初版発行日 2003年4月20日
発行出版社 光文社
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
大ベストセラー「寝台特急殺人事件」から25年を経て、新たに書き起こされた白熱のトレイン・ミステリー!
大ベストセラー「寝台特急殺人事件」から25年を経て、新たに書き起こされた白熱のトレイン・ミステリー!
あらすじ
暴走族あがりの集団SS会の男を揉合いのうちに刺殺してしまった青年は、ブルートレインに乗って、長崎へ向かった。復讐に燃えて追いかけるSS会の仲間たちと、十津川警部。果たして青年を捕まえるのはどちらか?
小説の目次
- 雨の中で
- ブルートレインを追う
- 二二:四七 名古屋
- 駆け引きの中で
- 長崎着
- あるリレー
- 終わりの始まり
冒頭の文
小雨が降っている。真夏にしては、珍しい降り方だった。だから、レストランを出た三人の若者も、駅まで濡れて歩くことにした。
小説に登場した舞台
- 東京駅(東京都千代田区)
- 名古屋駅(愛知県名古屋市中村区)
- 寝台特急「さくら」
- 岐阜駅(岐阜県岐阜市)
- 京都駅(京都府京都市下京区)
- 倉敷駅(岡山県倉敷市)
- 大阪駅(大阪府大阪市北区)
- 広島駅(広島県広島市南区)
- 小郡駅(現・新山口駅)(山口県山口市)
- 宇部駅(山口県宇部市)
- 門司駅(福岡県北九州市門司区)
- 佐賀駅(佐賀県佐賀市)
- 肥前山口駅(佐賀県・江北町)
- 肥前鹿島駅(佐賀県鹿島市)
- 諫早駅(長崎県諫早市)
- 長崎駅(長崎県長崎市)
- 伊王島(長崎県長崎市)
- 稲佐山公園(長崎県長崎市)
- グラバー園(長崎県長崎市)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三田村功:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 片山明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 田中大輔:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 小池:
愛知県警捜査一課の警部。 - 滝:
愛知県警捜査一課の刑事。 - 秋山:
愛知県警捜査一課の刑事。 - 南村:
愛知県警捜査一課長。 - 中村:
警視庁捜査四課の警部。十津川警部の同期。 - 宝井:
警視庁の刑事。 - 田代:
警視庁の刑事。 - 田口(通常は田島という名前で登場):
中央新聞社会部の記者。十津川警部の大学時代の同級生。
SS会
- 大川原英介:
SS会のリーダー。 - 牧田元:
21歳。SS会のメンバー。幡ヶ谷駅近くの路上で青木、中川、仁科と喧嘩してナイフが刺さって死亡した。 - 平山勝:
24歳。SS会のメンバー。 - 藤井康夫:
25歳。SS会のメンバー。 - 前田幸平:
27歳。SS会のメンバー。寝台特急「さくら」で死体となって発見された。 - 長池健:
28歳。SS会のメンバー。元自衛隊員。 - 長池信之:
SS会のメンバー。殺人の前科あり。 - 中根哲次:
SS会のメンバー。 - 奥寺:
SS会のメンバー。 - 高野克郎:
SS会のメンバー。1週間前、マンションで死体となって発見された。
事件関係者
- 仁科芳男:
牧田元らと喧嘩した青年。S高校の卒業生。三鷹のマンションに在住。青年海外協力隊の隊員。 - 中川匡:
仁科芳男の友人。 - 青木信夫:
仁科芳男の友人。 - 黒田美加:
仁科芳男の恋人。 - 梅田喬司:
35歳。殺人の前科あり。高野克郎と同じマンションに在住。 - 北村努:
55歳。寝台特急「さくら」の機関士。練馬区石神井に在住。 - 佐野:
青年海外協力隊の隊長。 - 北川:
青年海外協力隊の隊員。
その他の登場人物
- 渡辺:
渡辺文具店の息子。青木、中川、仁科の同級生。 - 鈴木:
仁科芳男が住むアパートの管理人。 - 里子:
鈴木の妻。 - 井本:
寝台特急「さくら」の主任車掌。 - 北村美代子:
北村努の妻。 - 池内:
JR九州の機関士。 - 三崎:
M重工長崎造船所の責任者。
感想
本作は、1978年に刊行された「寝台特急殺人事件」から25年後の作品である。「寝台特急殺人事件」の続編ではなく、まったく違う話ではあるが、この2つの作品を読み比べてみるのも、一興である。
私が読み比べた感想としては、「寝台特急殺人事件」の方がよりミステリー色が強く、本作はよりサスペンス色が強いといった印象である。
また、本作は十津川警部シリーズが定番化してからの作品であるため、十津川班のキャラクターも固まっており、より読みやすいと思った。
内容については、ここでは明かせないが、東京から長崎に向かう寝台特急「さくら」での展開は緊張感があり、最後は長崎市内での激しい戦闘になるのだが、まるで映画のようなアクションが繰り広げられた。この戦闘は圧巻だったと思う。
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