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