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「志賀高原殺人事件」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

志賀高原殺人事件小説

初版発行日 1989年8月31日
発行出版社 徳間書店
スタイル 長編

私の評価 4.1

POINT】
清水刑事の恋人が射殺!ダイイング・メッセージ「クロヒメに……」とは?志賀高原を舞台に繰り広げられるトラベル・ミステリー。
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あらすじ

警視庁捜査一課・清水刑事の恋人、広田みや子は秘密めいた女性だった。子供の様な表情をみせながら、暗いかげりをあわせ持つ。彼女を志賀高原へのスキー旅行に誘ったのは、旅の中でその素顔が見えてくるのでは、という期待からだった。が、スキーを楽しむ清水の眼前でみや子が射殺されたのだ。誰が、何のために?連絡を受けた十津川警部は捜査に乗り出すが、やがて第二、第三の殺人が!

小説の目次

  1. 雪山行
  2. 行方不明
  3. 新たな殺人
  4. 雪の舞台
  5. 作られた過去
  6. 罠をかける

冒頭の文

清水が、恋人の広田みや子と、スキーを楽しみに、志賀高原に向ったのは、二月六日だった。

小説に登場した舞台

  • 特急「白山1号」
  • 軽井沢駅(長野県・軽井沢町)
  • 長野駅(長野県長野市)
  • 湯田中駅(長野県・山ノ内町)
  • 志賀高原(長野県・山ノ内町)
  • 丸池スキー場(長野県・山ノ内町)
  • 特急「あさま13号」
  • 黒姫駅(長野県・信濃町)
  • 黒姫高原 スノーパーク(長野県・信濃町)
  • 一茶記念館(長野県・信濃町)
  • 小林一茶旧宅(長野県・信濃町)
  • 野尻湖(長野県・信濃町)
  • 湯田中温泉(長野県・山ノ内町)
  • 豊野駅(長野県長野市)
  • 飯網高原(長野県・飯綱町)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 清水新一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。恋人の広田みや子と志賀高原へスキーに出かける。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。

警察関係者

  • 望月:
    長野県警の警部。
  • 金村:
    長野県警の刑事。
  • 山本:
    野尻湖湖岸の派出所の巡査。
  • 佐々木:
    葉山警察署の巡査部長。
  • 橋本豊:
    私立探偵。元警視庁捜査一課の刑事で、十津川警部の元部下。

事件関係者

  • 広田みや子:
    24歳。S大学の4年生。清水刑事の恋人。三鷹のマンションに在住。丸池スキー場で何者かに射殺された。
  • 久保満:
    40歳。原宿にある貿易会社の社長。世田谷区経堂に在住。野尻湖畔に別荘をもつ。
  • 吉田みどり:
    25歳。クラブのホステス。久保満の女。新大久保のマンションに在住。野尻湖で水死体となって発見された。
  • 野口俊吾:
    30歳。世田谷区駒沢に在住。2年前、獲物と間違い誤って猟銃で五十嵐くみを射殺し、宮城刑務所に服役中。その後、刑期を終えて出所した。
  • 五十嵐くみ:
    当時29歳。カメラマン。元モデル。練馬区内に在住。2年前、野口俊吾に誤って射殺された。
  • 内藤克也:
    32歳。宮城刑務所を1ヶ月前に出所していた男。晴海埠頭に沈んでいた車の中で死体となって発見された。
  • 大乃木明:
    25歳。久保満の用心棒。一茶記念館前の広場で死体となって発見された。
  • 堀田幸枝:
    五十嵐くみの高校時代の同級生。北品川にある輸入品雑貨店を営む。夫の堀田は2年前に死亡した。

その他の登場人物

  • 堀越冴子:
    広田みや子の友人。
  • 新田:
    西新宿にあるKN金融の責任者。
  • 高木:
    飯網高原に住む老人。猟友会の会長。
  • 平川:
    久保満の顧問弁護士。
  • 金森:
    カメラマン。
  • 仁科:
    32歳。カメラマン。
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印象に残った名言、名表現

■黒姫伝説。

黒姫伝説は、戦国時代、若侍に化けた大蛇が、城主高梨政頼の娘、黒姫に恋をした話である。二人は結ばれたが、蛇と知って、姫が嘆き悲しむ。それを見て、大蛇は、わが身を嘆き、姫と一緒に自害して果てる。二人の死んだ山が、のち、黒姫山と呼ばれるようになった。

感想

本作は、清水刑事の恋人が志賀高原にあるスキー場で射殺されたという、衝撃的な事件からスタートする。警視庁捜査一課の刑事で、十津川班に所属する清水刑事は、西本刑事や日下刑事ほど、目立つ存在ではなく、彼のプライベートに関する描写があまりなかった。

そのため、今回の作品は、清水刑事の人間的な奥行きを知る上で、面白い作品だったと思う。

事件については、2年前、犯人たちがサラ金と偽ブランドの会社を作ったことに端を発する。真犯人は物語の前半でほぼ絞られているが、証拠もなく決めてもない。

ここから、十津川警部が中心になって、犯人を少しづつ追い詰めていくのが、本作のメインになる。

ヒタヒタと犯人に迫り、最後は罠を張って一気に仕留める。この流れが素晴らしい。

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