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「能登・キリコの唄」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

能登・キリコの唄小説

初版発行日 2007年11月30日
発行出版社 角川書店
スタイル 長編

私の評価 3.8

POINT】
キリコ祭りの能登を舞台にした、トラベル・ミステリー。
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あらすじ

東京で銀行強盗が発生。現場にいた青年・栗原太郎の活躍で、強盗は逮捕される。だが、強盗が「栗原も共犯だ」と証言し始め、栗原は姿を消す。十津川警部が彼の素性を探ると、親に捨てられ福祉施設で育った過去が判明。彼が拾われたときに入っていた箱には「キリ」という文字が記されていた。文字を手がかりに能登に向かった十津川は、予期せぬ事態に巻き込まれ……。

小説の目次

  1. キリコを知っていますか?
  2. 能登を知っていますか?
  3. あばれ祭りを知っていますか?
  4. ボランティア
  5. 死者の値打ち
  6. 祭りの季節へ
  7. キリコが唄う日

冒頭の文

その日、二月五日は、東京でも珍しく、雪が降った。

小説に登場した舞台

  • 府中駅(東京都府中市)
  • 金沢駅(石川県金沢市)
  • 宇出津(石川県・能登町)
  • のと里山空港(石川県輪島市)
  • 七尾(石川県七尾市)
  • 米原駅(滋賀県米原市)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 田中大輔:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 片山明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 本多時孝:
    警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

事件関係者

  • 大森浩志:
    M銀行四谷支店の強盗3人組の一人。現行犯逮捕された。
  • 和泉昭典:
    M銀行四谷支店の強盗3人組の一人。現行犯逮捕された。
  • 土田真一:
    M銀行四谷支店の強盗3人組の一人。逃走後、出頭し逮捕された。
  • 栗原太郎:
    29歳。フリーター。新宿区四谷左門町のアパートに在住。養護施設「光明学園」の出身。M銀行四谷支店の強盗に一人で立ち向かい表彰された。
  • 高橋圭太郎:
    かつて宇出津の綱元をしていた。寒ブリの事業に失敗して蒸発。
  • 高橋史恵:
    高橋圭太郎の妻。
  • 奥田正和:
    40歳。池袋の私立探偵。三木正昭の名前で能登半島地震のボランティアと偽って調査中、S村で何者かに殺害される。
  • 久保田俊雄:
    60歳。能登島にあるリゾートホテルの社長。

その他の登場人物

  • 高橋史恵:
    高橋圭太郎の妻。
  • 関根:
    石川県警捜査一課の警部。
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印象に残った名言、名表現

■キリコ祭りとは?

「能登のキリコ祭り。七月から、九月半ばにかけて、連夜、能登のどこかで、祭りが行われている。若者の、掛け声とともに、灯明の火が、掲げられるのだ。

キリコとは、神輿を、先導する巨大なキリコ灯籠のことをいう。地域によっては、キリコとは、呼ばずに、奉灯とも、御明しともいう」

感想

本作は、能登半島のキリコ祭りを題材にした作品である。ただ、キリコ祭り中に事件が起こったのではなく、キリコ祭りが開かれる町を舞台した作品という意味である。

もちろん、キリコ祭りについての解説があったり、物語の終盤でキリコ祭りの描写はあったのだが、キリコ祭りで事件が起こったわけではない。

また、本作では、能登半島で震度6の地震がおき、能登空港が陥没で使用不能になったり、列車も留まり、幹線道路もがけ崩れで崩壊。能登の町にも多数の負傷者が出た。

地震大国日本のリアルな姿を描いており、地震後に復興に向けて動く、町民の姿やボランティアとして復興に協力する人の姿を描いていたのは良かったと思う。

事件については、両親の恨みを果たそうとする男の復讐劇であり、サスペンスフルであり、ラストシーンは感動的だったと思う。

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