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「知多半島殺人事件」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

知多半島殺人事件小説

初版発行日 1999年1月25日
発行出版社 実業之日本社
スタイル 長編

私の評価 4.5

POINT】
部下の命を狙う謎の男の正体は!?十津川警部を襲う連続爆弾テロ事件!
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あらすじ

西本刑事は婚約者と長島温泉に泊まった。翌朝、二人が借りたレンタカーが何者かに爆破され、ボーイが死亡。部屋に「必ず殺してやる」という脅迫の電話が。犯人は西本か警察に恨みを持ち、復讐を狙っているのか。そして次々と襲撃事件がおこり、十津川警部が捜査に乗り出した!

小説の目次

  1. 不安への旅立ち
  2. 死体が誘う
  3. 姿なき共犯者
  4. 六月二日
  5. 海岸の狙撃
  6. 噂の真実
  7. 決戦

冒頭の文

西本刑事は、大学の先輩の紹介で、四谷のホテルで、見合いをした。

小説に登場した舞台

  • 名古屋駅(愛知県名古屋市中村区)
  • 長島温泉(三重県桑名市)
  • 井の頭公園(東京都武蔵野市)
  • 京王多摩川(東京都調布市)
  • 秋保温泉(宮城県仙台市太白区)
  • 羽田空港(東京都大田区)
  • 那覇空港(沖縄県那覇市)
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登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 田中大輔:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 片山明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 本多時孝:
    警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 中村:
    30歳。井の頭公園派出所の巡査部長。公園内の死体を調べていたところ爆弾が爆発して死亡する。
  • 小野:
    23歳。井の頭公園派出所の巡査。
  • 三浦:
    三鷹署の刑事。
  • 田沢:
    警視庁爆発物処理班。
  • 中村:
    化研の技官。
  • 鈴木:
    南烏山派出所の巡査部長。
  • 原田:
    南烏山派出所の巡査。
  • 三浦:
    宮城県警捜査一課の警部。村瀬正一郎の捜査で十津川班に協力した。秋保温泉で事件の捜査をしている最中に、何者かに撃たれて死亡した。
  • 吉田:
    宮城県警捜査一課の刑事。村瀬正一郎の捜査で十津川班に協力した。
  • 青山:
    宮城県警の刑事。
  • 本田:
    三重県警の刑事。
  • 中西:
    三重県警の刑事。
  • 十津川直子:
    十津川警部の妻。
  • 亀井公子:
    亀井刑事の妻。
  • 木原亜矢:
    23歳。銀座の矢田法律事務所で事務員をしている。西本刑事の見合い相手。愛知県常滑市出身。
  • 田島:
    中央新聞社会部の記者。十津川警部の大学時代の同級生。

事件関係者

  • 原口悠:
    19歳。長島温泉ホテルHのボーイ。大学生。レンタカーに仕掛けられた爆弾で死亡する。
  • 大森:
    長島温泉ホテルHのボーイ。
  • 柴田治男:
    59歳。鳥取県出身。前科持ちのホームレス。井の頭公園で死体となって発見された後、爆発で身体が吹き飛んだ。
  • 村瀬正一郎:
    自衛隊OB。3年前の夏、練馬区の爆弾魔の犯人と思われた男。十津川班が逮捕しようとしたところ、自宅で爆弾を爆発させ死亡した。
  • 村瀬明:
    村瀬正一郎の弟。元自衛隊。
  • 日比野真:
    40歳。長島温泉近くの自転車屋の主人。海岸で釣りをしていたところ、何者かに撃たれて死亡した。
  • 中根由美:
    当時17歳。都内の高校3年生。3年前、西本刑事が逮捕した事件で、人質になり死亡した。
  • 中根正三:
    42歳。中根由美の父親。陸上自衛隊に勤務していたが、去年の12月に退職。いまは大垣に戻っている。

その他の登場人物

  • 矢田:
    木原亜矢が勤める法律事務所の社長弁護士。元東京地検の検事。
  • 吉沢真也:
    29歳。タレント。
  • 井手:
    週刊Kの編集長。
  • 内村:
    原口悠と同じ大学に通う大学生。
  • 長谷川:
    新宿にあるS組の幹部。
  • 剣持進:
    26歳。西本刑事の大学時代の友人。2年前、殺害容疑で西本刑事が逮捕した。その後服役したが、1週間前に出所。
  • 佐藤:
    西本刑事の大学時代の同級生。三鷹市に在住。
  • 神木:
    陸上自衛隊朝霞駐屯地の二佐。
  • 森田:
    文章の専門家。
  • 笠井君枝:
    35歳。主婦。警視庁主催のバザーに参加していた。

印象に残った名言、名表現

(1)春の知多半島。

時々、眼に入ってくる桜は、満開だった。中には、もう葉桜になってしまっているものもある。今年は、暖冬だったので、桜の開花も早くなっているのだろう。

(2)刑事の習性。

おかしなもので、自分のことは、あまり、心配にならないのに、他人のことは、やたらに、気になるのだ。

感想

今回は、警視庁捜査一課、十津川班に恨みをもった男が起こした、連続殺人事件である。

普段は捜査する側の刑事たちが狙われる。ここにものすごい緊張がある。自分たちと家族を守りながら、犯人を捕まえなければならないからだ。

これまで数多くの事件を解決してきた十津川班。当然、多くの人に恨みをかっており、犯人の断定が難しい。これに対して、警察側は、いつ、誰が、どうやって狙われるかもわからない。テロと同じなのである。

敵の姿がみえないところに、恐怖感がある。本作は、全体を通じて、この得体の知れない恐怖と緊張感に、包まれていた。

最後は、100名以上の刑事を動員した大捜査線がひかれる。敵が罠をしかけ、十津川警部も罠をしかける。

息詰まる心理戦が堪能できる。

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