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寝台特急「日本海」殺人事件/感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

寝台特急「日本海」殺人事件小説

初版発行日 1985年2月25日
発行出版社 光文社
スタイル 長編

私の評価 2.7

POINT】
青森―東京―京都が舞台の強烈な謎とサスペンス!十津川の推理が冴え渡る!!
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あらすじ

青森から大阪まで。日本海沿いをひた走る寝台特急で専務車掌が絞殺された。事件の謎を握るのは五年前に車中で出産した若い女性。その足跡を辿ると、男女が続けて不審な死を遂げていることが判明。おまけに当人らしき女性は越前岬から投身自殺したという。

小説の目次

  1. 第一の事件
  2. 三つの接点
  3. 女の過去
  4. 新たな殺人
  5. マンションのカギ
  6. 東北新幹線
  7. 影の人間
  8. 一人の男
  9. 三十六年前の疑惑
  10. 北への旅
  11. 海の心中行
  12. アリバイの追求
  13. 怨念の声

冒頭の文

発達した低気圧が、三陸沖を北進しているせいか、青森の街には粉雪が舞っていた。

小説に登場した舞台

  • 青森駅(青森県青森市)
  • 弘前駅(青森県弘前市)
  • 大館駅(秋田県大館市)
  • 秋田駅(秋田県秋田市)
  • 羽後本荘駅(秋田県由利本荘市)
  • 酒田駅(山形県酒田市)
  • 新津駅(新潟県新潟市秋葉区)
  • 直江津駅(新潟県上越市)
  • 富山駅(富山県富山市)
  • 金沢駅(石川県金沢市)
  • 福井駅(福井県福井市)
  • 敦賀駅(福井県敦賀市)
  • 京都駅(京都府京都市下京区)
  • 新大阪駅(大阪府大阪市淀川区)
  • 大阪駅(大阪府大阪市北区)
  • 四谷三丁目駅(東京都新宿区)
  • 清水谷公園(東京都千代田区)
  • 咲花温泉(新潟県五泉市)
  • 咲花駅(新潟県五泉市)
  • 大宮駅(埼玉県さいたま市大宮区)
  • 盛岡駅(岩手県盛岡市)
  • 特急「はつかり7号」
  • 青森駅(青森県青森市)
  • 青森港(青森県青森市)
  • 福島駅(福島県福島市)
  • 羽田空港(東京都大田区)
  • 青森空港(青森県青森市)
  • 恐山(青森県むつ市)
  • 下鴨神社(京都府京都市左京区)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 田中大輔:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 本多時孝:
    警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 西野:
    青森県警の刑事。
  • 杉浦:
    京都府警捜査一課の警部。
  • 井原:
    京都府警の警部。
  • 津田:
    福井県警の警部。
  • 有元:
    新潟県警刑事課の刑事。
  • 三浦:
    青森県警捜査一課の警部。
  • 外山:
    青森県警の刑事。

事件関係者

  • 広野:
    48歳。寝台特急「日本海2号」の専務車掌。寝台特急「日本海2号」の車内で死体となって発見された。
  • 深見早苗:
    当時20歳。5年前、「日本海1号」のベッドの上で出産した女性。平城大学を中途退学した。別荘で服毒死した。
  • 松本かね子:
    49歳。渋谷にある星野総合病院の看護師長。弘前出身。今年の正月に弘前で車にはねられて死亡した。
  • 遠藤和夫:
    25歳。松本かね子をはねたトラック運転手。
  • 羽田:
    救急隊の隊員。5年前、鈴木早苗を病院まで運んだ。今年の正月に雪の下敷きになって死亡した。
  • 河西:
    清水谷公園で死体となって発見された男。
  • 佐藤市郎:
    40歳。青森駅前にある不動屋の社長。何者かに毒殺された。
  • 堀田俊一郎:
    56歳。太平洋電気の社長。
  • 堀田進二:
    堀田俊一郎の弟。太平洋電気の販売子会社の社長。別荘で服毒死した。
  • 山崎鉱一:
    53歳。太平洋電気の営業部長。世田谷区成城に在住。青森港の岸壁で水死体となって発見された。
  • 堀田要:
    太平洋電気の子会社・太平洋企画の秘書。
  • 堀田進太郎:
    堀田俊一郎と深見早苗の息子。

その他の登場人物

  • 深見晋作:
    深見早苗の父親。丸太町通にある漬物店の店主。
  • 深見徳子:
    深見早苗の母親。
  • 河野みゆき:
    東京のKBKテレビのアナウンサー。京都にある平城大学の卒業生。
  • 沢井由美:
    四谷三丁目のマンションに在住。平城大学の卒業生。深見早苗の友人。
  • 花井かずみ:
    京都にある旅館の手伝い。深見早苗の友人。
  • 小西徳之助:
    青森の元漁師。
  • 柴田純:
    歌手。
  • 上田:
    51歳。寝台特急「日本海2号」の車掌長。
  • 広野章子:
    広野専務車掌の妻。
  • 井上:
    寝台特急「日本海2号」の専務車掌。
  • 林:
    寝台特急「日本海2号」の客専見習。
  • 新見:
    大阪駅の助役。
  • 三沢:
    5年前、広野と一緒に「日本海1号」の車掌をしていた。
  • 飯田:
    星野総合病院の事務長。
  • 安井:
    救急隊の隊員。5年前、鈴木早苗を病院まで運んだ。
  • 羽田:
    救急隊の隊員。
  • 山崎敏子:
    山崎鉱一の妻。
  • 山崎由香:
    山崎鉱一&敏子の娘。K大学に通う女子大生。
  • 西島:
    太平洋電気の部長秘書。
  • 矢吹:
    太平洋電気の営業部次長。
  • 中西:
    太平洋電気の人事部長。
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感想

本作は、序盤が良かったが、序盤の良さを中盤以降に台無しにしてしまった印象である。

序盤は、魅力的な謎が提示されたし、リズムよく進み、物語に一気に入り込めた。が、中盤からはスピード感もテンポも悪くなり、ダラダラとした展開が続く。

中盤は関係者たちの人間関係を探ったり、過去を探ったりして、捜査を深める流れだったと思うのだが、あそこまで、長々と捜査する下りが必要だったのか?結果得的に関係ない人物も登場したりして、話がややこしく、わかりづらくなってしまった。

あまりにも中盤が長く冗長なので、いったい何の話をしてるんだ?と思ってしまった。本作は、この中盤で離脱してしまった人もいるかもしれない。

あまりにも長い中盤から、終盤は一気にスピードアップする。これも十津川警部シリーズの特徴であるが、中盤が長すぎたため、終盤は急ぎすぎて無理矢理終わらせたような印象になってしまう。

はっきり言えば、本作は序盤と終盤だけで良かったかもしれない。序盤が良かっただけでに、中盤以降のダラダラ展開が残念でならない。

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