初版発行日 1984年4月5日
発行出版社 光文社
スタイル 短編集
私の評価
信州-札幌間1300キロの距離と時間の壁に、十津川警部と亀井刑事が挑むトラベルミステリー集!
あらすじ
1.高原鉄道殺人事件
「お姉ちゃんが、死んじゃったよ!」亀井刑事の息子健一が電話で悲痛な叫びをあげた。被害者は亀井の姪で、信州・小海線の無人駅に佇んでいたところを、走行中の「信州1号」の車内から射殺されたのだ。やがて一人の容疑者をマークするが、彼には鉄壁なアリバイが!
2.おおぞら3号殺人事件
短編集「北国の愛、北国の死」に収録。下記を参照↓↓
→「北国の愛、北国の死線」
3.振り子電車殺人事件
短編集「古都に殺意の風が吹く」に収録。下記を参照↓↓
→「古都に殺意の風が吹く」
4.内房線で出会った女ーさざなみ7号
M商事に勤める山田豊は、いつものように出勤していたが、ふと出社するのが嫌になり、会社をサボって内房線で館山に向かうことに。東京駅から特急「さざなみ7号」に乗り、館山へ向かっている途中、田名部涼子となのる美女が隣の席にきて「親しそうにして」とお願いされる。中井というチンピラにつきまとわれているのだという。井上が千葉駅で降りたあと、山田と涼子は館山へ行き、鴨川シーワールドでデートをしていたが、いつの間にか彼女はいなくなり、本物の田名部涼子が死体で発見された!山田と一緒にいた女は何者か?
5.殺意の「函館本線」
短編集「北の事件簿」に収録。下記を参照↓↓
→「北の事件簿」
小説に登場した舞台
1.高原鉄道殺人事件
- 上野駅(東京都台東区)
- 特急「あさま21号」
- 小諸駅(長野県小諸市)
- 乙女駅(長野県小諸市)
- 野辺山駅(長野県・南牧村)
- 小淵沢駅(山梨県北杜市)
- 新宿駅(東京都新宿区)
- 高崎駅(群馬県高崎市)
- 急行「信州1号」
- 羽田空港(東京都大田区)
2.おおぞら3号殺人事件
短編集「北国の愛、北国の死」に収録。下記を参照↓↓
→「北国の愛、北国の死線」
3.振り子電車殺人事件
短編集「古都に殺意の風が吹く」に収録。下記を参照↓↓
→「古都に殺意の風が吹く」
4.内房線で出会った女ーさざなみ7号
- 東京駅(東京都千代田区)
- 特急「さざなみ7号」
- 錦糸町駅(東京都墨田区)
- 千葉駅(千葉県千葉市中央区)
- 木更津駅(千葉県木更津市)
- 館山駅(千葉県館山市)
- 安房鴨川駅(千葉県鴨川市)
- 鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)
5.殺意の「函館本線」
短編集「北の事件簿」に収録。下記を参照↓↓
→「北の事件簿」
登場人物
1.高原鉄道殺人事件
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 桜井:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。 - 亀井健一:
亀井刑事の息子。 - 井上由紀:
21歳。亀井刑事の妹夫婦の娘。女子大生。乙女駅で死体となって発見された。 - 井上菊子:
亀井刑事の妹。井上由紀の母親。 - 林:
長野県警の刑事。 - 中野勇:
井上由紀と同じ大学に通う大学生。経堂のアパートに在住。新宿西口のKホテルで転落死した。 - 黒木明:
32歳。タレント。井上由紀と付き合っていた。 - 土井五郎:
S組の準幹部。
2.おおぞら3号殺人事件
短編集「北国の愛、北国の死」に収録。下記を参照↓↓
→「北国の愛、北国の死線」
3.振り子電車殺人事件
短編集「古都に殺意の風が吹く」に収録。下記を参照↓↓
→「古都に殺意の風が吹く」
4.内房線で出会った女ーさざなみ7号
- 山田豊:
27歳。東京八重洲日本車のあるM商事の社員。千駄ヶ谷のマンションに在住。 - 田名部涼子:
田名部興業の社長・田名部恭一の娘。モデル。鴨川シーワールドで死体となって発見された。 - 中井:
チンピラ。 - 中西:
千葉県警捜査一課の刑事。 - 鈴木:
千葉県警捜査一課の刑事。 - 君島由紀夫:
山田豊の大学時代の友人。弁護士見習い。 - 田名部恭一:
63歳。田名部涼子の父親。田名部興業の社長。 - 原田信一郎:
34歳。田名部恭一の甥。千葉市内で工場を営む。 - 原田裕次郎:
29歳。原田信一郎の弟。 - 小島弓子:
銀座にあるモデルクラブNMGの副社長。元モデル。 - 小早川敬子:
モデルクラブNMGに所属するモデル。
5.殺意の「函館本線」
短編集「北の事件簿」に収録。下記を参照↓↓
→「北の事件簿」
感想
本作は5作品を収録した短編集である。
いずれの作品も、一癖も二癖もある良作揃いだが、一つ挙げるなら、表題作となった「高原鉄道殺人事件」だろう。
十津川と亀井の華麗なるアリバイ崩しが実に見後であった。犯人がしかけた列車トリックを見破ったのである。犯人は”無駄な殺し”をやってしまったというオチも面白かったと思う。
短編とは思えない、”筆圧”を感じた作品でもある。
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