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「南紀殺人ルート」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

南紀殺人ルート小説

初版発行日 1986年4月15日
発行出版社 講談社
スタイル 長編

私の評価 4.1

POINT】
容疑者の鉄壁のアリバイに挑む十津川警部らの執念は?
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あらすじ

和歌山駅前のホテルで大阪の弁護士・安藤英夫が殺害された。県警の春木警部は、安藤と釣りに行く約束で東京から来たという真田誠に不審を抱くが、翌日、その真田が串本で刺殺される。調査を要請された十津川警部は、安藤と真田が、一年半前のサギ事件を演じた四人組のうちの二人であることを突きとめ、その事件で自殺した夫婦の一人息子・畑山恵に疑惑を向けるが、畑山には完璧なアリバイが……。

小説の目次

  1. 和歌山
  2. 南紀・串本
  3. 伊勢線・河芸駅
  4. 合同捜査会議
  5. 殺しへのバイパス
  6. 第二の壁へ
  7. 夢の島
  8. 最後の旅

冒頭の文

南紀への入口、和歌山市には、二つの駅がある。

小説に登場した舞台

  • 和歌山駅(和歌山県和歌山市)
  • 串本駅(和歌山県・串本町)
  • 串本海中公園(和歌山県・串本町)
  • 河芸駅(三重県津市)
  • 新大阪駅(大阪府大阪市淀川区)
  • 天王寺駅(大阪府大阪市天王寺区)
  • 吉野口駅(奈良県御所市)
  • 王寺駅(奈良県・王寺町)
  • 特急「くろしお28号」
  • 新宮駅(和歌山県新宮市)
  • 特急「南紀2号」
  • 津駅(三重県津市)
  • 東一身田駅(三重県津市)
  • 中瀬古駅(三重県鈴鹿市)
  • 四日市駅(三重県四日市市)
  • 名古屋駅(愛知県名古屋市)
  • 東京駅(東京都千代田区)
  • 大島(和歌山県・串本町)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 田中大輔:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 清水新一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三沢:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 本多時孝:
    警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 春木:
    和歌山県警の警部。
  • 一枝:
    和歌山県警の刑事。
  • 三好:
    和歌山県警の刑事。
  • 八木:
    大阪府警本部の警部。
  • 佐藤:
    三重県警の警部。

事件関係者

  • 安藤英夫:
    46歳。大阪市内に事務所をかまえる弁護士。1年半前、詐欺事件を起こした。和歌山駅前にあるホテル「南紀」で死体となって発見された。
  • 真田誠:
    真田興業の社長。安藤英夫の仲間。1年半前、詐欺事件を起こした。串本海中公園で死体となって発見された。
  • 西田新太郎:
    43歳。ゴルフ評論家。元プロゴルファー。経堂のマンションに在住。1年半前、詐欺事件を起こした。河芸駅で死体となって発見された。
  • 佐伯要:
    37歳。投資家。四谷のマンションに在住。1年半前、詐欺事件を起こした。
  • 塚本:
    佐伯要のボディガード。元千葉県警の刑事。
  • 青木:
    佐伯要のボディガード。元警察官。
  • 木島:
    M観光の社長。
  • 畑山晋:
    当時54歳。サラリーマン。1年半前、安藤、真田、西田、佐伯に騙されて退職金を失い、自殺した。
  • 畑山有子:
    当時49歳。畑山晋の妻。1年半前、安藤、真田、西田、佐伯に騙されて退職金を失い、自殺した。
  • 畑山恵:
    25歳。畠山晋と有子の息子。三鷹にあるS電機の研究開発部に勤務。中央線の車内で何者かに刺されて負傷する。
  • 上山徹:
    26歳。八年前、千葉市内で起きた放火殺人事件の容疑者だった男。

その他の登場人物

  • 浜谷:
    名古屋K短大の准教授。真田誠の友人。
  • 安藤和子:
    33歳。安藤英夫の妻。
  • 真田めぐみ:
    真田誠の妹。
  • 加藤:
    弁護士。
  • 桜井和雄:
    46歳。海上保安庁の職員。大阪港の巡視船の責任者。
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感想

本作は、復讐による殺人事件だった。

1年半前、詐欺で騙され自殺した両親の復讐をするために、息子が南紀で殺人を犯したのである。言葉で説明すれば、これだけなのだが、犯人にはアリバイがある。また、なぜ、被害者たちが南紀へ向かったのか?

事件の真相の解明とアリバイ崩しが、十津川警部たちの命題になった。

今回の列車トリックの解明は、時間をかけて丁寧に行われた。十津川と亀井で現地にいって、何度も何度も検証を行っていく。読者は一緒になって頭を働かせながら、同時に旅情を味わいながら読みすすめることができた。

犯人は最初からわかっていたのだが、本当の悪は、殺された詐欺師たちだったというのがミソである。

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