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「愛の伊予灘ものがたり 紫電改が飛んだ日」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

愛の伊予灘ものがたり 紫電改が飛んだ日小説

初版発行日 2020年11月13日
発行出版社 実業之日本社
スタイル 長編

私の評価 2.2

POINT】
幻の戦闘機の謎を追った男はなぜ殺されたのか?四国松山で十津川警部が解き明かす驚きの真相とは!?
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あらすじ

雑誌取材のため、四国・松山駅から出発する観光列車「伊予灘ものがたり」に乗り込んだ編集者の新見は、車窓から海に向かい祈る老女・金子ハルに興味を抱いた。太平洋戦争敗戦の翌日8月16日、ハルが愛した航空兵が当時最新鋭の戦闘機・紫電改で伊予灘を飛び立ったという。しかし、彼女以外、誰もその飛行を見た者はいなかった…この謎に迫るため取材を続けていた新見が死体で発見され、十津川警部が捜査を開始するが―。

小説の目次

  1. 愛の伊予灘
  2. 紫電改の誕生
  3. 空と海の特攻
  4. 山奥の小集落

冒頭の文

雑誌編集者の新見克彦は、松山から観光列車「伊予灘ものがたり」に乗るつもりでいる。

小説に登場した舞台

  • 松山駅(愛媛県松山市)
  • 観光列車「伊予灘ものがたり」
  • 下灘駅(愛媛県伊予市)
  • 八幡浜駅(愛媛県八幡浜市)
  • ふたみシーサイド公園(愛媛県伊予市)
  • 鹿児島中央駅(鹿児島県鹿児島市)
  • 鹿屋航空基地史料館(鹿児島県鹿屋市)
  • 鹿児島空港(鹿児島県霧島市)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 田中大輔:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

事件関係者

  • 新見克彦:
    36歳。「歴史日本」社の編集者。鉄道マニア。四谷三丁目のマンションに在住。自宅で死体となって発見された。
  • 金子恵子:
    51歳。松山市内にある「うどんとコーヒーの店」の女将。
  • 金子ハル:
    93歳。娘夫婦が営む「うどんとコーヒーの店」を手伝っている。
  • 村松英樹:
    70歳。郷土史家。松山市内に在住。
  • 後藤文樹:
    西新宿にある後藤商事の社長。
  • 後藤文彦:
    後藤商事の会長。太平洋戦争時代、海軍特攻隊の参謀だった後藤参謀の息子。
  • 柴崎英利:
    60歳。御茶ノ水にあるF大学の助教授。現代史が専門。横須賀に在住。
  • 小笠原邦夫:
    50歳。私立探偵。元警視庁の刑事。
  • 柏木圭介:
    柏木次郎の息子。
  • 柏木明子:
    柏木圭介の妻。

その他の登場人物

  • 山田:
    鹿屋航空基地史料館の管理者。
  • 中西:
    「歴史日本」社の編集長。
  • 古澤京子:
    25歳。「歴史日本」社の編集者。
  • 小田島功:
    24歳。F大学の学生。柴崎英利の助手。
  • 佐伯一也:
    『特攻に反対した人たち』の著者。
  • 高橋晋介:
    90歳。桜島のS村に在住の老人。
  • 藤本洋介:
    100歳。終戦の時、新聞社でカメラマンをしていた老人。
  • 米田:
    中央新聞経済部の記者。
  • 水原:
    Rテレビのスタッフ。
  • 橋本豊:
    私立探偵。元警視庁捜査一課の刑事で、十津川警部の元部下。
  • 田島:
    中央新聞社会部の記者。十津川警部の大学時代の同級生。
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感想

本作は、太平洋戦争時代のエピソードが事件の根幹にある、歴史組み込み型ミステリー作品である。近年の十津川警部シリーズの一つの王道パターンでもある。

こうした太平洋戦争時代のエピソードを十津川警部シリーズで描くのは無理があるという意見が多いし、私もそう思う。だが、西村京太郎先生は、ミステリーについては描き尽くしたので、今は歴史作品を描きたいのだと思う。出版社の要望との兼合いで、仕方なく十津川警部シリーズという形で歴史を描くという、妥協案をとっているのだと、そう信じたい。

ただし、本作は、愛媛県の松山や下灘、鹿児島などが登場するので、旅情も少しは感じられる作品であった。

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