初版発行日 1986年11月10日
発行出版社 新潮社
スタイル 短編集
私の評価
列車トリックをふんだんに使ったトラベル・ミステリー!
あらすじ
1.十津川警部の孤独な捜査
「君に、内密に、やって貰いたい仕事があるんだよ」三上刑事部長から呼ばれ、いきなり言われた十津川は面くらった。羽島国務大臣が何者かに脅迫されているという噂があるらしい。羽島は内閣の提出した法改正案や総理の発言に反対するという失言を重ねていた。噂の真偽を探るため羽島の故郷・鳥取へ極秘裏に向かった十津川が掴んだ意外な真実とは?
2.青に染まった死体
短編集「湘南情死行」に収録。下記を参照↓↓
→「湘南情死行」
3.君は機関車を見たか
田園調布に住む会社社長・星野健一郎の息子、星野勇14歳が何者かに誘拐された。この少年は東京中央新聞の素人写真投稿企画「私たちの傑作写真」で2位に選ばれた作品について、「撮られた場所が違う」と異議の手紙を送ってきていた。少年は写真の嘘を指摘したから誘拐されたのか?
4.大垣行345M列車の殺意
短編集「哀愁のミステリー・トレイン」に収録。下記を参照↓↓
小説に登場した舞台
1.十津川警部の孤独な捜査
- 東京駅(東京都千代田区)
- 羽田空港(東京都大田区)
- 鳥取砂丘コナン空港(鳥取県鳥取市)
2.青に染まった死体
短編集「湘南情死行」に収録。下記を参照↓↓
→「湘南情死行」
3.君は機関車を見たか
- 田園調布(東京都大田区)
- 丸子多摩川(東京都大田区)
- 福岡空港(福岡県福岡市博多区)
- 博多駅(福岡県福岡市博多区)
- 鳥栖駅(佐賀県鳥栖市)
- 中原駅(佐賀県・みやき町)
- 西鹿児島駅(鹿児島県鹿児島市)
- 特急「にちりん」
- 宮崎駅(宮崎県宮崎市)
- 別府駅(大分県別府市)
- 小倉駅(福岡県北九州市小倉北区)
- 東京駅(東京都千代田)
4.大垣行345M列車の殺意
短編集「哀愁のミステリー・トレイン」に収録。下記を参照↓↓
登場人物
1.十津川警部の孤独な捜査
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。 - 北島:
鳥取県警の刑事。 - 十津川直子:
十津川警部の妻。 - 中井:
首相。 - 藤堂:
官房長官。元警視庁総監。 - 羽島勝行:
50歳。国務大臣。中井の大学の後輩。 - 青木:
革新党の議員。 - ゆき:
鳥取県S市にある旅館「蒼風荘」の仲居。 - 木原圭吾:
32歳。羽島勝行の後援会で働いていた。鳥取県S市にある漬物屋の主人。四谷のNホテルで死体となって発見された。 - 新井貢:
鳥取県S市の市長。 - 三浦俊一:
鳥取県S市にあるタクシー会社の専務。羽島勝行の親戚。 - 伊東俊一郎:
2年前、鳥取県S市で何者かに殺害された。 - 笠間:
笠間医院の医師。 - 王竜:
芸者。 - 安藤武彦:
35歳。鳥取県S市在住の男。
2.青に染まった死体
短編集「湘南情死行」に収録。下記を参照↓↓
→「湘南情死行」
3.君は機関車を見たか
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。 - 木下:
神奈川県警の警部。 - 西野:
カメラマン。「私たちの傑作写真」の選者。 - 前原徹:
新宿西口にあるS物産に勤務。「私たちの傑作写真」で2位を受賞した。 - 佐藤:
東京中央新聞社会部のデスク。 - 青木:
東京中央新聞の記者。 - 星野健一郎:
42歳。会社社長。田園調布に在住。 - 星野優子:
星野健一郎の妻。 - 星野勇:
14歳。星野健一郎の息子。何者かに誘拐される。その後、丸子多摩川の河原で死体となって発見された。 - 青山ゆう子:
S物産の社員。 - 加藤ユキ:
新橋にあるクラブのホステス。横浜市緑区のマンションに在住。5月に自宅マンションから転落死した。 - 弓岡潔:
鉄道評論家。
4.大垣行345M列車の殺意
短編集「哀愁のミステリー・トレイン」に収録。下記を参照↓↓
感想
本作は4つの作品を収録した短編集である。
「十津川警部の孤独な捜査」は、鳥取県にある架空の町・S市が舞台。刑事部長の密命をうけて、自分が刑事である身分を隠しながら、十津川警部が政治家の裏側を探るというストーリーであった。警察に交流されて、暴力的な尋問をうける場面などは、まるでドラマを見ているような臨場感があった。
「君は機関車を見たか」は、写真の嘘と列車トリックを暴くため、十津川と亀井が九州を一周する執念が光った作品だった。
最後に、西村京太郎先生のことばを紹介しておこう。
毎日、日本中を走り廻っている列車は、それぞれの役目を持っている。もっぱら地元の人々の足となっているローカル線もあれば、観光のためのイベント列車もある。
時間帯によって、同じ列車が、性格や役目を変えることもある。昼間は観光列車が多い新幹線も、朝夕は遠距離通勤客が利用するし、東京駅最終の「ひかり」は、「シンデレラ・エキスプレス」と呼ばれて、恋人たちの別れの舞台になる。
表題の「大垣行345M列車」が、果たして、どんな性格と役目の列車かは、ぜひ、読んで、楽しんでください。
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