初版発行日 2012年9月30日
発行出版社 徳間書店
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
高杉晋作が現代に蘇る??高杉晋作がテーマの歴史組込み型ミステリー!
高杉晋作が現代に蘇る??高杉晋作がテーマの歴史組込み型ミステリー!
あらすじ
ビル・オーナー中西博を脅して屋上から転落死させた高木晋作が出所した。動機の一切を黙秘した高木は、所持する手帳に中西を筆頭に六人の名前を記していた。やがて、出所後を警戒する十津川ら捜査陣を嘲笑うかのごとく、山口県・萩の菊ヶ浜、沖縄県・西表島近海で、相次いで殺人が!被害者はいずれも手帳に名のある人物だった。十津川かは必死に高木の行方を追うが……。
小説の目次
- 津和野から消えた女
- 無人島の溺死体
- 高杉晋作と奇兵隊
- ”現代の奇兵隊”
- キャンピングカー
- 美貌の大富豪
- 終着駅
冒頭の文
その日、四月十日の午後、警視庁捜査一課の十津川に、府中刑務所の所長から、電話が入った。
小説に登場した舞台
- 菊ヶ浜(山口県萩市)
- 水明館(島根県大田市)
- 松陰神社(山口県萩市)
- 言問橋(東京都墨田区)
- 羽田空港(東京都大田区)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三田村功:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 加地:
35歳。島根県警の警部。 - 吉田:
島根県警の刑事。 - 神林:
沖縄県警の刑事。 - 中条:
沖縄県警の刑事。
事件関係者
- 高木晋作:
26歳。山口出身。世田谷区内のアパートに在住。1年前、ビル・オーナー中西博を脅して屋上から転落死させた罪で府中刑務所に服役していたが服役した。 - 高木茂之:
当時52歳。高木晋作の父親。山口市議会議員。高級料理店「たかぎ」のオーナー。7年前、交通事故で死亡した。 - 高木友美恵:
当時48歳。高木晋作の母親。中学校の歴史教師。7年前、交通事故で死亡した。 - 中西博:
56歳。都内のビルのオーナー。1年前、高木晋作に脅されてビルから転落死した。高木晋作の手帳に書かれていた名前の一人。 - 原田孝三郎:
原田観光の社長。高木晋作の手帳に書かれていた名前の一人。 - 白石香苗:
37歳。池袋にある白石宝石店の社長。高木晋作の手帳に書かれていた名前の一人。菊ヶ浜で死体となって発見された。 - 三浦良介:
45歳。3年前から無人島生活を送っていた。高木晋作の手帳に書かれていた名前の一人。沖縄・西表島近くにある無人島で溺死体となって発見された。 - 三橋里美:
26歳。高木晋作が学生時代に交際していた女性。4月までM商事に勤務していた。隅田川の河口で水死体となって発見された。 - 二階堂美紗緒:
銀座の会員制ワインクラブの会員。資産家。高木晋作と親しくしていた。
その他の登場人物
- 竹山大輔:
国立大学の教授。高杉晋作と奇兵隊のことを研究している。 - 戸田明彦:
銀座の会員制ワインクラブのオーナー。高木晋作の学生時代の友人。
印象に残った名言、名表現
なし。
感想
本作は、タイトル通り、高杉晋作をテーマにした殺人事件であった。
幕末の英雄といえば、坂本龍馬や西郷隆盛、大久保利通らが有名である。長州藩では伊藤博文や桂小五郎らに並んで有名なのが、高杉晋作である。
高杉晋作は幕末に亡くなってしまうのであるが、彼を有名にしたのは、やはり、奇兵隊であろう。この当時は、戦争は武士が行うものというのが常識であったが、奇兵隊は武士だけでなく、農民も参加したものであり、当時では画期的な兵隊であった。
ここまでは、誰もが知る内容であるが、本作は、高杉晋作や奇兵隊について、もう一歩踏み込んだ開設がされている。
「高杉晋作について、あともう少し知りたい…」という方ならば、勉強になると思う。ミステリーについては、、、ちょっとしたどんでん返しがあるものの、もうちょっと力を入れてほしかったというのが本音である。
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