〈景品表示法に基づく表記〉当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

「南伊豆高原殺人事件」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

南伊豆高原殺人事件小説

初版発行日 1985年8月31日
発行出版社 徳間書店
スタイル 長編

私の評価 4.3

POINT】
吉田興業が募集した「ミスター・ミス吉田」募集企画。殺人事件とどんな関係があるのか?その意外な真相とは??どんでん返しにつぐ、どんでん返し。
スポンサーリンク

あらすじ

東京・神宮外苑と神奈川県・平塚で発生した二件の婦女暴行殺人事件の手がかりはB型の血液型と輸入車のスポーツカー。十津川と亀井の必死の捜査をあざ笑うかのように第三の事件が起こった!三年前に大阪で起きた連続殺人事件と関連して、予想外の展開を見せ始めるが……。

なぜ、吉田興業は、「ミスター・ミス吉田」の募集をしたのか?

小説の目次

  1. 伊豆への招待
  2. 伊豆下田
  3. 第三の被害者
  4. 賞金
  5. 追跡
  6. 写真集
  7. 新たな犯罪
  8. 追跡への旅

冒頭の文

凶悪な事件に追われていると、刑事は、テレビはおろか、新聞に眼を通す余裕もなくなってくる。

小説に登場した舞台

  • 特急踊り子号
  • 平塚駅(神奈川県平塚市)
  • 伊豆急下田駅(静岡県下田市)
  • 寝姿山(静岡県下田市)
  • 下田開国博物館(静岡県下田市)
  • 邪宗門(静岡県下田市)
  • 蓮台寺温泉(静岡県下田市)
  • 南伊豆高原(静岡県・南伊豆町)
  • 小田原(神奈川県小田原市)
  • 新大阪駅(大阪府大阪市淀川区)
スポンサーリンク

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 田中大輔:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 清水新一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 本多時孝:
    警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。
  • 三上本部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 星野:
    神奈川県警の警部。
  • 三浦:
    大阪府警の警部。
  • 新田:
    警視庁初動捜査班の警部。
  • 城戸:
    静岡県警の警部。
  • 若宮:
    36歳。警視庁の警部。ワシントンに留学中。

吉田興業の関係者

  • 吉田信一郎:
    吉田興業の社長。
  • 吉田信一:
    吉田信一郎の長男。吉田興業の副社長。
  • 吉田悠二:
    24歳。B型。吉田信一郎の次男。カメラマン。
  • 林邦夫:
    24歳。カメラマン。B型。吉田悠二の大学の同級生。
  • 吉田圭吾:
    吉田興業本社の企画部長。
  • 田中:
    吉田興業の社員。
  • 小柴祐一郎:
    吉田興業の顧問弁護士。

事件関係者

  • 柴田久美:
    新宿歌舞伎町にある風俗店に勤務。神宮外苑の片隅に停めてあった車の中で殺されていた。
  • 新井ユキ:
    19歳。横浜の風俗店に勤務。平塚の海岸で絞殺体で発見された。
  • 古賀英生:
    24歳。フリーター。B型。シナリオライター志望。ミスター・ミス吉田の候補者の一人。
  • 荒木由美:
    24歳。A型。ミスター・ミス吉田の候補者の一人。
  • 木下徹:
    24歳。フリーター。デザイナー志望。ミスター・ミス吉田の候補者の一人。
  • 中井マリ:
    女優志望。ミスター・ミス吉田の候補者の一人。
  • 市村和子:
    16歳。高校1年生。二子玉川の河原で殺されていた。
  • 久島武夫:
    三鷹にある久島歯科医院の医師。林邦夫の治療をしたことがある。
  • 畠山:
    和歌山市郊外にある畠山病院の院長。5年前、林邦夫が入院した病院。
  • 白坂:
    畠山病院の事務長。

その他の登場人物

  • ジュリ:
    新宿歌舞伎町のスナック「カクタス」のホステス。
  • 柴田文代:
    柴田久美の母親。水戸市在住。
  • 青木俊介:
    シナリオライター。古賀英生の先輩。
  • 秋山:
    古賀英生の友人。
  • 荒木君子:
    荒木由美の母親。
  • 杉本ゆみ子:
    20歳。無職。資産家の娘。外国製のスポーツカーに乗った男に声をかけられた女性。
  • 阿井ゆきお:
    25歳。漫画家。
  • 小山:
    品川にある中田総合病院の外科医。
  • 青山:
    23歳。新人カメラマン。
  • 塚本:
    N商社の社員。十津川警部の友人。
  • セシリア:
    塚本の妻。スイス人。

印象に残った名言、名表現

(1)昔は、湘南の海も、きれいだった。

十津川は、学生時代、よく、湘南の海で泳いだことを思い出した。二十年も前のことである。あの頃の湘南の海は、少しずつ汚れていてはいたが、沖へ出れば、泳ぐ自分の手足が、はっきりと見せるぐらいには、澄んでいた。今の湘南の海は、どうなのだろう?

(2)被害者の両親のことを考える。

十津川も、暗い気持ちになっていた。
きっと、彼女は、この母親にとっても、父親にとっても、自慢の娘だったに違いないのだ。美しく、聡明で。

(3)何かわかりそうで、わからない。わからなけいど、何かがある。

「何か、こう、ぼんやりした犯人像が、浮んで来ているんですが、どうも、はっきりしません」

感想

本作は、神宮外苑と平塚で起きた、連続婦女暴行殺人事件が発端。犯人を示すヒントは、血液型がB型であること、外国製のスポーツカーに乗っていたことである。

ここから、十津川警部たちの捜査がスタートしていく。

また、事件と並行して、吉田興業が広告を出して募集した、「ミスター・ミス吉田」を決めるイベントが開かれる。5000人の応募者の中から、候補を男女10人ずつに絞り、最終候補者を南伊豆への4泊5日の旅行の中で、決めようというものだ。

このイベントで、ミスター・ミス吉田が選出されるが、このイベントが、事件とどう関係してくるのか?ここが大きなポイントになる。事件解決の肝でもあるのだ。

この先の展開を、ここで明かすことはできないが、恐らく、物語の中盤くらいで、「こいつが犯人ではないか?」と思われる人物が登場する。だが、この容疑者が、死んでしまうのだ!

ここらは、とにかくすごい!どんでん返しにつぐ、どんでん返し。最後の最後、事件の全体像と真犯人がわかったとき、あまりにも意外な事件に驚くはずだ。

コメント