初版発行日 1998年1月20日
発行出版社 実業之日本社
スタイル 短編集
私の評価
十津川警部、台湾に飛ぶ!名探偵キャサリン登場!
あらすじ
1.越前殺意の岬
短編集「車窓に流れる殺意の風景」に収録。下記を参照↓↓
→「車窓に流れる殺意の風景」
2.EF63形機関車の証言
銀行強盗犯人の容疑者には「あさま九号」に乗っていたことを示す鉄壁のアリバイ写真があった。十津川警部と亀井刑事は、虚構を見抜こうと「あさま九号」に乗車するが…。
3.海を渡った愛と殺意
多摩川の河原で、男の死体が発見された。男は中国人で来日直後、M商事課長を訪ねていた。課長の妻は、台湾高砂族の首長の娘だった。その課長夫婦は行方不明に。事件の謎を追って十津川は台湾に飛ぶ!観光名所日月潭で、十津川は名探偵の評判高いミス・キャサリンと知り合うが…
小説に登場した舞台
1.越前殺意の岬
短編集「車窓に流れる殺意の風景」に収録。下記を参照↓↓
→「車窓に流れる殺意の風景」
2.EF63形機関車の証言
- 上野駅(東京都台東区)
- 特急あさま9号
- 横川駅(群馬県安中市)
- 軽井沢駅(長野県・軽井沢町)
- 長野駅(長野県長野市)
- 羽田空港(東京都大田区)
3.海を渡った愛と殺意
- 丸子多摩川(東京都大田区)
- 羽田空港(東京都大田区)
- 台湾桃園国際空港(台湾桃園市)
- サントス ホテル(台湾台北市)
- 台北駅(台湾台北市)
- 台中駅(台湾台中市)
- 日月潭(台湾南投県魚池郷)
- 徳化社(台湾南投県魚池郷)
- サン ムーン レイク ホテル(台湾南投県魚池郷)
- 横浜港(神奈川県横浜市中区)
- 日比谷公会堂(東京都千代田区)
登場人物
1.越前殺意の岬
短編集「車窓に流れる殺意の風景」に収録。下記を参照↓↓
→「車窓に流れる殺意の風景」
2.EF63形機関車の証言
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 浜田:
M銀行浅草支店の支店長。 - 花井千寿子:
M銀行浅草支店の行員。 - 深見次郎:
43歳。四谷三丁目のアパートに在住。強盗事件などで前科三犯。2週間前に出所した。M銀行浅草支店で起きた強盗事件の容疑者だが、鉄壁のアリバイがある。 - 山田:
横川駅の助役。 - 青木:
軽井沢駅の駅長。 - 池田有子:
深見次郎の恋人。
3.海を渡った愛と殺意
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三田村功:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 田中大輔:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 片山明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。 - 田口:
羽田空港の管理官。 - 井上:
羽田空港の税関職員。 - 周実徳:
台中市在住の台湾人。ツオウ族。台中市在住の台湾人。ツオウ族。 - 久保寺:
新宿西口に本社のあるM商事営業三課の課長。世田谷区代田橋のマンションに在住。現在行方不明。 - 美麗:
久保寺の妻。高砂族の台湾人。現在行方不明。 - 杉本:
M商事の人事部長。 - 朱慶之:
台湾警察の刑事。 - 白仁:
美麗の父親。ツオウ族の首長。 - 浜口:
京都にある大学の助教授。 - ミス・キャサリン:
アメリカの副大統領の娘。 - 中村:
警視庁捜査四課の警部。十津川警部の同期。 - 吉崎公平:
35歳。四谷にあるJT貿易の社長。K組の幹部。 - 五味:
JT貿易の副社長。K組の組員。 - 杉山明:
JT貿易の社員。K組の組員。 - 朱徳之:
JT貿易の社員。台湾人。 - 白木多三郎:
阿佐ヶ谷にある「公益法人民族文化事業団」の理事長。 - 小暮みどり:
東中野の林病院に勤める看護師。中野のマンションに在住。
印象に残った名言、名表現
■世の中にはいろいろな人がいる。
秋日和の土曜日だからといって、誰もが、楽しい行楽に出かけるとは限らない。
病気で寝ている人もいるだろうし、中には、銀行強盗を働く人間もいるのだ。
感想
本作については、あとがきで西村京太郎先生から、各作品の刊行についての思いを説明されている。それを読んだ方が、意図が伝わると思うので、紹介する。
この短編集は、三つの小説が、あつめられている。表題作『海を渡った愛と殺意』は、三十年来の、親友で、一年半まえに、急逝された、山村美紗さんの、作品のなかで、活躍する名探偵キャサリンと、十津川警部が、協力して殺人事件を、解決するという内容で、舞台は日本と台湾である。
私としては、初の試みであり、私の作品のなかでも、記念すべきものといえよう。長年の交友を懐かしく、思い出しながら、楽しく執筆できた。
二編目の『EF63型機関車の証言』は、十数年前に「週刊小説」に執筆し、当時、実業之日本社から、単行本として出版されている。今年10月、長野新幹線の完成により、廃線となった、横川~軽井沢間を走っていた機関車を、トリックに使った、トレイン・ミステリーである。
碓氷峠の難所を、長年走っていた、鉄道ファンには、馴染みの深い、機関車であり、横川駅の「峠の釜飯」とともに、人々に親しまれてきた。
今や、その雄姿を見ることも、出来なくなったが、私にとっても、思いでの多い、機関車であり、今回、再収録することになった。
また三編目の、『越前殺意の岬』は、十津川警部が、殺人を犯し、自殺しようとする、女性を、必死に、救おうとする話しで、私の作品のなかでも、異色の、存在である。
この短編集を、十分、楽しんで、いただけたら、幸である。
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