初版発行日 1998年8月31日
発行出版社 徳間書店
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
浅草寺・雷門の写真が、連続殺人事件を起こした?十津川&亀井、必死の追跡!
浅草寺・雷門の写真が、連続殺人事件を起こした?十津川&亀井、必死の追跡!
あらすじ
東京・南千住の公団住宅で真田よう子の絞殺死体がみつかり、福井県東尋坊では、夫で、台東区の広報課長・真田信一郎の水死体が発見された。当初、無理心中と思われたが、数日後、真田の部下で課長補佐の小柳克己がひき逃げにあい死亡。事故、殺人の両面から捜査が進められる中、警視庁・十津川警部宛に、三人とも殺されたのだという投書が届いた。そんな折り、二年前に起き、未解決の看護婦殺しが今回の事件に関わっていることが判明し、その時の三人の容疑者が再び浮上したが……!?
小説の目次
- 東尋坊
- 企画書
- 一枚の写真
- 写真の謎
- 混乱
- 七人目の死
- 愛の企み
冒頭の文
三月二日。
ひな祭りの前日の午後、その事件は、起きた。
小説に登場した舞台
- 南千住(東京都荒川区)
- 東尋坊(福井県坂井市)
- 小松空港(石川県小松市)
- 浅草寺(東京都台東区)
- 雷門(東京都台東区)
- 仲見世通り(東京都台東区)
- 羽田空港(東京都大田区)
- 鳥取砂丘コナン空港(鳥取県鳥取市)
- 三朝温泉(鳥取県・三朝町)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三田村功:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 本田:
福井県警の警部。 - 井上:
浅草警察署の巡査部長。 - 江上:
神奈川県警交通課の刑事。
事件関係者
- 真田よう子:
50歳。主婦。南千住の公団住宅に在住。自宅で絞殺される。 - 真田信一:
54歳。真田よう子の夫。台東区役所の広報課長。東尋坊で水死体となって発見された。 - 小柳克己:
36歳。台東区役所の広報課・課長補佐。真田信一の部下。日暮里のマンションに在住。田原町駅付近で車にはねられ死亡する。 - 林彩子:
当時28歳。船橋市内にある太田総合病院に勤務する看護師。数年前、市川市稲荷木のマンホールの中で死体となって発見される。殺人事件として捜査されたが、迷宮入りした。 - 浜野義一:
47歳。政治家。事件当時、林彩子と交際しており、殺害の容疑があったがアリバイがあった。 - 上田:
浜野義一の秘書。 - 佐伯三郎:
35歳。浜野義一の個人秘書。晴海埠頭で殺害された。 - 浅井清:
浜野義一の秘書。 - 北村是成:
40歳。中年俳優。事件当時、林彩子と交際しており、殺害の容疑があったがアリバイがあった。深大寺で死体となって発見された。 - 島村由美子:
北村是成の元妻。翻訳家。目黒のマンションに在住。 - 山崎信之介:
29歳。元プロ野球選手。事件当時、林彩子と交際しており、殺害の容疑があったがアリバイがあった。入院していた仁科病院の病室で睡眠薬を多量に飲んで死亡した。 - 山崎徳之介:
53歳。山崎信之介の父親。運送会社の社長。 - 山崎可奈子:
山崎徳之介の娘。 - 富永幸一:
68歳。アマチュアカメラマン。台東区千束に在住。隅田川の下流で死体となって発見された。 - 塩見:
熱海にある仁科病院の精神科医。 - 高木ひろ子:
30歳。上野御徒町のクラブ「ミラージュ」のホステス。荒木町にあるマンションに在住。小柳克己と親しくしていた。自宅マンションで死体となって発見された。
その他の登場人物
- 小林:
45歳。上野に営業所のあるNタクシーの運転手。 - 小笠原:
千束でカメラ店を営む男。富永幸一の友人。 - 川上:
弁護士。
印象に残った名言、名表現
なし。
感想
本作は、迷宮入りした、数年前の看護師殺害事件が、根本にあった。この事件が起こった時、容疑者が3名浮かんだが、いずれもアリバイがあったことで迷宮入りしのたである。
そして、数年後に、この事件の関係者や間接的に絡んだ関係者が次々と殺されていく。容疑者はその都度、浮上するのだが、その容疑者も死んでいくのだ。
そして、残りは一人しかいなくなった……と思った後に、強烈な大どんでん返しが起こる。
本作は、この大どんでん返しに至るまでの、長い伏線を描いた作品である。
コメント