初版発行日 1987年8月31日
発行出版社 徳間書店
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
人気女優の死は連続殺人の序幕!謎を追う十津川と亀井の推理が光る!!
人気女優の死は連続殺人の序幕!謎を追う十津川と亀井の推理が光る!!
あらすじ
雑誌の取材で清里高原を訪れた矢代とカメラマンの卵・由美は「あずさ」車中で目撃した、人気女優の小池祐子と同じペンションに宿泊することに。翌朝二人は、取材中のカラマツ林で祐子の絞殺体を発見した!十津川&亀井の推理が冴える。
小説の目次
- 清里の愛と死
- 東京の愛と死
- ペンション
- 富士見高原
- 検証
- 捜査会議
- 突然の死
- 一枚の写真
- 原稿
- パートナー
- 終局
冒頭の文
「清里ーですか?」「そうだよ。清里だ。今頃は、ぴちぴちギャルで一杯だろう。楽しい取材じゃないか」編集長の田島が、ニヤッと笑った。
小説に登場した舞台
- 新宿駅(東京都新宿区)
- 特急「あずさ5号」
- 小淵沢駅(山梨県北杜市)
- 甲斐大泉駅(山梨県北杜市)
- 清里駅(山梨県北杜市)
- 清泉寮(山梨県北杜市)
- 獅子岩八ヶ岳展望台(長野県・南牧村)
- キャデラックハウス(山梨県北杜市)
- 野辺山駅(長野県・南牧村)
- 富士見高原(長野県・富士見町)
- 鹿の池(長野県・富士見町)
- 明大前駅(東京都世田谷区)
- 中野駅(東京都中野区)
- 東京駅(東京都千代田区)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 清水新一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 田中大輔:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 三浦:
山梨県警の刑事。 - 白崎:
山梨県警の警部。 - 吉井:
長野県警の警部。 - 三浦:
北海道警捜査一課の警部。 - 山口:
宮城県警の刑事。
事件関係者
- 矢代:
雑誌の編集者。 - 木下敬:
カメラマン。明大前のマンションに在住。自宅で死体となって発見された。 - 木下由美:
24歳。木下敬の妹。明大前のマンションに兄と在住。 - 小池祐子:
人気女優。清里のカラマツ林の中で死体となって発見された。 - 西本千秋:
25歳。セントラル相互銀行営業部長の秘書で愛人。準ミスになったことがある。世田谷区松原のマンションに在住。7月に晴海埠頭で死体となって発見された。 - 蘭カオル:
21歳。美人歌手。人気演歌歌・柴英明の家で死体となって発見された。 - 白根エミ:
女子大生。富士見高原の鹿の池のボートの上で死体となって発見された。 - 滝田栄:
50歳。セントラル相互銀行営業部長。 - 倉田功:
29歳。中央テレビのディレクター。三鷹市内に在住。事件後、テレビ局を退社し、ノンフィクションライターになった。自宅で死体となって発見された。 - 松下信方:
48歳。芸能プロダクションの社長。 - 目加田春彦:
43歳。銀座にある貴金属店の社長。田園調布に在住。富良野に別荘をもつ。 - 君原しのぶ:
30歳。銀座にあるクラブ「葵」のホステス。目加田春彦の女。麹町のマンションに在住。 - 目加田アキ:
18歳。予備校生。目加田春彦の娘。9月に富良野でひき逃げにあって死亡した。 - 目加田俊二:
38歳。総合商社に勤務するサラリーマン。目加田春彦の弟。 - 石川明:
35歳。私立探偵。元警察官。三鷹のマンションに在住。 - 市川:
中野にあるラーメン屋「はるみちゃん」の店主。元警察官。 - 本田俊介:
45歳。新宿にある警備保障会社に勤務。元警察官。練馬区石神井に在住。
その他の登場人物
- 田島:
雑誌の編集長。 - 原田:
清里のペンション「ファンシー・スポット」のオーナー。 - 井上:
小池祐子のマネージャー。 - 柴英明:
43歳。人気演歌歌手。田園調布の豪邸に在住。 - 佐藤優子:
女子大生。白根エミと一緒に富士見高原に来ていた。 - 小野リカ:
女子大生。白根エミと一緒に富士見高原に来ていた。 - 杉山温子:
女子大生。白根エミと一緒に富士見高原に来ていた。 - 白根良子:
52歳。白根エミの母親。 - 本田章子:
本田俊介の妻。 - 石川冴子:
石川明の妻。
感想
小気味よくテンポのよいミステリーだった。読みやすいし、ポンポンっと展開が変わっていくので、飽きずに一気読みすることができた。犯人像も二転三転し、終盤まで真犯人が読めないのも良い。
一つだけ難点を挙げるとすれば、本作のタイトルについてである。
確かに、八ヶ岳高原が登場したし、八ヶ岳高原で殺人事件も起こった。八ヶ岳高原の描写も秀逸だったと思う。だが、事件のメインは東京にあり、八ヶ岳高原が登場したのは、前半部分だけである。ここが少し残念だった。
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