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「五能線の女」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

五能線の女小説

初版発行日 2006年3月20日
発行出版社 新潮社
スタイル 長編

私の評価 4.1

POINT】
十津川警部は、元部下の無実を信じ、現地へ向かった。旅情溢れる、トラベル・ミステリー。
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あらすじ

海と森、東北の美しい自然に抱かれる、五能線。私立探偵・橋本豊は、素行調査の報酬を手に、念願の「リゾートしらかみ」号に乗車した。だが、それは罠に他ならなかった! 彼は、青森県警に千畳敷殺人事件の容疑者として拘束されてしまう。橋本を救おうと動いた女性探偵もまた窮地に陥る。

小説の目次

  1. 成功報酬
  2. 時刻表
  3. 再び「リゾートしらかみ3号」
  4. 脅迫者
  5. 蜃気楼ダイヤ
  6. 解決へのタイヤ

冒頭の文

私立探偵、橋本豊の事務所は、現在、四谷三丁目の雑居ビルの中にあり、そこは、事務所兼住居である。

小説に登場した舞台

  • 秋田駅(秋田県秋田市)
  • リゾートしらかみ
  • 能代駅(秋田県能代市)
  • ウェスパ椿山駅(青森県・深浦町)
  • スロープカーしらかみ号
  • ウェスパ椿山(青森県・深浦町)
  • 黄金崎不老ふ死温泉(青森県・深浦町)
  • 鰺ケ沢駅(青森県・鰺ヶ沢町)
  • 五所川原駅(青森県五所川原市)
  • 金木駅(青森県五所川原市)
  • 太宰治記念館「斜陽館」(青森県五所川原市)
  • 千畳敷駅(青森県・深浦町)
  • 弘前駅(青森県弘前市)
  • 深浦駅(青森県・深浦町)
  • 千畳敷海岸(青森県・深浦町)
  • 特急かもしか3号
  • 宮ノ下(神奈川県・箱根町)
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登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。

事件関係者

  • 橋本豊:
    30歳。私立探偵。元警視庁捜査一課の刑事で、十津川警部の元部下。
  • 井上亜紀子:
    28歳。橋本豊に素行調査を依頼した弁護士。青山一丁目のマンションに在住。自宅で死体となって発見された。
  • 佐伯勇:
    55歳。佐伯工業の社長。
  • 佐伯香織:
    38歳。佐伯勇の妻。
  • 三村しのぶ:
    38歳。東南アジアの民芸品の販売会社の社長。渋谷区宇田川町にあるマンションに在住。五能線沿線の千畳敷駅近くにある太宰治の文学碑のそばで絞殺体として発見された。
  • 阿部純子:
    25歳。杉並区に事務所をかまえる私立探偵。橋本豊の友人。
  • 小池康治:
    月刊誌「信用と調査」の編集長。世田谷のマンションに在住。五能線の車内で死体となって発見された。
  • 安藤圭介:
    45歳。深浦交通のタクシー運転手。

その他の登場人物

  • 谷本:
    青森県警の警部。
  • 菅沼利也:
    東京の弁護士。十津川警部の大学時代の友人。
  • 中井:
    四谷に法律事務所をかまえる弁護士。井上亜紀子がかつて働いていた事務所。
  • 安藤治美:
    21歳。安藤圭介の娘。五所川原にある陸奥建設に勤務している。

印象に残った名言、名表現

■リゾートしらかみの景色。

少しずつ、日本海が見え隠れするようになってくる。能代の次のあきた白神を過ぎると、ますます日本海が列車のほうに接近してくる感じで、白波や岩礁が目に飛び込んでくる。

感想

私立探偵の橋本豊が罠にかけられ、橋本豊のために動いた友人の私立探偵も罠にかけられてしまうトラップや、「蜃気楼ダイヤ」とよばれる五能線のリゾートしらかみの時刻表を使ったトリックが光る、ミステリーの王道ともいえる作品だった。

また、舞台となった五能線沿線の景観や、周辺スポットも情緒たっぷりに描かれており、トラベルミステリーとしても秀逸である。

本作を片手に、五能線沿線を旅してみたくなる、そんな気にさせる作品だった。

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