初版発行日 2014年4月30日
発行出版社 文藝春秋
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
前代未聞、クイズ付きミステリー!賞金1,000万円のクイズ大会に挑む男女を、巧妙な罠が待ち受ける。東京駅から神戸、有馬温泉、洋上へと舞台が移り変わるノンストップ・ミステリー。
前代未聞、クイズ付きミステリー!賞金1,000万円のクイズ大会に挑む男女を、巧妙な罠が待ち受ける。東京駅から神戸、有馬温泉、洋上へと舞台が移り変わるノンストップ・ミステリー。
あらすじ
製菓メーカー主催のクイズ大会に参加したものの、優勝候補の不自然な脱落を怪しむ探偵の橋本。その背後を探り始めた十津川警部にも危機が迫るー。
小説の目次
- 東京駅
- クイズの裏側
- 四人目の脱落者
- 最後のクイズ
- 殺される理由
- 想像の果て
- 最終ターゲット
冒頭の文
私立探偵の橋本豊は、ここ一か月ほど、仕事がなかった。
小説に登場した舞台
- 東京駅(東京都千代田区)
- 東京ステーションホテル(東京都千代田区)
- 新神戸駅(兵庫県神戸市中央区)
- 人と防災未来センター(兵庫県神戸市中央区)
- 若松公園(兵庫県神戸市長田区)
- 神戸三田プレミアム・アウトレット(兵庫県三田市)
- 有馬温泉(兵庫県神戸市北区)
- メリケンパーク(兵庫県神戸市中央区)
- 新大阪駅(大阪府大阪市淀川区)
- 帝国ホテル東京(東京都千代田区)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
警察関係者
- 野田:
成城警察署生活安全課の刑事。 - 早川:
神奈川県警の刑事。
OK製菓
- 黒川修:
60歳。クイズ番組のスポンサーになったOK製菓の社長。渋谷区松濤に在住。 - 富田正信:
OK製菓の個人秘書。 - 渡辺:
OK製菓の業務課長。 - 相沢誠:
52歳。OK製菓の副社長。 - 会田:
OK製菓の秘書。
クイズ大会参加者
- 橋本豊:
私立探偵。元警視庁捜査一課の刑事で十津川警部の元部下。 - 小野寺恵美子:
29歳。看護師。 - 剣崎誠:
35歳。千歳烏山駅前で喫茶店「カフェふたり」を夫婦で営む。 - 三浦正樹:
大学生。 - 矢尾板正:
東京に住むサラリーマン。 - 磯村みゆき:
25歳の女性。 - 青田大輔:
35歳。赤坂にあるステーキハウスのオーナー。
その他の登場人物
- 剣崎沙織:
30歳。剣崎誠の妻。 - 山崎由梨:
三浦正樹と同じ大学に通う大学生。三浦正樹と親しくしていた。 - 佐々木:
私立探偵。橋本豊の知り合い。 - アントニオ・ケリー・浅野:
日本人とフィリピン人のハーフ。殺し屋。 - 木下:
木下菓子の社長。2月に事故死している。
印象に残った名言、名表現
■鉄人28号で有名な、神戸市長田区の若松公園。
鉄人28号は、足を踏ん張り、右拳を天に突き上げている。説明によると、鉄人28号の原作者である横山光輝は、長田区で少年時代を過ごしていたので、ここに鉄人28号が作られたのだという。
感想
本作は、作中にクイズ問題がついた、異色のミステリーである。
具体的には、次のクイズが出題され、その回答も用意されている。
- 東京駅の歴史に関するクイズ10問
- 神戸の歴史に関するクイズ10問
- 現在の神戸に関するクイズ10問
- 兵庫県の歴史や兵庫にまつわる人物などに関するクイズ10問
かなり、マニアックな問題ばかりなので、自身のある人はぜひチャレンジしてもらいたい。
本作は、製菓メーカー「OK製菓」主催のクイズ大会に、橋本豊らが参加したことが発端となっている。ミステリー小説なので、このクイズ大会が、何らかの作為、とくに犯罪に関する作為が働いていることは、容易に想像がつくだろう。
だが、この作為には、二重の罠がしかけられている。
「クイズ大会の開催意図は、Aだと思わせて、実はBだった」というパターンである。真の目的であるBは、驚くべきものだった。おそらく、誰も想像がつかないと思う。
最後、犯人と十津川警部が廃工場で対峙するシーン。往年の十津川警部シリーズを彷彿とさせるような、緊張感あふれる名シーンだったと思う。
コメント