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十津川警部「南紀・陽光の下の死者」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

南紀・陽光の下の死者小説

初版発行日 2009年10月21日
発行出版社 小学館
スタイル 長編

私の評価 3.0

POINT】
事件は広がりを見せ、ついに十津川警部の登場となる。幾多の作品舞台となった南紀で起きた事件の結末は……。
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あらすじ

東京池袋署の刑事・伊熊刑事は億万長者未亡人殺人事件捜査で独断専行が目立ち、上司から非番を命じられ、故郷の南紀白浜へ旅立ったが、途中、紀勢本線特急「くろしお十九号」車内で、ひょんなことから知り合った東京中央エレクトリック企画課長・白川健一郎が南紀白浜の美しい浜辺白良浜で何者かに殺された現場に居合わせる。この桃源郷のような浜辺を血で汚したのは誰か。

このローカルな事件が急転、伊熊刑事が関わっていた東京の未亡人殺人事件とリンクしてゆく。美貌の未亡人の名は立花康子。死んだ大手企業社長から莫大な遺産を手にした彼女は数々の浮名を流し、スキャンダルの女王の名をほしいままにする。群がる男たち。彼女の過去をたどると、なんと今や廃墟と化した白浜の豪華ホテルの歴史に行き着く。

小説の目次

  1. 孤独な砂浜
  2. 白いパラソルの下
  3. 女一人
  4. 例のホテル
  5. 十津川警部
  6. 新展開
  7. 終章

冒頭の文

伊熊武敏は、今年で五十歳。池袋警察署の刑事である。

小説に登場した舞台

  • 東京駅(東京都千代田区)
  • 新大阪駅(大阪府大阪市淀川区)
  • 特急「くろしお号」
  • 白浜駅(和歌山県・白浜町)
  • 白良浜(和歌山県・白浜町)
  • 串本駅(和歌山県・串本町)
  • 関西国際空港(大阪府泉佐野市)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 伊熊武敏:
    50歳。池袋警察署の刑事。億万長者未亡人殺人事件捜査を追っていたが捜査から外される。
  • 金田:
    和歌山県警の警部。
  • 松本由美:
    28歳。和歌山県警の刑事。
  • 柳田:
    大阪府警の警部。

事件関係者

  • 白川健一郎:
    38歳。東京中央エレクトリックの企画課長。世田谷区成城に在住。白良浜で死体となって発見された。
  • 黒柳裕子:
    六本木のクラブ「裕」のママ。白川健一郎の愛人。白浜で運転中、トラックと衝突し負傷した。
  • 立花傭子:
    35歳。女優。亡くなった東京中央エレクトリック・朝倉秀之の妻。1ヶ月前、池袋で何者かに殺害された。
  • 朝倉秀彦:
    東京中央エレクトリックの現社長。朝倉秀之の息子。
  • 桜井弘之:
    70歳。芸能プロダクション「桜井興業」の社長。
  • 桜井亮介:
    35歳。桜井弘之の息子。芸能プロダクション「桜井興業」の副社長。
  • 尾崎洋一:
    TDコスモスの社長。南紀白浜のホテルダイヤモンドを買収した。
  • 井上賢一:
    33歳。15年前、南紀白浜で友人の後藤克之を殺害したが、未成年かつ初犯だったため、執行猶予付きの判決を受けた男。現在はアメリカ在住でトーマス近藤と名乗っている。

その他の登場人物

  • 伊熊由美子:
    伊熊武敏の妻。
  • 田中:
    東京中央エレクトリックの人事部長。
  • 小田香織:
    白川健一郎の妻。東京中央エレクトリックの管理部長の娘。
  • 藤野:
    KR不動産白浜支店の支店長。
  • 水沢進:
    32歳。白浜の運送会社のトラック運転手。黒柳裕子の車と衝突した。
  • 渡辺勇太郎:
    40歳。俳優。
  • 小野塚敏子:
    東京八重洲にあるジャパンサイトの広報部長。
  • 安藤幸二郎:
    東京八重洲にあるジャパンサイトの副社長。
  • 花村雄一:
    『現代のヒーロー 尾崎洋一』の著者。
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感想

本作は、作品の全体像というか構想はワクワクさせるものだった。

一匹狼の刑事が殺人事件の捜査から外され、休暇扱いで訪れた故郷の南紀白浜で、殺人事件に巻き込まれる。なんとこの事件は、刑事が東京で追っていた事件とつながっていた。そして、この刑事は和歌山県警と協力しながら、捜査することになる。

今回の事件の根は、15年前に南紀白浜で起きた殺人事件が根本にあり、15年前の事件と現在の事件もリンクしてくる。いよいよ、事件が煮詰まってきたときに、十津川警部が登場し、事件解決に向かう。

大まかにいえば、こんな感じのストーリーであった。

ただし、本作は、一つ一つがあっさりしており、事件の解決の章も性急に終わらせてしまった感じなのである。バタバタっと終わってしまったので、あまり、余韻に残る作品ではなかった。ここが残念である。

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