初版発行日 1985年6月20日
発行出版社 光文社
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
駅シリーズ第2弾!駅構内の構造を熟知した犯人と、その犯行動機を、十津川警部の推理が追いつめる!!
駅シリーズ第2弾!駅構内の構造を熟知した犯人と、その犯行動機を、十津川警部の推理が追いつめる!!
あらすじ
また浮浪者が殺された!上の駅周辺での三人目の被害者だった。いずれも青酸中毒死。十津川警部、亀井刑事らは対策に苦しむ。そして「八千万円を用意せよ K」との脅迫状が駅長のもとへ!金銭授受の一瞬に逮捕を賭けた十津川はその要求をのんだ。が、上野駅構内の盲点をまんまとつかれ、犯人は逃走。新幹線開通の日を迎え、事態は白熱する!
小説の目次
- 眠らない駅
- 犯人像
- 新たな事件
- バイクタウン
- 移送
- 三月十四日
- 新たな要求
- 偽装の会議
- キヨスク
冒頭の文
内勤助役の沼田は、構内に蛍の光のテープが流れるのを聞きながら、1・2番線ホームに向かって急いだ。
小説に登場した舞台
- 上野駅(東京都台東区)
- 白河駅(福島県白河市)
- 吉原(東京都台東区)
- 御徒町(東京都台東区)
- 大宮駅(埼玉県さいたま市大宮区)
- 秋保温泉(宮城県仙台市太白区)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 田中大輔:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 清水新一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 桜井:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 古賀:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。
国鉄関係者
- 沼田:
上野駅の内勤助役。 - 鈴木:
上野駅の内勤助役。 - 堀井:
上野駅の駅長。 - 細木:
上野駅の主席助役。 - 山崎:
上野中央鉄道公安室の室長。 - 小山:
特急「ざおう1号」の専務車掌。 - 田中:
特急「ざおう1号」の車掌長。 - 吉見:
白河駅の助役。
事件関係者
- 勝ちゃん:
上野駅を寝床にする浮浪者。上野駅で死体となって発見された。 - 花巻:
上野駅を寝床にする浮浪者。上野駅で何者かに殺害される。 - 安藤晋一郎:
52歳。上野駅を寝床にする浮浪者。能登の出身。傷害の前科あり。上野駅前の映画館前で何者かに殺害される。 - 安部みどり:
23歳。OL。山形出身。特急「ざおう1号」の車内で何者かに殺害される。 - 浜中英明:
21歳。上野のバイクタウンにある「有田モーターズ」の従業員。浅草のアパートに在住。 - 香取ゆき:
元吉原のホステス。浜中英明の恋人。千束町のマンションに在住。塩釜出身。 - 朝倉浩一郎:
AB交易の取締役。言問橋近くのマンションに在住。上野駅で爆発が起きて死亡した。 - 原田義兼:
ドヤ街に住む男。不忍池近くの映画館で服毒死する。 - 里見ケイ子:
歌手。滝川プロダクションに所属。 - 滝川:
滝川プロダクションの社長。 - 冬木泰造:
代議士。元運輸政務次官。 - 内藤徹:
42歳。上野駅近くにある模型店の店主。 - 有田伸子:
下町のメッキ工場に勤務。内藤徹の恋人。
その他の登場人物
- 仁科:
浅草雷門のK病院の医師。 - 山下ともえ:
田原麻里にある焼き鳥屋「菊乃」の女将。 - 北上:
上野駅を寝床にする浮浪者。 - 久野:
特急「ざおう1号」に乗車していた医師。 - 西川文子:
60歳。特急「ざおう1号」の車内で安部みどりの前に座っていた乗客。 - 中村太一郎:
35歳。浅草田原町にある中村そば店の店主。 - 長田:
40歳。上野広小路にある長田商事の社長。
感想
2021年現在、駅シリーズは9作品が刊行されている。
- 東京駅殺人事件(1984年)
- 上野駅殺人事件(1985年)←本作
- 函館駅殺人事件(1986年)
- 西鹿児島駅殺人事件(1987年)
- 札幌駅殺人事件(1988年)
- 長崎駅殺人事件(1991年)
- 仙台駅殺人事件(1995年)
- 京都駅殺人事件(2000年)
- 新・東京駅殺人事件(2014年)
十津川警部【駅シリーズ】おすすめランキング!
今回は十津川警部シリーズを500作以上読んだわたしがおすすめする、駅シリーズおすすめランキングを紹介します。
本作は、第2作である。
作品タイトルからもつ期待感とおり、上野駅がメイン舞台になっており、上野駅と上野駅周辺でさまざまな事件が起こっていく。
この作品は1985年に刊行されたものであるので、大規模リニューアル前の上野駅を描いたものであり、古き良き時代の上野駅が感じられた。また、下町であり、ドヤ街も近くにあるこの街の雰囲気、この辺りに住む人々の雰囲気もよく描かれたと思う。
事件については、犯人像も二転三転し、後半から一気にスピードアップするところも良かった。
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